映画にはさまざまな“ジャンル”が存在しますが「ホラー」、「サスペンス」なんかは「スリラー」というジャンルを部分的に噛んでいるものになります。
一般的に「スリラー映画」と言われる作品は見ている観客に緊張や不安なんかを持たせる作風となっていてスリラー系統の作品はこれから夏にかけて公開されることが多くて楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?!(゚∀゚)
不安を煽るので主人公なんかが実際に体感している視点を映しているものがほとんどですが、その常識を打ち破ったのが今作『サーチ』シリーズ。
2018年に初作が公開され、今作の原案を手がけたアニーシュ・チャガンティのデビュー作になりましたがかなり話題を呼び興行収入7,500万ドルを記録しました。製作費が100万ドルとかなのでかなりのヒットとなりましたね!
内容も今までも作品とは違いパソコンの画面上で物語が進行しているのが特徴的で現代のネット社会があるからこの作品によりのめり込みやすいのだと思われます。
正直物語の進行自体をパソコン上メインで進行するのって難しいと思われますがものすごくよくできていて、ネットの普及とともにネットの怖さが指摘されている現代では今回も当たるのではないでしょうか?
実際に起きるかはわかりませんがこれだけ情報を取得することが誰でもできるし、ちょっとしたことで自身の人生を狂わせる力を持っていますから子供にはいい教訓になりそうな気もします(個人的に)(´ω`)
今回はどんな内容でどんな結末が待っているのでしょうか!?予告から手に汗握るような映像でしたので期待大です!!
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
2018年にアメリカ合衆国で公開されたスリラー映画『search/サーチ』の続編となる作品。映画監督アニーシュ・チャガンティの監督初作品となっており、前作『search/サーチ』は予算100万ドルに対し、日米合わせて7,500万ドルを超える興行収入を叩き出し大ヒットを記録した。
今までのスリラー作品のような主人公が生身で体験する恐怖や不安を写す作風とは異なり、全ての物事がパソコンの画面上で進行していく現代ならではの作風となっている。さまざまなSNSを使用することで物語が進んでいく作品で「SNSだけでここまで物事の真意に辿り着くことができる」こと自体が不安感を煽る。
前作は父親が自身の娘を探し出す内容だったが今作は娘が自身の母親を探す物語となっており、予告の中で“母親が偽名を使っているのでは?”といった内容が入っておりより複雑化しているような印象を受けます。
映像内に残された些細なことも謎を解く鍵となっているため流れる映像全てが伏線となる面白さとSNSという一般的に普及されたサービスの怖さが体感できる作品の結末とは!?
あらすじ
ロサンゼルスから遠く離れた場所で行方不明になった母を探す<デジタルネイティブ世代>の高校生の娘ジューン。検索サイト、代行サービス、SNS…使い慣れたサイトやアプリを駆使し、捜索を試みる。
スマホの位置情報、監視カメラ、銀行の出入金記録──
人々の行動・生活がデジタルで記録される時代、母は簡単にみつかるはずだった──
事故なのか事件なのか? 不可解な出来事はSNSで拡散され、国境を越えて大きなトレンドになっていく──
BUZZに翻弄される中、真相に迫ろうともがくジューン──
そこは“秘密”と“嘘”にまみれた深い深い闇への入り口だった──
メインキャスト<役名>
ストーム・リード<ジューン>
2003年7月1日、アメリカ/ジョージア州アトランタ生まれ。俳優であり、プロデューサーでもあるストームは、現在南カリフォルニア大学の2年生。
アカデミー賞作品賞を受賞したスティーヴ・マックイーン監督の『それでも夜は明ける』(2013)でブラッド・ピット、キウェテル・イジョフォーらと共演し長編映画デビュー。近年、ハリウッドで最も注目される次世代スターの一人である。
エミー賞の優秀ドラマシリーズ部門にノミネートされたTVシリーズ『ユーフォリア/EUPHORIA』(2019)では、ゼンデイヤ演じるルー・ベネットの妹ジア役を演じている。その他にも、TVシリーズ『ボクらを見る目』(2019)などに出演。現在は、人気サバイバルアクションゲームをもとにしたドラマ『THE LAST OF US』(2023)のライリー役で話題となっている。
引用元:公式HPより
感想
さらに進化したストーリーと現代のツールを最大限に使った構成はよく作られていてよかった!今の時代SNSを使えばこれくらいのことはできてしまうリアリティと裏をかいた内容は予想できない結末でミステリー性の濃い作品でした!!( ^ω^ )
SNS世代ならここまでできるかもなぁ…
父親の死後、1人で育ててくれた母親が新たな彼氏と海外へ旅行に出かけたきり失踪してしまい、あらゆるSNSサービスを駆使して母親の消息を追跡するストーリーはSNSの便利さとIDとパスワードさえわかってしまえば世界のどこにいるのかもわかってしまう闇の部分が描かれるミステリー作品でした。
前作から数年しか経過していませんがインターネット環境などの進化は凄まじく、このネット時代の目まぐるしい変化とさまざまなヒントをもとに母親を探すスピーディーさが重なり見ていて頭がこんがらがる程のボリュームになっていてめちゃくちゃ面白かった!
画面いっぱいにさまざまな情報が公開されているんだけど全部は見切れないくらい(・Д・)
基本的に見えているのがPC画面で主人公の1人称視点などへの切り替わりはほとんどなくこのデザイン性も作品の魅力かなと。
ただ前作と同様な構造になっているんだけど使用しているものや映し方なんかはちゃんとアップデートされているのと、メインキャラクターの年齢を若くすることでさらにSNS環境を使いこなしている絵を描くことができていました。
皆さんが日頃から使っているであろうGoogleのサービスからインスタグラムやimessage、What's up、Uberなど。家の雑務や片付けなんかを依頼できるサービスなんかもあり海外で主要なものがてんこ盛りになっていました。
日本ではこういったサービスを利用する人は比較的に少ないため馴染みがないでしょうが人によっては「あっ、あれ使ってる!」みたいなのもあったり。
家のセキュリティなんかも海外ではしっかりしているお宅が多くて、自身でカメラを購入して設置したりするのは当たり前だし、家族でどこに行ったかをGPSで履歴共有なんかもしています。
こんなサービスに馴染みがない人は結構追いつくのが大変かもしれないですね!?(゚∀゚)
これだけいろんなサービスが展開されて使っている人がたくさんいるわけですが全部がいいものというわけではなく、犯罪に使われるようなものもあるわけです。
今作内でもスクリーンビューワーなんかが出てきますがこういうのができちゃうからネットって怖い!って思うんですよ。
外部ネット繋いで相手のIPアドレスが分かったりすれば今回のようなことができちゃう世の中なんですよ。これって私も仕事で使ったりするんですがかなり怖いこと。
友達との会話とかカメラ越しに部屋の中やら何やらを見られている可能性があるわけですよね。 シンプルに怖いわ!!(゚ω゚)OMG
特にパスワードの保存とかが見ていてヒヤヒヤしちゃいましたよ…。人によっては見えるところに貼ってあったりメモしてあったりするんでセキュリティ緩くないか!?と目を疑ってしまいます。
人によっては電車内でPC開いて書類とか表計算とかしてるのを見ますが「そんなところで開いて大丈夫かよ!?絶対コンプライアンス違反だろ!」とか思っちゃいます。
実際私自身が親を探すとなるとここまでできるかは微妙ですね…。まずはパスワードを突破するところかな!
結局どの世代も追いつけていない
今作ではネットの便利さと怖さをメインに置いているわけですが若い世代も社会で働いている大人たちもその真髄を理解しきれていないんですね。
物語の最初の方で母親とFace Timeで通話をしますがまずここでネットに慣れているかどうかが描かれています。
娘は使い慣れているけど母親はわからないことをSiriに聞いてやってもらっていますね。私も手が離せない時にSiriに話しかけて予定とか天気とかを確認することがあります。
でもお母さんはなんでもかんでもSiriに問いかけているようす。ストーリー終盤に「なんでもSiriに聞くのを笑わない」って言ってますしね。
そんな娘も“相手に見られている”かもしれないなんて思っていないわけです。これは若くても若くなくても言えることではあるんですが、これだけ使いこなせているのに危険性に気がつけていないってのが問題なわけです。
最近の日本でも寿司屋での動画とか大手チェーン店に関する告発とかがあったりするわけです。悪いと分かっていても内々で黙っていれば大丈夫なんてのはもう過去のこと。
どこに誰の目があって外に漏れるかわからない時代ですからもう「黙っておけば大丈夫」なんてことは無理なわけです。
それこそ今回のような特定って日本のネットでもよく見ますよね!!いわゆる「特定班」と呼ばれている人たちのことです。
多分やっていることの中でグレーなことはあるんでしょうが1日も経たずに個人のインスタグラムやら通っている学校とか出没する場所なんかを引っ張り出してくるんですよね。被害にあったお店の特定なんかもすごい速さでされています。
すごく少ない情報でここまで明るみになってしまうのがネットの便利さであり怖いところ。この部分が世代にかかわらずどうしても欠落気味になってしまう。
近年学校でも授業に入れたりしているようですがきちんとした教育が必要になってくる内容ですね。入学と同時にタブレットを購入するところもあるようですし、こういったことが起きない対策なんかもちゃんとしないと。
と言ってちゃんと理由を答えることができる大人が少ないのも問題なんですけどね(´ω`)ナンテコッタ 教員側でそういった人材を育てるのも結構キツイか…。
ストーリーの進展具合もちょうどいい( ^ω^ )
今作って画面に登場するキャストが限られているし、そんなに長く映っている人も少ない。物語を展開させるにはそれなりのキャスト数が必要になってくるんだけどこれだけさまざまな展開を用意できるのはすごいところ。
一歩近づくことができたとしてもすぐ解決することができないのも“ネット”を使ってストーリーを作った利点かなと思います。 この作り方は他の作品ではできないでしょうね!
しかも情報量がかなり多いから犯人がすぐ分かってしまいそうにも思えますがそんなことはなくて、思っていた結末とは全く違う内容に驚き( ゚д゚) 予告で母親が偽名を使っているなんてシーンもありましたがちゃんとその部分も回収して尚且つ説明ができるように構成されているからそれがまたいい。
こういうネットを使ったことって盲点が多いんですよね。この見方だとわかんないけどこの見方だとわかるなんてことはよくあるし、正解自体が複数あるから見ている側もいろんな角度で考えることができる。
この作り方は見ている側としては楽しいですよね!犯人もわかんないし、衝撃的なヒントとか出てきたら「えっ!?」ってなって「じゃあこいつがやっぱり…。でも…。」みたいな考えを駆け巡らせられる。
最初は身近な人物から広がっていって最終的に犯人の候補が幅広くもなるから見応えがあって良きですね。この予測がつかないのが面白い。
最後に
いやぁ、今作は大満足だなぁ( ^ω^ ) ネットを普段から触っているからこそ起こりうることだからみんな馴染みがあって見ることができるのがさらにいい点ですよね。
しかもネットを使っているから人間味のない感じになっちゃうかと思ったら国境を超え年齢も離れている人と絆が芽生えるってのも温かみがあってよかったです。
ストーリーのメインは「母親を探すこと」なので協力してくれたおじさんとのことは結構短めに片付けられていたけど気にはならないかなって思います。そこはメインではないのでね。
誰しも秘密はあれどなんらかの形でバレてしまうもの。アメリカなんかは公開しているものが多いし、日本に比べたら結構見つかりやすいんじゃないかな。
日本って犯罪を犯して再就職しようとしたら案外バレないなんてのはよくあることなんですよね。学歴なんかも嘘書いたとしてもそこまで調べるような人もいないから騙せてしまう。
これは日本の平和が生んだ弊害かもしれないです。スパッと切り捨てることをしないから海外のような犯罪者のリストを公開的なこともできないっていうね。更生の余地を残す前提にあるからこういう環境になっているんでしょうが変えていったほうがいいんじゃないだろうかと個人的には思います。
これからネットも進化していきますから安全面を確保する観点から海外みたいに「TikTok」の規制なんかもしていかないとダメなんじゃないかな。
と作品とは関係ないことになってしまいましたが、作品自体はネットの便利さと怖さを知ることができるので子供の教材にもなり得るんじゃないでしょうかね( ´∀`)
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ
評価 ☆☆☆☆★4/5