ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体の目安で月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『悪い夏』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 現実の制度も変えていかなければ…

 

 日本にはさまざまな制度が用意されており何か問題があって仕事を続けることができなくなっても日本国民であれば国が補助をしてくれたりします。

 現代の日本では資格がないのにその恩恵を受けていたりと問題もあり早急に改善しないといけなかったりします。何十年も改正されないし改正されても抜け穴が残されていたりするのは日本らしいというかなんというかね…(゚ω゚)

 

 そんな救済制度の1つである“生活保護”が今作の主軸となっています。

 

 ニュースでも不正受給で逮捕されたなんて話は聞きますし、日本人だけでなく外国人の逮捕者も出るというカオスっぷり。政府には迅速に制度の穴を埋めてもらわなければなりませんが日本は海外の政治に比べて進みが遅いのでいつになることか。。。

 悪知恵を働かせる人はその穴を突いて得をしており真面目に働く人はバカみたい。逆に本当に貧困で苦しんでいるけど役所で何かしらの理由を告げられ支給を受けることができず亡くなってしまうなんてこともある。

 

 生活保護の存在意義と何が正義なのかという狭間で仕事をこなす市役所職員がどんな“地獄”に落ちていくのか…。 登場人物に“クズ”と”悪”しか出てこないってどんな作品なのよ!? 原作読んだことないけど著者が『正体』の染井為人ってだけで気になる!

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

作品情報

 2017年にKADOKAWAから発行され第37回横溝正史ミステリー&ホラー大賞最優秀賞を受賞しており、小説家・染井為人のデビュー作品。

 

 市役所の生活福祉課に勤める主人公がある日「同僚がシングルマザーの生活保護受給者と肉体関係を迫っている」という話を耳にする。ことの真相を確かめるため生活保護を受給している女性の元を訪れる。

 ただ確認するために彼女の元へ足を運んだだけなのにこんな地獄に足を突っ込んでいるなど露知らず…

 

 主人公の公務員・佐々木を演じるのは数々のテレビドラマや『東京リベンジャーズ』(21〜23)シリーズの花垣武道役の北村匠海が担当。今年は脚本も手がけた初の短編映画監督作品『世界征服をやめた』が公開される。

 他には実写映画『ナミビアの砂漠』(24)やアニメ映画『ルックバック』(24)の河合優実、元乃木坂46の伊藤万理華、『勇者ヨシヒコ』(11〜16)や『シャイロックの子供たち』(23)、『アンダーニンジャ』(25)の木南晴夏、『ある男』(22)、『春に散る』(23)の窪田正孝などが出演する。

 

 「クズとワルしか出てこない」と話題になった小説作品がついに映画化!『ある男』の向井康介が脚本を担当し、数多くの傑作を作り上げてきた城秀夫が監督を務める。

 

 極悪小説をどこまで実写で再現できるのか!?

 

あらすじ

 佐々木守は「職場の先輩・高野が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」と同僚の宮田から相談を受け、真相究明の手伝いを頼まれる。

 気弱な佐々木は、正義感に燃える宮田の頼みを面倒くさいと思いながらも断ることができず、その女性、育児放棄寸前のシングルマザー・愛美のもとを訪ねる。

 

 愛美は高野との関係を否定するが、実は裏社会の住人・金本、その愛人の莉華、手下の山田と共に、ある犯罪計画の片棒を担ごうとしていた。

 そうとは知らず、徐々に愛美へと惹かれてゆく佐々木。ふとしたきっかけで万引きを繰り返すようになってしまった生活困窮者・佳澄らを巻き込み、佐々木にとって悪夢のようなひと夏が始まろうとしていた……。

 

※引用元:FashionPressより


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キャラクター<俳優名

佐々木守<北村匠海

市役所の生活福祉課に務める。業務の一環でシングルマザーの愛美と出会い、交際に発展するが実は金本らが裏で糸を引くハニートラップだった。公務員として真面目に生きるも、気弱な性格ゆえに犯罪に巻き込まれていく。

 

林野愛美<河合優実

育児放棄寸前のシングルマザー。色仕掛けで佐々木を犯罪の道に引きずり込む。

 

宮田有子<伊藤万理華

佐々木の同僚。異常なほど正義に固執する。

 

高野洋司<毎熊克哉

佐々木の先輩。愛美を脅迫し、肉体関係を迫る。

 

金本龍也<窪田正孝

裏社会の住人。佐々木を陥れようと裏で糸を引く首謀者。

 

山田吉男<竹原ピストル

生活保護を不正受給するドラッグの売人。

 

梨華<箭内夢菜

愛美の友人。

 

古川佳澄<木南晴夏

夫に先立たれ、息子と2人で暮らす未亡人。困窮した生活から万引きに手を染め、依存症のようになってしまう。

 

※引用元:FashionPressより

 

感想

巻き込まれたら不幸にしかならないこのサイクルに一度ハマればなかなか抜け出せない…。私自身も巻き込まれたくないしこれを生み出せる制度は変えていかないとなぁ。優しい奴、お人よしな奴ほど利用される( ;∀;)

 

 

 

 

 

 

 

時代に置いていかれる制度設計

 市役所で生活保護受給者を相手に業務をしている新人の佐々木が先輩の不祥事をきっかけに貧困ビジネスに巻き込まれていく姿を描く。一向に内容が変わらない制度の穴をつき悪用される構造と真面目に生き周りに優しい青年がいいように利用され追い詰められる哀れなさが感じられる一作でした!

 

 国の制度自体に問題があるとも感じるシーンが多々あり、私の中で現実で過去に報道されたニュースなんかがフラッシュバックされ考えさせられるなんて部分も…。

 

 今作は生活保護制度を悪用しているところをメインにしていますが、その裏では「本当に生活が困窮している状態だけど生活保護を受けることができない層」が存在している点にも注目できます。

 作中での出演割合は少ないけど分岐になるようなところは少し時間を割いています。木南晴演じる古川がお金がなく電気を止められ食べるものも買うことができない状態になってしまった時に万引きしてしまったり、水道が止まって公園の水飲み場から飲み水を持って帰ったりするほど。

 

 なんとか食い繋いできたけれど万引きがバレて再就職もできなくなってきたから役所に駆け込むけどいろいろな理由をつけられて許可されない。

 現実でも数年前に大阪府八尾市で生活保護を受けていた母子が亡くなった事件も起こりました。あの事件は機関の業務管理が悪く保護廃止されたことが原因でした。もう少し昔には福岡県でも餓死が発生したりなどもあり社会的問題にもなっていましたね。

 

 それと今作は日本人に着目していますが、現代社会では外国人の生活保護受給なんかも問題になっていますね。

 在留資格を有する条件に「自活できること」(日本で生活できる収入がある)があったりしますが、生活保護受給=自活できていないわけなので支給し続けるのもおかしいですし、憲法で“日本国民”を対象としているんですが“人道的”を理由に当面の間という曖昧な期間を設けて支給し続けられていたりもします。

 

 本来外国人の人権はその人の祖国が有していますから日本で面倒見る必要性はないんですよね(´ω`)ナンデ 外国人への支給によって多くの日本人は「外国人のために税金を払っているわけじゃない」「真面目に働いているのがバカみたい」などの不満も膨れているんですよね。

 

 作中では外国人については触れていませんが、作品を見ていて現代の問題を見ていると避けては通れないところだなと…。

 

 それとメインの貧困ビジネスについてです。正直外国人の不正受給も割とニュースで見る機会が増えてきたなと感じています。もともと不正受給のパーセント自体は低いそんなんですが管理が人であったり確認基準が割とゆるいように感じますし、作中と同じような確認しているなら表に出ていないだけでもっといるでしょうね。

 

 これも制度がかわらないままってとこが関係していますよね。現代社会ならもっと厳しく審査・監視をしていくことができると思うんですよ。ネットワーク社会でいろんなものが進化してきているのに、こういう公的サービスは変わらないままっていう。

 裏金問題などでガヤガヤするのもいいんですがもっとやることあるだろって感じちゃいますね。日本の政治って進みが遅すぎて嫌になっちゃいますw( ゚д゚)

 

クズと悪ばかりだが被害者は報われてほしい

 今作のストーリーの主軸となっているのは愛美だと思うんですが、彼女が結構かわいそうなんですよね。過去がどうとかは出ていないけど自分の子供に対する接し方を見ていると“愛情”に対しての理解がないのが伺えます。

 生活保護を受給しながら生活しているけど連んでいる友人の梨華に頼まれて仕事を手伝ってから色々と巻き込まれちゃうんですよね。

 

 生活保護を受けているけど仕事をして高野にバレちゃったから肉体関係を余儀なくされたわけです。何もいいことがなくて我が子にもイライラする様子もあるんですよね。

 顔には出さないですが佐々木に出会い徐々に気持ちが変わっていきます。その中で放った「助けてよ」は彼女の本心だったんでしょうね(´ω`) その言葉を言った本人も「私何言ってんだろ!?」みたいな顔してますよね。

 

 ここまでは心境の変化があり「幸せになっていってくれ!」と思いましたが、金本が貧困ビジネスを思いついてからがもっと地獄に…。そこに佐々木も追加されて被害者拡大しどんどんと悪化していってしまう。

 逃げようにも山田の監視もあるし金本が「逃げたらどうなるか…」と脅しもかけているのでどうすることもできない。佐々木なんてストレスで宮田に一瞬牙を向ける場面もあったりと徐々に荒れていっちゃいます。

 

 古川が生活保護の申請に来た時なんてストレスの吐口にしている場面(想像)があったりと限界が来始めています。

 

 そしてプッツンと来たのが古川が息子と自殺しようとして意識不明になったこと。自分が生活保護申請を拒否したことがきっかけというのもありついに限界が来ちゃうんです。

 帰宅して真っ直ぐ包丁を手にし、愛美に「一緒に死のう」と持ちかけ彼女もそれを受け入れようとするんでもう限界なんですよね。だけど山田に止められて金本も登場し阻止され高野とか宮田とか勢揃いでもうカオス状態ww( ^ω^ )

 

 クライマックスまでの間、終始金本たちの被害に遭っているから可哀想が続くんです。ただクライマックスが短いしそこにいくまでが長めに感じるので「まだぁ!?」となっちゃう人もいるかもしれないです。それくらい長くはあるw

 

最後に

 主人公の佐々木が良かったですね!真面目な童貞くんなんだけど一皮剥けて男になったと思ったら、貧困ビジネスに巻き込まれ闇落ちまでの表情の広さがめっちゃ見てて引き込まれました。

 性格的に内面を外に出さないタイプなんですが宮田にキレた時は「おぉ!」となりましたし、古川の相手をしている時の弾け方はすごかったですね( ´∀`)

 

 そして金田ですよ。最近窪田正孝が敵役というか悪いやつやるのを割と見る気がするんですが、めっちゃ怖いし暴力シーンもすごいんですよ!鍛えているから腕も太いんでより凶悪さが出ててねw( ᐛ )コエー

 あんなのに脅しをかけられたそりゃ逃げる気失せますよね。逃げたら果てまで追いかけてくると考えたら大人しくもなりますよ。

 

 台風が上陸して超悪天候なのに皆が集結するなんて全員崖っぷちすぎでしょ。高野なんて店のポリス服で来てるし宮田は高野を探してやってくるしでみんな何やってんねんw 倒木するくらいなんだから大人しく家で過ごしとけよ!

 

 最後は「悪い夏」から脱出して季節が変わっていましたからひとまずは良かった( ^∀^)

 

 直接のシーンはなかったけど愛美と結ばれて生活しているんでしょうね。玄関先に干された子供用の傘と家に帰ったときに「ただいま」と言える相手がいるわけですから、愛美に救いの手を差し伸べたことは間違ってなかったんだなと。 まだ刺された足を引きずってましたが時間経過で良くなっていくんでしょう。

 

 社会問題と個人の愛について描いたいい作品でしたね。古川もあったかい格好をして万引きせずに済むくらいにはなっていたからどこかに救いはあるんだなと。

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆☆★4/5