イギリスの女流作家で世界的に有名なアガサ・クリスティ。彼女の推理小説は今でも語り継がれており2017年、2022年に実写映画が公開され今回で3作目になります。これまでにも映像化されてきた作品を現代の有名俳優たちが演じ製作され、どれも有名作の映像化であることから注目が集まっていました。
2017年の『オリエント急行殺人事件』、2022年の『ナイル殺人事件』に続く人気作品ですが前回公開されてからかなり早いスパンで公開となりましたね。
いつものことですがこんなに有名な作品ではあるものの原作小説を読んだこと私。活字とは縁を切ってしまったのかいうくらい本は漫画か資格の本しか読まないのでどんな謎が待っているのかが楽しみ!
俳優陣も相変わらず豪華な顔ぶれですね(゚∀゚) 今回で原作シリーズ内の映画化3作品めになるわけですが、原作って1969年に発表された作品なんですね。勝手なイメージでもっと古い印象を持っていました。まぁ69年でも十分古いですけどねww
監督も前2作とも製作したケネス・ブラナーが担当するということで安定しそうですね。監督が変わってしまうことで心配なのが良し悪しどっちに転ぶのかがギャンブルすぎるところ。
1作目が良くて同じ監督が2、3と続けてくれるのはいいんですが1作目良くて後がダメになるのが一番怖い。「あのいい作品の続編がこれっ!?」みたいになっちゃうのがね。その逆も然りではありますがこれだけ有名な作品となると映画化は安定させたいものです。
その点は今回安心できるかなとは思います。しっかり謎解きも残し原作へのイメージも壊すことなく今まで作ってきているから今回も楽しみ!!
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
1969年に発表された推理小説『ハロウィーン・パーティ』をもとにした映画作品でエルキュール・ポアロシリーズの第3作品目となる。
第二次世界大戦終戦直後のイタリア・ヴェネツィアで開催された交霊会で殺人事件が起きてしまう。一銭を退いていた名探偵ポアロもその交霊会に招かれており事件に遭遇、この事件を解決するため捜査をすることに!!
名探偵ポアロは過去公開された『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』でもお馴染みのケネル・ブラナーが続投。ポアロを演じるだけでなくシリーズ通して監督も務め作品全体の構成や指揮をとる。
周りを固めるキャラクターたちは『ウエスト・サイド・ストーリー』やDisney+で配給された『ロザライン』のカイル・アレン、『スティル・ウォーター』、『ハウス・オブ・グッチ』のカミーユ・コッタン。『フィフティ・シェイズ』シリーズに出演しているジェイミー・ドーナンや多くの作品に出演し『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で製作総指揮をとったミシェル・ヨーなどの大物も参加する。
ヴェネツィアで突如起きた殺人事件。人間には不可能に見える犯行が数々の事件を解決してきた名探偵ポアロを追い詰めていく。
事件の犯人は誰でどういった目的があって犯行を行ったのか!?全世界で20億冊以上出版された人気シリーズの最新作がようやく解禁!!
あらすじ
“ミステリーの女王”の異名を持つアガサ・クリスティが生涯を通して書き続け、今なお全世界で愛される“名探偵ポアロ”シリーズ。
1969年に発表された『ハロウィーン・パーティ』を原作に、舞台をイギリスから第二次世界大戦後のハロウィーンを迎えた不気味なベネチアに移した本作。
一線を退き、ベネチアで流浪の日々を送るポアロは、朽ち果てた大邸宅で行われる降霊会にいやいやながら参加することに。
そこで来賓の1人が殺害され、ポアロは影と秘密をはらんだ邪悪な世界へと足を踏み入れてしまう─。
※引用元:cinemacafeより
キャラクター<俳優名>
エルキュール・ポアロ<ケネス・ブラナー>
世界一の名探偵。隠遁生活を過ごしていたが、旧友オリヴァからの依頼を受けて、霊能者のトリックを見破るため降霊会に参加する。
レイノルズ<ミシェル・ヨー>
死者の声を話せる」と断言する、謎めいた霊能者。ハロウィーンの夜に降霊会を開催し、超常現象を全否定するポアロと対峙する。
アリアドニ・オリヴァ<ティナ・フェイ>
ポアロの旧友のミステリー作家。ベネチアで隠遁生活中のポアロを訪れ、降霊会への参加を持ちかける。
ロウィーナ・ドレイク<ケリー・ライリー>
最愛の娘アリシアを亡くした母親。娘の霊と対話するために降霊会を依頼する。元オペラ歌手。
オルガ・セミノフ<カミーユ・コッタン>
ドレイク家に献身的に尽くす家政婦。アリシアの生前、自分の娘のように彼女を可愛がっていた。
ドクター・フェリエ<ジェイミー・ドーナン>
悩みを抱えた医師。軍医として従軍して以来、心を病んでいたが、ロウィーナに請われドレイク家の主治医に。
レオポルド・フェリエ<ジュード・ヒル>
ドクター・フェリエの10歳の息子。とても賢く父想いで、精神的に不安定な父を支える。
デズデモーナ・ホランド<エマ・レアード>
弟のニコラスと共に、降霊会のアシスタントを務める。誰にも知られたくない秘密を抱えている。
マキシム・ジェラード<カイル・アレン>
降霊会に招待された、若きシェフ。ロウィーナの亡き娘、アリシアと婚約していた過去を持つ。
ヴィターレ・ポルトフォリオ<リッカルド・スカマルチョ>
ポアロのボディガード。探偵を引退したポアロの、ベネチアでの静かな生活を守る。
※引用元:公式HPより
感想
愛がゆえの事件を亡霊の犯行のように見せるのがめちゃくちゃ上手くてシンプルにドキドキしてしまう一作。カメラワークも題材に合わせて調整されているし、普通にドキッとするホラー要素も怖くてミステリー感が負けているとこも( ´∀`)
STAP細b…じゃなくて幽霊はいるのか!?非現実の証明
ミステリー作品なのでどんな手口で犯行が展開されていくんだろうって思っていたら予想していた以上に怖いシーンが多くてそっちに力を入れてきている作品だったのではないかなと感じました。
CGのようなシーンもそんな使われていないように思いました…というかあの家の中でストーリーが進展してくのでCGを使う必要がないんですよねw
たくさん幽霊を映り込ませているわけでもないし、ドキッとするのが基本音とか動きなのでかなりシンプルな造りなんですが怖さが全面に出てきていたので楽しむことができましたね。
鋭い観察眼と推理力で難事件を解決してきたポアロですが誰も聞こえない声や鏡越しに少女が映り込んだりするうちに“心霊現象”という非現実的なものを信じて始めていきます。
彼自身は事件を解決するために聞き込みをし屋敷にいる人たちのアリバイを確認していくけれどどうもおかしな現象が起こる。
「声が聞こえるよね!?」と聞いても周りは「いや、そんなの聞こえないよ」と言われ自分にしか聞こえていないんだと感じるんですよね。そこにレオポルドが追い討ちで「あなたにも聞こえるんだね」と言ってくるからポアロの内心は焦っていたんじゃないでしょうかねww( ^∀^)
後周りにいる人たちがポアロの「幽霊っているんじゃないか!?」って気持ちをさらに進めていくんですよ。ドクターの発作もその原因の一つに入っていると思うんですが、あんな独り言ぶつぶつ言ってたら取り憑かれてんのかな?とか考えるじゃないですか!?
だけど犯人に結びつくようなところが一切感じ取れなくて進行しているのに謎が深まるばかり…。原作の内容も知らないので余計にわからないんですけどね( ^ω^ )
範囲が狭いからカメラで魅せる
狭いと言っても大きな家なんですが世界各国を飛び回ったりどこか別の場所へ移動したりなどがない分どこから事件現場や心霊現象を見せるかが肝になる今作(自論ですが)。
ポアロをはじめ周りの登場人物が事件に巻き込まれていくのをより怖さや引き出すのかが難しくなってきます。現場が「多くの子供達が亡くなった孤児院」なのでこの時点で建物の怖さは合格点。あとは何を付け足していくのかになるわけです。
事件を解決するために進行していく中で幽霊の仕業っぽくするのに画角がかなり計算されていて怖さMAXでございました!
天候も嵐でヴェニスの優雅な街が荒れ迎えの船を呼ぶこともできないいわば“孤立状態”なわけです。こんな日って絶対何か起こるのが映画の定石。
「なんか起こるな」とか思っていたら、基本起こることがオーバー気味なんですよねw 幽霊感を出すのにこのくらい必要だよなとか思いますがとにかく壊れたりする音が豪快!
シャンデリアが落ちちゃうシーンなんかマジでびっくりしましたもん(゚∀゚)ギャーーーw タイプライターの音も普通に怖いですわ。それを映す時も字にめっちゃ寄るし、タイプライターのフォントも悪いですね。ホラー番組のテロップと同じフォントしてますもん!
そんな字にぐーんって近づいたら「怖い字!」ってツッコミますよ。
あとは建物をうまく使っていますね。背景が真っ白だったりすることが少なくて“古い洋館”感のある壁紙だったり装飾品だったりを映り込ませているから怖さが和らぎにくかったです。
画角的に私たちが幽霊の目線にいるような映され方がしていたかなと思います。人物全体が見えるような画角だと幽霊が上から見ているような感じだし、ポアロが早足で歩いている時の“GoProで撮ってますよ!”みたいな画角はポアロを正面から見て追っているような感覚があって亡くなったアリシアなのかなって。
最後に
トリックについては劇場でどうぞお楽しみください。
見た感想としてはめっちゃちゃんと作り込まれているなぁと感じました。ポアロが犯行の動機や手口を話しているのをなるほどと思いながら見てましたが「あれはどうなんだ?」って引っかかるのがなかったんですよね。
そして痛感したのがオカルト感を残しつつちゃんとトリックがあったんだよっているバランスの取り方ですかね。最後は手口を暴いて事件を解決することができたんだけどポアロ自身が最後に見たものが“本物”なのかを謎として残していたのがかなり良かった。
あれだけ時間が経っていて後半は声も聞こえていなかったから本物なんじゃないかとポアロ自身も信じてしまったのではないでしょうか!?彼自身もう毒は抜けていると思っているでしょうしね(´ω`)
撮影の仕方と亡霊という要素の残し方がよくシリーズの中でもシンプルに楽しめる作品だったのではないでしょうか。
私個人としてはかなり満足度高く期待値を上回ってくれたので良かったです!今後このシリーズって何かやるんでしょうかね?いったん今作で止まるのかな?もっとやってほしいですね。
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ
評価 ☆☆☆☆★4/5