パソコンを使ってインターネットにはじめて触れたのがいわゆる“インターネットバブル”期だったんですが、ゲームや動画などを始めいろんな掲示板なんかを渡り歩いていました。
今は改名されていますが“2ちゃんねる”なんかも見たりしていたのでAAの偉人や「ぬるぽ」みたいなネット用語も知ってたりw
今作の題材となっているのが英語圏の2ちゃんねるである“4chan”に投稿された都市伝説です。2019とか20年くらい?に投稿され始めたようでわりと最近なんだと驚いてます( ´∀`)
普通ならいっぱい人がいると感じる空間や場所が閑散としてて「何ここ。怖っ!」って思っちゃうけど、どこか現実的なリミナルスペースの代表とされている例ですね( ^ω^ )
まぁ匿名掲示板に投稿される内容ですから作り話も多くてどこかで嘘がバレて廃れるのがだいたいのテンプレです。
が、このバックルームズは新フロアやそこに住む怪物が追加されていきファンが作ったゲームやビデオなんかも出たりしてます。
この投稿がさらに有名となったのが2022年にYouTubeに投稿された一本の動画で、今作の監督を務めるケイン・パーソンズの短編ホラービデオになります。YouTubeに出てから4年くらいで9000万回以上再生されているので作られた都市伝説の認知度の高さが伺えますね!
今回の配給が尖った作品が特徴的で私が大好きなA24なのでどんな出来になっているのか楽しみですo(`ω´ )oあの『進撃の巨人』作者である諫山先生も影響を受けたその中身はどんなものになっているのか!?
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
アメリカのYouTuber:ケイン・パーソンズがあるクリーピーパスタ(ネット上の都市伝説)を基に制作し2022年にYouTubeで公開された『The Backrooms(Found Footage)』で人気に。A24配給で公開された今作は全世界で2億ドル以上の興行収入を記録するほどで、監督自身は最年少(20歳)で北米興行収入初登場1位の監督となりました。
家具店の店主が自身の店舗内で図面に記載されていない謎の空間を発見。その場所は黄色い壁紙が特徴的で複雑な迷路のように入り組み終わりが見えないほど続いていた。
各部屋に配置されているものは現実にありそうな家具などに見えるけどよく観察すると普通のものとはどこかが違い歪な形状や床に埋まったりしている。広く静かな空間に誰もいないと思ったら大きな物音を立てて近づいてくる“巨大な何”かがいる様子も…。出口の見えない「リミナルスペース」で繰り広げられる不安と恐怖の先には何があるのかーー!?
謎の空間が見つかった家具店の店主:クラークを演じるのは『ドクター・ストレンジ』シリーズでストレンジと共に修行をするモルド役などのキウェテル・イジョフォー。クラークのセラピストのメアリー役を日本で今年2月に公開された『センチメンタル・バリュー』(25)での演技で話題となったレナーテ・レインスヴェが担当。
奥まで続く黄色い壁紙の部屋と長い廊下。変な間取りと床に埋まってしまい本来の用途で使用できない家具や設置物。どこへ行っても違和感しかなく気持ちの悪い空間で起きる出来事が我々の「脳を侵食する映像体験」がここに…

あらすじ
1990年。家具店のオーナーであるクラークがショールームの地下で発見したのは、不気味に輝く「異空間への入り口」だった。その先に広がる、見覚えのある部屋や廊下が無限に続く、異様な空間に魅了されたクラークは調査を始める。
やがて、奇妙な音と共に消息を絶ったクラークを追って、彼を担当していたセラピストのメアリーも異空間へと足を踏み入れていく。
※引用元:MovieWalkerPressより
感想
音響や誰にも会わない薄暗い部屋で怖く気持ちが悪い空間をうまく再現されており怖さは多少あるけど「ジャンプスケア」みたいなテイストは薄くて思っていたホラーではない…(´ω`) ビクッとなるのではなくずっと背中がゾワゾワする狂気的な怖さがメインなのでよく知られるホラー好きは好きじゃないかも。でも私は嫌いではないww
普通のホラーとは違い、“不気味”と“音”で怖さを煽り続ける
舞台は1990年。客が全然来ない家具店を営む中年男性のクラークは店舗の地下の壁から漏れ出る光を見つけ、奇妙な部屋が奥へと続いている謎の空間を発見する。どこまでも入り組み実用的でないオブジェの数々が配置され広いのに誰とも出会わない不気味な空間。かと思っていたらハッキリとは見えないけどヤバそうな怪物が徘徊していると感じる大きな足音・物音が反響して広がる。
そんな奇妙な空間を主人公をはじめ家具店の従業員やカウンセラーが恐る恐る徘徊しているとよくわからない何かが近づいてくるから逃げるシーンを繰り広げていきます。
最初はこの空間を調査している人たちが撮ったビデオの再生から始まりちょこちょこ録画内容を見ます。画質は荒いしテレビなんかでよくある何かが映り込んでいるビデオを見て「きゃーーー!」ってなる番組みたいなんですが、怖さを感じるところまでが結構長いんですよ( ;´_ゝ`)
感覚としてはお化け屋敷に入ったけど暗い空間が続くだけで「そこの角で出てくるでしょ!出てこないの!?こっちで出てくるでしょ!えっ、こっちも来ないの!」がずっと継続してて出てきた時用に身構えるだけみたいなww
そこに変な設置物が追加されるので場の雰囲気はちゃんと作られているんだけど驚きでの怖さがなくずっとゾクゾクする背中の違和感と付き合い続けるんで、大きな物音や化け物が目の前に急に出てきるホラーを期待している人には物足りなくなりそうです。
全くないわけじゃないんですがそういったシーンが少ないですし、不意に出てくるような構成ではないんですよね。最初は遠くにいて気がついたら目の前とかではなく「遠くから近づいてきているのが見えている→逃げる人がグズグズしているシーンが流れる→振り返ると目の前まで来てた」的な。そりゃされだけモタモタしてたら追いつかれるだろwって普通の反応に落ちてしまうんです( ´ ▽ ` )ハハッ
探索を進めていると得体の知れない何かがいるのを感じたりはするし、気持ちの悪い音楽で「来るぞぉ。来るぞぉo(`ω´ )o」って煽るだけ煽って何事もなく無事に帰れたりするから「それだけ!?」ってなる箇所も割とある。
とは言っても人によってはこういうテイストのホラーも「良き!」と感じるでしょうし、作品の目的自体が「頭がおかしくなるような理解できないもので恐怖心を煽る」だと感じられるので作りとしては正解ではあるのではないでしょうか…。
元ネタになったパスタにも触れてこないので見る人がそれを知っている前提な気もしますし、ちょっと知っていたとしてもみてて意味わからないところは多々あるんで初に公開されるホラー映画の中では異質な部類です。それがA24らしさでもあるんですが理解はされにくいのが苦しいですね…。
いろんな人たちの情報が集まるネットが現実と繋がった場所なのかも…
都市伝説としていろんな人たちがさまざまな要素を継ぎ足していって作り上げられたバックルームズですが結局なんなのか?家具店にしか入り口がないのかと思ったら研究をしている人たちは別の場所から入ってきておりメアリーを保護します。
案外入り込むのは難しくなくてきっかけさえあれば誰もが足を踏み入れることができるのを表現しているのかも知れない。
バックルームズにメアリーが踏み入ってから彼女の記憶にある空間が創造され時間が経過するとともに床へと沈んでいく。これって誰かの過去がその人自身もしくは他の人に訪れた未来で上書きされていっているのではないでしょうか?
過去に起きたことってその時は鮮明に覚えていても時が経てばどんどん薄くなっていくものです。子供の時に体験したことって覚えていたとしても鮮明さに欠けていきますし、自分が記憶していることと両親が覚えている内容に食い違いが発生するのもよくある話。そういったズレが床に沈んでいくオブヘタちで表現されているのではないかなと。
あの空間にいる怪物たちは訪れた人自身か記憶の中にいる誰かとかかも知れない。もしくは元ネタのバックルームズ自体がいろんな人たちが要素を追加し合って作られたものなのでいろんな設定が入り混じってああいった認知を作り出したとも考えられます。
仲の良かった学生時代の友達でさえ同窓会で久々に会ったら「こんな顔してたっけ?」と乖離が生まれそれが蓄積されていけば作中のおじさんや女性みたいな構造物が出来上がりそう。でも普通は食べようとかは考えないですがww
今回登場した怪物の中で攻撃性の高いクラーク船長はクラーク自身の内面にある性格が具現化した姿かも。店の経営や妻との関係が上手くいかずアルコールに頼る日々を送りカウンセリングを受けるほどなので結構病んでいる状態。
メアリーのカウンセリングを受けている時も妻に対して持っていた不満をぶちまけて怒りを露わにしていました。そりゃあ家賃も学費も払っているのに自宅を追い出されたら怒りが込み上げてきますよね。学費なんて妻自身が払うべきなのに働くわけでもなく休学?してて何やっとんじゃ状態。建築家だとこだわりを見せるもふと落ち着いて謝り出すのでトリガーさえ入ったらバチっと吐き出しちゃうんですね。
そんな彼の内面が記憶として具現化されたのがクラーク船長と思いますね。クラーク自身が船長に変貌してしまってメアリーが出会ったクラークが誰か(メアリーや従業員)の記憶から作られた構造物なら船長に噛まれた時に血は出ないはずなのでその線はないかな?
じゃあ「限られた人しかいなかったのはどうして?ネットって誰でも使っているじゃん」と感じる人もいるかと。インターネットの構想自体は1960年代からありましたがいわゆるインターネットプロバイダーが登場し一般に広がり始めたのが1980年代末から1990年代になります。舞台となっているのが1990年なのでインターネット黎明期にあたり個人や民間企業での使用が始まったくらい。
なので登場人物が限られているけどいろんなところで使われているのを空間で表しているようにも見えます。
時間が経過していくごとに過去は埋もれていくけどその断片が誰かに発見され鑑賞されると考えるとデジタルタトゥーとして残り続けるネットって結構怖い存在ではないでしょうか?
現代社会だと誰もが使っててどこかでカメラに捉えられているかわからないし、新しい情報で上書きされたかと思えば誰かが断片を見つけて掘り返される。そんなネット社会を不気味で謎めいたミステリー空間として映像化したとしたら面白いです。
こういった考察がいろいろと出せるのもいいところですね。いろんな人が作り上げたバックルームズを見た人の考察で作り上げていくなんてのが意図としてあればより深みが出ます( ^∀^)
最後に
正直エンドロール後の特別映像はよくわかりませんでした。クラークの家具店があの空間に作られていたのでそれが風化していって床に埋まっていたのはまぁ想像できるんですが、研究者が初めてみるようなことを口にしていたり設置物の材質やサイズなどの規則性を調べるのをわざわざ出してきたのがよくわからない。
特典映像と言われるくらいだからアメコミ映画の数十秒くらいのおまけは長くて1、2分とかかと思ったらめっちゃ長い。奥に進むとテレビがついてて大きな物音とともに何かが襲いかかってくるところで終わったんですがあれって必要なのか?
本編に直接関係してくるような内容があるようにも見えないし、おかしいと感じたのはクラークの家具店と思われる在庫処分セールのボードが地面に刺さっていること。誰かの記憶から薄れていくにつれて埋もれると思っているのと撮影者がナレンという人物なのでクラークが荷物を見つけたことを考えれば過去に位置するはず。
だけどクラークの店のマネキンとかが埋もれたりしていたのでより謎は深まるけど終わった後に見てもよくわからない。注意書きで本編と乖離している部分もあるって書いていましたがそれがこのことなのかな?
不気味さと不安を煽る怖さを感じられたしA24らしいクセ強作品だったのでそういった点で面白さを感じましたが、王道なホラー作品ではなかったので想像と違いすぎて刺さらない人は多いでしょう。
安直ですが散策していたら怪物と遭遇していろんな部屋を駆け巡り脱出することができた!的なストーリー展開にしたらジャンプスケアのよくある作品として鑑賞できたでしょうけど。そのあたりは仕方ないですね。
ってなわけでまた次回
評価:

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