ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『TAR/ター』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ エリートが抱えているもの

 

 世の中にはすごい才能を持っている人がたくさんいるわけで、さまざまな業界に存在していますが今作の舞台である「音楽業界」はかなり才能に左右されるかと個人的に思っています。

 

 『のだめカンタービレ』なんかは日本で話題となったドラマの一つですが“ちあき先輩”は今作の主人公のター氏と被るように思えます。指揮者って指揮する以外にも楽器を触る場面も多く、特にピアノで演奏したり作曲したりとやることがたくさん!

 演奏する人たちに楽曲のイメージなんかも伝えるから何かしらの楽器ができるっていうのはありそうです。

 

 ただそこまでたくさんのものを抱えるので悩みも多く挫折してしまうシーンなんかはドラマでも描かれやすいのもあります。実際厳しい世界であり道なかばでやめてしまう人も多く生き残るのが大変なのも事実。

 

 そんな環境で大成した1人の女性を描いた今作は彼女の苦悩なども描くドラマ作品で本年度アカデミー賞や世界の映画賞を受賞した期待作です!

 監督トッド・フィールドの約18年ぶりの監督作品ということですがそれまでの10年以上メガホンをとって作品を作り上げる機会がなかったことに驚きですよね!前作『リトル・チルドレン』もアカデミー3部門にノミネートされていましたからなぜなんだろう…。

 

 さらに主人公ターの苦悩だけでなく権力という大きな力の本質的な部分も題材として組み込まれていますのでどのような仕上がりになっているのか!?

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 ベルリンの管弦楽団を舞台に初の女性指揮者を務めることとなった主人公の大成と苦悩を描く物語。指揮者としても評価されかなりの地位を手に入れることなるが彼女自身がその地位の力にのまれてしまい権力を振り翳す姿も描かれる。

 大きな力の前に周りは知らないふりをして自身に火の粉が降りかかるのを避けてきたが事態が大きく動いたことをきっかけに成功者の道は大きく曲がっていく。

 

 こういうのってどの業界でもありうることで日本の大企業なり中小なりでも明るみになっているものもあります。人は直接的な(肉体的)力だけでなく“肩書き”という力にも驕り振る舞ってしまう者もおり、その姿を今作で描いている模様。

 

 昨今話題になりやすいLGBTQ+の方面も描かれているためこう言った問題とどう向き合っていかなければならないのかもこの映画を通じて知る事ができるのではないでしょうか。

 ニュースでも見る機会が増えたかと思います。「男性が女性に」という流れだけでなくその反対や「男性が男性に」、「女性が女性に」のような今まであまり見なかった事例も組み込まれています。

 

 そういった「力」と新しい時代の価値観がどんな作品として仕上がっているのか!?かなり注目度が高く、監督久々の作品となっております!

 

 

あらすじ

 リディア・ター(ケイト・ブランシェット)に、叶わぬ夢などなかった。アメリカの5大オーケストラで指揮者を務めた後、ベルリン・フィルの首席指揮者に就任、7年を経た今も変わらず活躍する一方、作曲者としての才能も発揮し、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞のすべてを制した。

 

 師バーンスタインと同じくマーラーを愛し、ベルリン・フィルで唯一録音を果たせていない交響曲第5番を、遂に来月ライブ録音し発売する予定だ。加えて、自伝の出版も控えている。

 また、投資銀行家でアマチュアオーケストラの指揮者としても活動するエリオット・カプラン(マーク・ストロング)の支援を得て、若手女性指揮者に教育と公演のチャンスを与える団体「アコーディオン財団」も設立し、ジュリアード音楽院でも講義を持つことになった。

 

 そんな超多忙なターを公私共に支えているのは、オーケストラのコンサートマスターでヴァイオリン奏者のシャロン(ニーナ・ホス)だ。

 彼女はターの恋人で、養女のペトラを一緒に育てるパートナーでもある。さらに、ターの副指揮者を目指す、アシスタントのフランチェスカ(ノエミ・メルラン)も、厳格かつ緻密なターの要求に応えていた。

 

 誰もが自分に従う王国に君臨するターだが、このところ新曲の生みの苦しみに頭を痛めている。

 

 仕事部屋に独りでこもり思索に没頭していたターは、どこかの部屋からかそれとも幻聴なのか妙な音が聞こえるようになる。

 同時に交響曲第5番のリハーサルも始まるが、ターが要求する水準はこれまでより遥かに高く、彼女の思う演奏にはなかなか辿り着かないことにも焦っていた。

 

 そんな中、財団のプログラムでターが指導した、クリスタという若手指揮者が自殺したのだ。ターは巻き込まれることを恐れて、それらのメールをすぐさま削除する。夜中、規則正しいリズムの音で目覚めるター。

 何事かと探すと、書斎のメトロノームがつけっぱなしになっていた。ペトラかと疑うが、彼女は勝手に入ったりしないという。リハーサルは相変わらずうまくいかず、クビにしようとした副指揮者のセバスチャンからは、フランチェスカと関係があって彼女をひいきにしているのだと非難される。そのフランチェスカもターの命令に背いて、クリスタからの抗議のメールを削除していなかった。

 

 様々な重圧から追い込まれていくターの唯一の喜びは、新人チェロリストのオルガ(ソフィー・カウアー)の存在だった。その輝く才能と何事にも物怖じしない奔放さに惹かれたのだ。ターはコンサートのもう1曲を、オリガが得意だというエルガーのチェロ協奏曲に決定し、ソロ奏者はオーディションで選ぶと発表する。第一奏者は傷つき、シャロンは嫉妬にかられ、他の楽団員たちにも驚きと反発が広がっていく。

 

 ようやく演奏が完成に近づいた時、ターは財団からクリスタの自殺に関して、弁護士に連絡するようにと指示される。

 

 財団にターへの告発状が届いたというのだ。思いがけない陰謀が動き始め、ターの心の闇は少しずつ広がっていく─。


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監督情報

 今作の監督はトッド・フィールド。

 

 監督を務める映画作品としては今回で3作品目となり制作サイドでの作数は少ない。出演してきた作品も10は超えないという経歴。

 だが監督を務めた3作品(今作を含む)はどれもアカデミー賞と結びつくほどの作品となっており今作も全部で6部門にノミネートされている。

 

 2001年の初長編監督作である『イン・ザ・ベッドルーム』はサンダンス映画祭で上映され残念ながら大賞は逃してしまったものの主演俳優が審査員賞を受賞。その後第73回アカデミー賞で「サンダンス映画祭に出品された作品で初」となるアカデミー作品賞候補にもなり計5部門にノミネートされた。

 

 次作である『リトル・チルドレン』(2006)では『タイタニック』(97)、『ネバーランド』(04)のケイト・ウィンスレットが主演を務め、アカデミー賞で脚色賞を含む3部門にノミネートされるなど実績を残した。

 今作では彼自身最高となるアカデミー賞6部門ノミネートに加え、ヴェネツィア国際映画祭では主演のケイト・ブランシェットが女優賞を受賞。

 

 かなり期間が空いていますがその実力は衰える事なく進化し戻ってきました。今作はどのような仕上がりとなり評価を受けたのでしょうか!?

リトル・チルドレン(字幕版)

リトル・チルドレン(字幕版)

  • ケイト・ウィンスレット
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キャスト<役名

ケイト・ブランシェット<リディア・ター

 1969年、オーストラリア、メルボルン生まれ。

 国際的に最高峰の評価を集める俳優で、プロデューサー、アート・ディレクター、人道家としても活躍。『アビエイター』(04)で初のアカデミー賞®に輝き、『ブルージャスミン』(13)で2度目の同賞とゴールデン・グローブ賞を受賞。また、ゴールデン・グローブ賞を受賞した『エリザベス』(98)、『あるスキャンダルの覚え書き』(06)、同賞とヴェネチア国際映画祭女優賞を受賞した『アイム・ノット・ゼア』(07)、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)、『キャロル』(15)でアカデミー賞®にノミネートされる。

 近年のその他の出演作は、ギレルモ・デル・トロ監督の『ナイトメア・アリー』(21)と声の出演の『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(22)など。

 

ノミエ・メルラン<フランチェスカ・レンティーニ

 1988年、フランス、パリ生まれ。

 モデルとしてキャリアをスタートし、セリーヌ・シアマ監督の『燃ゆる女の肖像』(19)で絶賛され、セザール賞とヨーロッパ映画賞にノミネートされ、時代を代表する実力派国際女優の一人となる。

 その他の出演作は、『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』(14)、ヴァンサン・カッセル主演の『避暑地で魔が差して』(15・劇場未公開)、『パリの家族たち』(18)、『英雄は嘘がお好き』(18)、『恋する遊園地』(19)、『不実な女と官能詩人』(19)、ジャック・オーディアール監督の『パリ13区』(21)など。

 

ニーナ・ホス<シャロン・グッドナウ

 1975年、ドイツ生まれ。

 今ドイツで最も称賛されている俳優。キャリアを通して、30以上の映画賞にノミネートされており、その中の多くの賞を手にしている。『Yella(原題)』(07)でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、『東ベルリンから来た女』(12)でヨーロッパ映画賞にノミネートされる。

 その他の出演作は、『スキャンダラス・クライム』(96)、『素粒子』(06)、『ブラッディ・パーティ』(10)、『誰よりも狙われた男』(13)、『あの日のように抱きしめて』(14)、TVシリーズ「HOMELAND」の13エピソード(14~17)、フォルカー・シュレンドルフ監督の『男と女、モントーク岬で』(17)、TVミニシリーズ「クリミナル:ドイツ編」(19)、TVシリーズ「The Defeated -混沌のベルリン-」の8エピソード(20)など。

 

ソフィー・カウアー<オルガ・メトキナ

 2001年、イギリス、ロンドン生まれ。

 ノルウェー国立音楽大学で世界的なチェロ奏者トルレイフ・テデーンに学ぶと共に、服部国際奨学財団とリヒテンシュタイン国際音楽アカデミーの奨学生として勉学に励む。

 8歳でチェロを弾き始め、英国王立音楽院のジュニア・アカデミーに合格し、奨学生として7年通う。ソロ奏者として11歳からリサイタルを行い、オーケストラ奏者としては13歳でデビュー、13歳から18歳まで「Search for a Cello Soloist」を含む多くの国内大会で優秀な成績を残し、16歳でジュニア・アカデミーの該当部門の賞を全て制覇。本作が映画初出演で、劇中音楽を収めたアルバムでは、ナタリー・マーレイ・ビール指揮の下、ロンドン交響楽団と共に録音に参加している。

 

アラン・コーデュナー<セバスチャン・ブリックス

 1935年、イギリス、ロンドン生まれ。

 『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)のマクシミリアン・ヴィアーズ将軍役、『007/ユア・アイズ・オンリー』(81)でのギリシャ人の悪党アリスト・クリスタトス役、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(89)のアメリカ人ナチス探偵ウォルター・ドノヴァン役などを演じ、映画史にその名を刻む。

 近年では、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(02)では巨大グモの声優を務め、『トロイ』(04)、『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09)、TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のシーズン1~6(11~16)などに出演する。

 

ジュリアン・グローヴァー<アンドリス・デイヴィス

 1950年、スウェーデン生まれ。100作以上に出演するベテラン俳優。

 主な出演作は、『愛のイエントル』(83)、『トーク・レディオ』(88)、『シャドー・メーカーズ』(89)、『エドワード II』(91)、TV映画「真・地獄の黙示録」(93)、『インポスターズ』(98・劇場未公開)、『トプシー・ターヴィー』(99)、『灰の記憶』(01)、『ムーンライト・マイル』(02)、『五線譜のラブレター DE-LOVELY』(04)、『ヴェラ・ドレイク』(04)、『ヴェニスの商人』(04)、『上海の伯爵夫人』(05)、『ディファイアンス』(08)、『黄金のアデーレ 名画の帰還』(15)、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』(16)、『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』(17)など。

 

マーク・ストロング<エリオット・カプラン

 1963年、イギリス、ロンドン生まれ。

 今、最も強い迫力と存在感を放つ俳優。近年では、サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』(19)、製作も手掛けるTVシリーズ「テンプル駅地下診療所のDr.ミルトン」(19)、『クルエラ』(21)への出演で知られる。

 代表作は、リドリー・スコット監督の『ワールド・オブ・ライズ』(08)と『ロビン・フッド』(10)、『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09)、ガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』(09)、『裏切りのサーカス』(11)、マシュー・ヴォーン監督の『キック・アス』(10)と『キングスマン』(14)、その続編『キングスマン:ゴールデン・サークル』(17)、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(14)、『女神の見えざる手』(16)など。

 

引用元:公式HPより

 

 

感想

今までの努力が全てなくなり一からやり直し。権力を振り翳したがために落ちてしまった姿を描いているんだけど会話とか人間関係を理解し切れなかった…。かなり練られていて現実味は強いんだけれども海外の常識?を知らないとわかないのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで築きあげてきたのに…。「権力の暴力」

 アメリカの5大オーケストラで指揮者を務め、有名な楽団「ベルリン・フィル」の主席指揮者に任命されたリディア・ター。指揮者としてだけでなく作曲家としても実力を発揮し、エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞の全てを制した。

 

 自身の師と同じくらい尊敬しているマーラーの全交響曲収録を達成するのを間近にしていた中、彼女のもとで指揮を学んでいた女性が自殺したことをきっかけに徐々に彼女が築き上げたものやメンタルが蝕まれていく。

 周りから評価されていた日常がだんだんと変わり行くストーリーは彼女自身が意図していない内容などで湾曲してしまい、現代社会とくにSNSなどの確証がなくても効力を持ってしまうものの暴力とオーケストラで実際にあるような過程が入り混じりかなりの範囲を含んだ作品に仕上がっていました。

 

 作品のボリューム自体もかなりあり150~160分の上映時間。こういう業界の情報や知識などはありませんが一つの“会社”の中とさほど変わりのない社会が出来上がっていて展開自体は入って来やすく作られています。

 

 メインの部分も単純な構成になっていて、指揮者・作曲家として功績を残してきたターがその“席”の力を振るいそれがそのまま彼女自身に戻ってきたかたち。ここまで言ってしまえば因果応報の一言だけなのですがそれでは終わらせられないんですよね。

 確かに相談もなしに勝手な決断をしたりして周りの不満がかなり溜まっているのも垣間見えますし、彼女にやんわり注意しているんだけど「私が決定権を持っている!」みたいな感じで押し通してくる。

 

 こんなことしていたら楽団員もストレス溜まるだろうし、これからやっていく若い世代も追い詰められて最終的に命を絶ってしまう可能性もある。 その積み重ねが今回の事件を招いたんですよね。

 

 先ほども書きましたが見え方としては一つの組織なだけなんですよね。音楽業界はぶっちゃけ関係なくてどこの業界でも今作のような構図が生まれます。

 ただオーケストラなんかは普通の会社よりも役職の回転が早いのかなって感じます。実力だとか経験で主役となるポジションを獲得できるわけなんですが、指揮者や楽団の上部だったり資金の寄付者次第ですぐに首を切られてしまう。そんなシビアな世界が見えました。

 

 なので全く違う意見を言ったり何かしらで機嫌を損ねてしまったら続けていけなくなってしまうわけです。で、奏者たちって収入ももらっているわけなのでクビになったら生きていけなくなっちゃうんですよ。

 だから自殺してしまったクリスタもどこの劇団も受け入れてくれなくて…って流れだったわけです。

 

 これだけ有名な楽団の一員であることは誇りに思えることですからせっかく掴んだポジションを手放したくないですよね。

 ターが何か納得できないことをしても直接は言わないし陰でこそこそするしか捌け口もないんですよ。

 

 そんな人間の表と裏だったり権力を得たターの横暴さとか醜態とかが全面に描かれている。実際にさまざまな指揮者の名前が挙げられたりしていますし、現実に問題となった事例もあるもの。

 この業界の歴史が長いのもあるのでこういったことが完全に無くなるのはまぁ難しいでしょうね。年数が長い組織ほど中身を変えるのに多大な時間と労力がいるわけです。日本の大企業だとか政府とかもそんな感じですよね。

 

 ター自身も若い世代の実力が怖かったんでしょうね。足元掬われる前に摘んでおくスタイルなわけです。自殺のことがネットで記事になるくらいですから実力はつけていたわけでどこかで潰すつもりでいたんでしょう。

 

 こうなってくると権力というものの怖さがすごいわかりますよね。本作は女性がメインで話が進んでいきますが男だろうと女だろうと同じように力を振るうんですね。 現代社会でさまざまな価値観が生まれてこういう権力に立ち向かう環境になっているのでターもそれにかかったわけですね。

 残念ながら亡くなってしまった人はいましたがこれから社会を作り上げていく世代を大切にしよう、今までなぜか続いている生きにくい環境を変えないといけないよね!みたいなメッセージ性のある作品ではなかったのでしょうか。

 

 

自殺事件を皮切りに皆崩れていく

 クリスタの自殺をきっかけにターだけでなくターの周りにいる人たちも耐え切れなくなってしまい崩れていきます。

 

 ター自身は告訴されているのもですが誰かに見られているような感覚がありうまく寝ることができなくなってしまいます。

 作曲家として活動している彼女はさまざまな音に注目おり、音に反応するシーンは多く登場します。それと同時に視線というか誰かがいるような感覚がありターを横にずらした写し方をしているシーンも。

 

 もしかしたら亡くなったクリスタがどこかに出ていたのかもしれませんね。ネットにはそういったコメントもあったのですが私は全く気がつきませんでしたw( ´∀`)

 こうやってターの精神を少しずつ削っていったわけですが彼女よりもフランチェスカの方が精神的にかなりキテたんじゃないかって思います。

 

 だってターのスケジュールとか連絡とかを管理してメールのやりとりもしていたので、クリスタの苦しんでいるメッセージを最初にみていたんですよ。

 ターの機嫌を損ねたら指揮者になる夢も絶たれてしまうけどクリスタを助けてあげたいっていうところに挟まれていたんですから。作中でもターの作業場で泣いていましたしもうあの時点で完全に崩れてしまいましたよね。

 

 その後は出勤しなくなり退職の申し出も済ませていた。住んでいたところも出ていってどこかへ姿を消してしまったのはもう最終手段でしかない。年齢も若いのにあんな終わり方したくないですよね

 だけどターのような自身の席を守ろうとする大人に動きを止められてしまうってのは現代社会でも同じことが起きています。

 

 日本も先進国の中で自殺がめちゃくちゃ多いって言われるくらいストレスが蔓延している社会になっていますし、もっと改善されていい世界になったらいいですね。 その部分もテーマになっているでしょうね。(自論)

 

 

最後に

 正直エンディングはめちゃくちゃびっくりしました!!(゚∀゚)

 今作は普通の映画作品と少し違う構造になっていて冒頭に演奏者?だったり協賛会社とかを紹介しているんですよ。 よく見るのは作品のエンドロールなんですが長いから半分に割ったのかなんなのかはわかりません。

 

 で、冒頭の中に『Monster Hunter CAPCOM』って書いてあったんですよ!最初は「なんでモンハンの名前があったんだ?ただの見間違いか?!」とか思っていて序盤は曲とかかなと思ったけど途中で作品の理解に頭を使っていました。

 それが最後にモンハンが出てきて「あ〜〜〜(゚ω゚)そうゆうことね!」ってなったけど、終わってみて思ったのが「でもなぜモンハンなんだ!?オーケストラのコンサートするゲームなんて他にもあるじゃん」って。

 

 これは運がよかったですww 最初にたまたまCAPCOMを見つけていたので。

 

 最終的にターは楽団を去りましたが音楽から離れることはなくアジア圏で活動をすることに。かなりの潔癖で消毒だったり手洗いとかをいっぱいしていたのが「下町」感の強い環境で活動をする。

 本当に一からのスタートになってしまったけど変なストレスとかなく音楽を純粋に楽しむっていうのが最後になっていたんじゃないでしょうかね。

 

 ベルリンのような街並みではないし高級車は見かけない、タクシーはトラックの荷台に屋根をつけたようなやつに知らない人と相乗りをするような環境に身を置いているけど当初の姿はなくなっています。 「人」に戻ることができていたんじゃないかなって。

 

 まぁ面白くはありましたけど知識があれば見え方がかなり変わってしまうかもしれないですよね。音楽は聞くにしてもクラシックを聞くかって聞かれれば答えは「NO」ですしね。

 音楽は素晴らしいし、人間の登ってから落ちる際の狂気性を描けていて良い作品でした。これだけ多くの部門にノミネートされるのも納得です!

 

 というか結局見ちゃいましたね( ^ω^ ) デスパレートランで見とけばとか書いてたら見たくなったので翌日の席をすぐポチっちゃいましたww

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆☆★4/5