普段いろんな映画を見ているんですが「どれ見ようかな」と思った時に公開情報のサイト見たり予告見たりしているんですよ。その中でも映画が始まる前に流れている公開予定作品の紹介で「これ見たい!」と思うことが多く、今作もそう思った作品の1つ。
最近…というか去年・今年で横浜流星が出演している映画を見ているんですがもう髭や汚れている姿ありきになっている気がしてますw 「爽やかイケメンなのにそんな感じの役もやっちゃうの!?」とか最初思ってたのが今じゃ「こういう横浜流星もいいねd(^ω^o)」と印象が変わり満足することが増えたかなと。
彼のこういう役が私個人に結構刺さるってのもあるかもしれませんね。弱い立場に立っているキャラがいろんな出会いなんかを経て報われるって展開も好きなのでそのミックスとなれば満足感は高そうw
今作はもともと長編小説で登場してドラマ化もされてたようですが全く知らない状態で鑑賞することに。というか本を読まないので原作が漫画でない限り初見なんですかどねww( ^∀^)
個人的にはPG12指定と年齢制限もあるので少し過激なシーンなんかもあるのかな!?というのと邦画というジャンルの中でどのくらいの完成度になるのかに期待ですかなぁ…。
私の中では邦画が予算の都合なんかでシーンやCGなんかで刺さらない部分が多くなっちゃうのですがそういうのもあまりなさそうなのでストーリーなどの中身で勝負になると思っています!
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
2020年に染井為人氏が執筆し光文社から発売された長編小説をもとに製作された今作。2022年にはWOWOWでテレビドラマ化もされ『リング』シリーズの中田秀夫氏と谷口正晃氏が監督、主演を亀梨和也が担当している。
殺人事件容疑で有罪判決を受けた死刑囚と接触した証言をもとに、逃亡者の姿を紐解いていく。彼はなぜ逃亡しどこへ行こうとしているのか?彼の“正体”とは!?
本作の監督は映画『余命10年』(22)、『ヴィレッジ』(23)やドラマ『アバランチ』(21)、『新聞記者』(22)などを手掛けた藤井道人監督が担当。『ヴィレッジ』では横浜流星を主人公に撮影を行っていました。
初めてではないタッグですから彼の魅力を存分に引き出してくれるのではないでしょうか。
死刑囚と関わっていく証言者達には『ハケンアニメ!』(22)や2025年に公開予定の『九龍ジェネリックロマンス』に出演の吉岡里帆、『燃えよ剣』(21)、『Gメン』(23)の森本慎太郎、『彼女が好きなものは』(21)や『ゴールデンカムイ』(24)アシリパの山田杏奈、『闇金ウシジマくん』シリーズ、『勇者ヨシヒコ』シリーズなど多くの作品で活躍する山田孝之などが顔を揃える。
証言者から得た情報をもとに明かされる死刑囚の顔とは。そして本当に死刑判決を受けるようなことをしでかしたのか!?
あらすじ
日本中を震撼させた凶悪な殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)が脱走した。
潜伏し逃走を続ける鏑木と日本各地で出会った沙耶香(吉岡里帆)、和也(森本慎太郎)、舞(山田杏奈)そして彼を追う刑事・又貫(山田孝之)。
又貫は沙耶香らを取り調べるが、それぞれ出会った鏑木はまったく別人のような姿だった。間一髪の逃走を繰り返す343日間。彼の正体とは?
そして顔を変えながら日本を縦断する鏑木の【真の目的】とは。
その真相が明らかになったとき、信じる想いに心震える、感動のサスペンス。
※引用元:HPより
メインキャラクター<俳優名>
鏑木慶一<横浜流星>
日本中を震撼させた殺人事件の容疑者。逮捕され死刑判決を受けたが脱走し、逃亡し続ける。死刑囚「鏑木慶一」、日雇い労働者の「ベンゾー」、フリーライターの「那須」、水産加工工場で勤務する「久間」、介護職員「桜井」、“5つの顔”を使い分けながら日本各地を潜伏する
安藤沙耶香<吉岡里帆>
東京で働くライター。同じ会社で働く鏑木の文才を評価し、ネットカフェで生活していた鏑木を助ける。ともに暮らすなかで鏑木が指名手配犯だと気づくが、彼の無実を強く信じている。
野々村和也<森本慎太郎>
大阪の日雇い労働者。同じ工事現場で働く鏑木に助けてもらったことから仲を深めるが、実は彼が指名手配犯ではないかと疑っている。
酒井舞<山田杏奈>
長野の介護施設で働く。同じ施設に勤める鏑木に恋心のような尊敬を抱く。
又貫征吾<山田孝之>
刑事。鏑木に逃げられたことで、上層部からプレッシャーをかけられている。日本各地を転々としながら逃走を続ける鏑木を必死に追う。
※引用元:FashionPress
感想
ストーリーは映画ということもありかなり上手くいく流れに作られているが、司法や警察などは現実とリンクするようなところもあり考えてしまいました(´ω`) 嘘をついて取り繕っても正しい人間でありたい。
ざっとこんなもん(あらすじ)
作品の進行としては逃亡してから時系列順に関わってきた証言者の取り調べ内容を回想していくような流れ。
証言者達は死刑囚がこんな近くにいたなんて思っていなかったという顔をしながらもあんまり証言自体にも乗り気でない。まだ混乱しているのだろうか…。
逃亡犯を追う警察官の又貫は上層部から「死刑囚を逃すなんて…。なんとかしなさい!」と圧力をかけられるも顔色を変えずに淡々と情報収集し続けている。なんでこいつは焦りがないんだ!?と思ったら記者会見でめっちゃ脂汗出てました( ^ω^ )
冒頭から警察と証言者全員が犯人を追う側なのではなく、警察は追うけど証言者側は「本当に殺人を犯したのか!?」と引っかかる部分がある対極的関係が作られています。途中から分裂したのではなく最初に位置関係をはっきりさせて時系列を遡ることで「こういうことがあって証言者達は鏑木側なんだよ」って説明している感じですね。
鏑木が逃亡して最初に身を潜めたのは大阪の住之江のとある工事現場。働いている作業員のほぼほぼが借金などの訳ありで現場監督の会社から馬車馬のようにこき使われながら仕事をしているところへ潜伏し周りからは“ベンゾー”と呼ばれる。
作業中に怪我をしても治療費を出してもらえず、殴る蹴るは当たり前。生活している寮もかなり古くて風呂場はカビだらけな劣悪環境。もう暴動が起きてもおかしくないでしょw
そんな環境で生活していると他の共同生活者の中でも若い野々村和也と仲良くなり、酒を飲みながら話をする仲に。野々村はベンゾーの部屋でボロボロになっている六法全書を発見し「法律の勉強してんのか!?」と何気なくページをペラペラめくるとあるページに連日テレビで報道されている逃亡犯が犯した「一家殺人事件」の新聞記事が挟まれているのを確認する。
野々村はその記事を発見したのをきっかけにベンゾーの顔を確認することに。分厚いメガネをかけているベンゾーに「メガネ外すとどんな顔なんだよ( ᐛ )」とメガネを外し顔と特徴的な黒子があること、箸を使う手が不慣れなので“右利き”ではなく“左利き”じゃないか?という複数の点からベンゾーが逃亡犯であると確信する。
トイレに行くと言って警察に電話しようとするが鏑木はそれを察知し大阪から出ることに。
その後流れ着いたのは東京都の新宿。
ネットカフェで寝泊まりしながらフリーのライター・“那須”として記事を執筆しながら生活していた。その書いた記事を掲載している会社で安藤沙耶香が担当者としてつくことに。
彼女は那須が書く記事を気に入っており社内でも評判が良く「専属ライターとして契約しない?」と那須に持ちかけるほど。
そんなある日、ネットカフェに出入りしている那須を見かけた安藤は「どこかで住む家が見つかるまでうちにいていい」と那須と共同生活をすることになる。
安藤と那須は料理などの家事をしたり一緒にドラマを見たりと距離を少しずつ近づけていった。
だが安藤の会社が運営しているニュースサイトは逃亡犯に関する記事に力を入れておりさまざまな参考資料、証言が集まってきたため安藤は「那須が鏑木なのではないか」と気付いてしまう。
ただ彼女は共同生活していく中で「那須が逃亡犯だとして本当に一家殺人をするような人間なのか…」と疑問を持ち始め警察に連絡をすることはなかった。
そう、彼女は那須が犯人じゃないと「信じる」ことにしたのだ。ちょうど自身の父親が痴漢冤罪で裁判中で彼女が弁護を担当しているということもあったためどこか重なる部分があったのかもしれない。
平穏な日々が過ぎていくかと思ったがついに警察が鏑木が安藤の家にいることを掴みやってきてしまう。
室内に無理やり踏み込んできた又貫と揉み合いになりながらなんとか逃走することに成功する。 しかし安藤は鏑木を匿っていて逃したこともあって働いていた会社を退職することに。
鏑木が次の潜伏先に選んだのはとある水産加工工場を経て長野県諏訪市の介護施設。髪型も変え、今まで身バレの原因となっていた黒子も取り除いた状態で介護職員・桜井として仕事していた。
そこには美容師を夢見て上京したが残念ながら挫折し地元に戻ってきていた酒井舞が働いており、彼女は桜井に対して憧れと好意を持っていた。
患者に対して優しく接する桜井だったがある女性PTSD患者に対しては接し方が少し執拗な時があり酒井はその光景に対して違和感を覚える。しかもその患者の身内が訪問した時もどこか様子がおかしい。
酒井は桜井への好意を進展させるために地元を案内すると持ちかけ一緒に出かけることに。行き先でなんとなく撮影した動画をSNSにアップしたところ投稿を見た人から「こいつ鏑木に似てないか?」という意見が出て一気に話題となり警察も出動する事態に。
警察の到着に気付いた鏑木は酒井にお願いをして施設内に立てこもることを計画する。が、特殊部隊が突入し鏑木は確保されてしまう。
彼は逃亡後になぜこの介護施設にたどり着きその女性患者に執着するのか?
といった感じのストーリでございました。
鏑木が逃亡中に会う人たちがは「鏑木はいい人で殺人犯とは思えない」と信じきっているのは映画上の演出的に都合が良すぎるかもしれませんが、映画は娯楽作品だから仕方ないかなと。
人によっては「そんな都合よく進んで行かんだろ」とツッコまれるかもしれませんがそこはご愛嬌ということでね( ´∀`)
ストーリーよりも現代社会を考えてしまった
死刑囚が逃亡して見つけられないというのは警察の失態としてはかなり深刻な内容ですよね。現代の日本でそういった話は出ないですが、何年も前の殺人事件がいまだに解決されなくて指名手配を出しても捕まらないってのはあるかなと。
結局解説の糸口が見つからなくて迷宮入りしちゃったものなんかもありますからね。年月がかかっちゃうのは想像できるかと思います。
年月の経過に関しいては設定の違和感はあまり感じませんでしたが、鏑木がそこまで信頼できるような人物なのかがあまり濃く伝わってはこなかったかなと感じます。
野々村や酒井は同じ職場にいる1人でちょっとしたきっかけで距離が近づいただけなので「あいつは殺人犯じゃない!」と信じ切れるのかがよくわからない。心境としては最初の方の酒井の反応が普通なんじゃないかな?
安藤は何日も寝食を共に過ごしていますから「信用」するまでに昇華していてもおかしくはないかな!?くらいですかね(゚ω゚) 普通は目の前に死刑囚がいたら怖くて通報しちゃいますからね。
とストーリー内容について触れたものの私個人としては内容よりも司法の姿が今の日本社会とリンクする部分が多くてそっちに意識がいっちゃいましたかね。
例えば安藤の父が痴漢冤罪で捕まり裁判をしているところ。ここはストーリーとそこまで関係ない部分なので細かく描かれてはいませんが、「痴漢冤罪になっちゃったらほぼほぼ無罪になることがない怖さがあるな」と考えてました。
ネットが普及していろんな防犯が街中に展開されているけど隅々まで施されていないこともあり、「物的証拠」が不足してしまうこともあります。
本作でも安藤の父親が検察の答弁に答えるシーンで「何かゴソゴソしてたじゃないか」と指摘されてたりしてて本当に触っているのかの部分が明確には出てないんですよね。
本当に痴漢をしているなら手から被害者の服の繊維やらが検出されたとかを証拠として提出することもできるかと思うんですが、この辺りは結構アナログなのかなと。
しかも裁判しているということは安藤の父親は“起訴”されているってことですよね。日本の起訴後の有罪率は99.9%と言われるくらいですから覆すのがかなり大変です。検察側も絶対にやっているという確証がない限り起訴できないですからね。
15年以上前に公開された『それでも僕はやってない』が頭の中でフラッシュバックしてました。あれも色々と考えさせられる作品でしたからね…。
と安藤の父親で結構書きましたがそれだけでなく鏑木の方も上記のような感じ方はありました。それこそ松重豊さん演じる川田が言ってましたが「未来の犯罪防止の礎」って部分はかなりあるのかなと。
似たような年齢で言えば今年の1月に2021年の甲府市殺人放火事件の判決が出ました。当時19歳だった被告に対して「年齢を最大限考慮しても刑事責任は重い」として特定少年に初の死刑判決が言い渡されました。
上記は証拠も十分に上がっている状態で残虐性が高いことから出たものですが、「これだけのことをすれば特定少年であっても重い判決が出るんだぞ!」の指標になるわけです。
今作の鏑木は「現場に鏑木以外に犯人がいる可能性を考えられる証拠がなかった=こいつが犯人だろ」で死刑判決を受けたわけですよね。未来の抑止力として本当にあったことに相応の処分を出すことは必要だと思いますが、犯罪の大きさ関係なく判例のために冤罪で人生を壊される人もいるかもしれないってことです。
失った時間は戻ってこないですし、一度出た判決を簡単に再審して考え直すなんて時間もかかっちゃいますから現実的ではないにしても間違いを正す行為は必要なのかなと。
被害を受けるのも逮捕して取り調べるのも司法で判決を出すのも人間ですからどこかで間違いが起きてもおかしくはないです。ヒューマンエラーは出る前提と考えるのが当たり前です。
ただ間違えたら正すことはできるわけですよね。この判断を間違った当人ができるかでかなり結果が変わってくるなと感じます。その一歩を今作の警察官である又貫は踏み出したわけですね。
結構現実で起きているような描写をそのまま作品に落とされているのでそこは結構考えて見ちゃいましたw(゚ω゚) なんか変わった映画の見方だなと自分でも感じますww
最後に
映画作品としてはかなり綺麗にまとめられてたので何かを残すことなく終われたのかなと感じます。がそれが響くかどうかでいうと個人差がかなりひらくかなと。
人によっては上記で言ったように都合よく進みすぎと思っちゃいますからね。まぁ娯楽作品だから仕方ないよで割り切った方がいいと思います。
あと安藤の上司が一枚噛んでたのはどうなんだろう。一緒に仕事をしていたとはいえあそこまで庇うようなことをするかは微妙じゃないかな…。立ち位置がよくわかんないな。
それと今作で見た司法が全部現実の司法ではないですからね。私は外国人犯罪者の理由発表なしの不起訴に腹が立っているので「今の司法もこんな感じじゃん」とか思ってますが。
今の日本は日本人に厳しくて外国人に甘くなっちゃったなって日々思ってます。映画の感想でこんなこと書いてすみませんね( ^ω^ ;)
邦画作品としては結構いい作品だったのではないでしょうか。ちゃんと調べていないので名前は分かりませんがなんかの賞をもらっているようです。それだけ注目度も高めだと思うので一度どうですか!?
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ
評価 ☆☆☆☆★4/5