クセ強なキャラクターを演じる俳優の1人である阿部サダヲさん。この人の演じる“変わった人”とか“ヤバい人”ってすごいハマっていて見ていて楽しいんですよね。
ちょっと前は『死刑にいたる病』で犯罪者を演じていましたが今回はちょっと変わっていて話は聞かないけれども何処か憎めない人を演じます。
監督は阿部さんが出演した『舞妓Haaaan!!!』や『謝罪の王様』の水田監督です。映画では阿部さんと久しぶりの再会ですね( ^∀^)
この2作も好きな人多いでしょうし、阿部さんの味をふんだんに出してくれる監督さんですから今作もいい味出してくれるんじゃないでしょうかね!?
予告もかなりぶっ飛んだ雰囲気かもしてましたがどんな感じになるんだろ?「おみおくり係」ってのも気になりますよね。
しかも元原作が海外のドラマ映画っていうね。なんか日本っぽいなとか思ってたらめちゃくちゃ外国だし、舞台はロンドンっていうね(゚∀゚)マサカノ
どんな作品になってるのか、さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
身寄りがなく独りで亡くなった方を無縁墓地へ埋葬するために設置された「おみおくり係」。そこに務めるちょっと迷惑な男・牧本壮が亡くなった方のかつての友人や知人を訪ねていく中で周りと自信が変わっていく物語。
今作の原作は第70回ヴェネチア国際映画祭で4つの賞を受賞した『おみおくりの作法』(15)をもとに描かれる。
亡くなった方の身寄りがないというのは現代の日本でも問題になっていることで、その社会問題を『舞妓Haaaan!!!』の水田伸生監督と『12人の死にたい子どもたち』の倉持裕が製作する。
主演の阿部サダヲをはじめ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ宮沢りえなどの豪華キャストが共演する!!
あらすじ
ある見知らぬ男の人生を“まき”戻すことになった「おみおくり係」のまきもと。彼がたどり着いた“奇跡のさいご”とは――
小さな市役所に勤める牧本の仕事は、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」。故人の思いを大事にするあまり、つい警察のルールより自身のルールを優先して刑事・神代に日々怒られている。
ある日牧本は、身寄りなく亡くなった老人・蕪木の部屋を訪れ、彼の娘と思しき少女の写真を発見する。
一方、県庁からきた新任局長・小野口が「おみおくり係」廃止を決定する。蕪木の一件が“最後の仕事”となった牧本は、写真の少女探しと、一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶため、わずかな手がかりを頼りに蕪木のかつての友人や知人を探し出し訪ねていく。
工場で蕪木と同僚だった平光、漁港で居酒屋を営む元恋人・みはる、炭鉱で蕪木に命を救われたという槍田、一時期ともに生活したホームレス仲間、そして写真の少女で蕪木の娘・塔子。蕪木の人生を辿るうちに、牧本にも少しずつ変化が生じていく。
そして、牧本の“最後のおみおくり”には、思いもしなかった奇跡が待っていた。
※引用元:公式HPより
監督情報
今作の監督は複数の映画製作を手がけ、TVドラマの演出を担当した水田伸生。
阿部サダヲ主演の『舞妓Haaan!!!』(07)や『謝罪の王様』(13)で監督を務めたり、芦田愛菜を有名子役にした作品の1つである『Mother』(10)や『Woman』(13)、『Dr.倫太郎』(15)などの演出を担当した。
阿部サダヲ主演の作品を手がけてきて、監督自身最も信頼している俳優とのことでこの2人が一緒になるとかなりいい作品ができるんじゃないかと思っています。
この俳優の実力を引き出せる監督さんはなかなかいませんから今作にも期待です!!( ^ω^ )
キャラクター<俳優名>
牧本壮<阿部サダヲ>
身寄りがなく亡くなった方を無縁墓地に弔う、小さな市役所の「おみおくり係」。空気が読めない、人の話を聞かない、誰にも心を開かないが、次第に自らの心に変化が生まれていく。
津森塔子<満島ひかり>
疎遠になった父の死を知らされ、執拗に牧本から葬儀への参列を迫られる。
今江みはる<宮沢りえ>
蕪木の迷惑に翻弄されながらもその武骨さに惹かれていた、今は漁港で居酒屋を営む蕪木の元恋人。
槍田幹二<國村隼>
蕪木の元同僚だったが“その迷惑に救われた”という謎の過去を持つ。
蕪木孝一郎<宇崎竜童>
牧本の向かいの家に住み牧本に負けないほどのちょっと迷惑な男。
神代亨<松下洸平>
全く空気の読めない牧本に『アイ・アム まきもと』内で最も迷惑を被っている刑事。
下林智之<でんでん>
牧本の迷惑に振り回されながらもその行動に理解を示す葬儀屋。
平光啓太<松尾スズキ>
蕪木の強烈な迷惑エピソードを持つ、食品工場で働いていた蕪木の元同僚。
小野口義久<坪倉由幸>
牧本を取り締まる為に県庁から派遣され、度重なる迷惑行為に目を光らせる新任の市民福祉局局長。
画像引用元:公式HP
文章引用元:fashion-press
感想
赤の他人になぜここまで出来るのか?!「死ぬ」って案外身近にあっていつ自分に降りかかるかわからないもの。最後に目頭が熱くなる作品でした(;ω;)
ざっくりあらすじ
市役所の福祉課「おみおくり係」の職員・牧本壮。彼は孤独死などで亡くなってしまった故人の葬儀と納骨を行い、引き取り拒否した遺族が気が変わって遺骨を引き取りに来るかもと自身のデスク周りで保管をしている。
ある日、1人の老人が遺体で見つかり警察の神代から遺体の受け取りを依頼された。現場へ向かうとひどいゴミ屋敷で警察は事件性がないからあとは頼んだと匙を投げる。葬儀屋の下林は警察と揉めるが現場を早々に立ち去ってしまい、牧本と下林で遺体の運び出しをすることに。
牧本は定期的に市営墓地にある無縁墓地に骨壷を収めていた。彼は今まで見送った故人たちの写真を1つのアルバムに保管もしていた。
また新たに遺体が発見されたと神代から連絡が入る。故人・蕪木の発見された現場へ向かうため住所を尋ねると牧本が住んでいるアパートの真向かいにある別棟に住んでいる方だと判明。牧本は現場へ向かい故人の遺影で使う写真や遺品の回収を行うことに。
部屋には免許証と携帯電話、故人が身につけていたであろう腕時計があったので回収。他にアルバムも発見し中を確認すると娘と思われる女の子の写真が綴じられていた。その中の1枚に「おたんじょうびおめでとう とうこ」と書かれていた。
神代からは身内は甥しかおらず受け取りを拒否されたと言われていたので身内を探すために過去の資料をあらいなおしてもらうように頼んだ。
実は蕪木の依頼を受けてすぐ、新しく福祉局局長として赴任した小野口から「おみおくり係」を廃止し、蕪木の依頼を最後にすると言われていたのです!
牧本は蕪木の葬儀に参加できる人を探すべくいろんな情報を頼りに接触することに。
最初に訪れたのは蕪木の携帯に登録されていた食品会社にコンタクトを取りそこで働く平光啓太と会うことに。
蕪木は20年前に働いており、業務中の事故をきっかけに劣悪な職場環境を改善するように上司に掛け合った。(ほぼ脅しに近い(゚∀゚) その事故というのが平光が電動カッターで指を切断してしまうというもの。
蕪木の交渉の甲斐もあって環境が改善されたが当人は会社を辞めてしまったという。蕪木の携帯電話は平光が持たせたもので写真フォルダには小さくて分かりにくいが白鳥の写った写真が何枚も保存されていた。
蕪木は退職後、当時の交際相手の元へ転がり込んだとの情報を聞き牧本はその女性の元へ向かう。
女性の元を訪ねると港の居酒屋にたどり着いた。そこには居酒屋で働く今江みはると蕪木のことを知る多くの漁師が集まった。
故人の話を聞くと喧嘩っ早い性格で漁師たちからは少し煙たがられてい。悪い人間ではないんだけどね…。っといった感じ。
話していると店の奥から赤ん坊の鳴き声が。子供を抱えて出てきたみはるは店の仕事をするため牧本に子供を預けあやすように頼む。彼が子供をあやしていると1人の女性が近づき「すみませ〜〜ん」と謝罪。牧本はその女性に子供を手渡した。
みはるから聞くと子供を手渡した彼女は蕪木の知らない娘だということが判明。みはると漁師たちに蕪木の相互に来てほしいとお願いするとみはるは店を離れてしまった。
彼女の後を追った牧本は静かに泣いているみはるを発見しその場を離れた。
牧本は蕪木の持っていた写真の女の子・とうこを探そうと決め神代の元へ。蕪木には過去に逮捕歴があったことがわかったが警察の資料を外部の人間に見せることはできない。
神代はファイルを床に落とし「忘れたファイルを取りに5分後に戻り」といい退室。面会の記録から「塔子」の居場所が判明し牧本は彼女の元へ向かう。
塔子のもとを訪れると彼女は養豚所で働いていた。この養豚場では蕪木が働いていたとのこと。塔子は蕪木の死を牧本から聞き葬儀まで開いてくれるのかと驚く。
牧本を車に乗せ蕪木とは音信不通だったが20歳の時に連絡があったこと、母親のちあきは3年前に亡くなったことなどを話す。
他に槍田という人物が蕪木に会いたいと手紙を送ってきたことを話し、牧本は槍田の元へ行くことに。塔子は蕪木を許せない気持ちがあり相互への参加を断るが、父・母共に亡くなったことを受け涙を流す。
塔子に手紙を送った槍田は蕪木が若い時に炭鉱で一緒に働いていた仲間だったとのこと。炭鉱で事故に遭い視力を失ってしまったが蕪木に命を救ってもらい、彼のことを命の恩人だと感謝している。
また蕪木が家族を捨てたのは自分のせいじゃないかと思っていると言った。槍田は事故で目を失ったのに蕪木自身は幸せに暮らすことが申し訳なく感じたのではないかと…。
ここまでに直接会い、声をかけた人たちは蕪木の葬儀に参列してくれるのか!?この出会いで牧本が感じたことは!?
っといった感じです。
映画では小説よりも内容が削られており、牧本の子供時代などは描かれていませんでした。
少し変わった「おみおくり係」の男
孤独死してしまった故人の遺体を引き取り、遺族との橋渡しとなる市役所の「おみおくり係」を舞台とした今作。おみおくり係所属の牧本壮が故人の歩んできた人生をたどり本人の死と葬儀への参加を申し出る物語は、日本でも増えている孤独死という社会問題も絡めながら「死」というものとの向き合い方についても考えさせられる一作でした。
公開前に発売された小説は活字が大嫌いな私は読まずに映画館へ赴きました。予告を見ていてちょっと変わっている牧本がいろんな人と接していく中でさまざまな気づきや成長があり、何かしらの変化があって終わると思いながら見に行きましたが、結末が斜め上すぎて…。
正直この終わり方は想像していなかったので驚きですが、この作品ってかなり奥が深いなって思います。最終的に牧本の心情とかが全部紐解かれる訳では無いのですが、今作の根本テーマは『死』についてなんだなと。
生まれてきて成人して結婚、出産、子育て、老後がくるのが普通って感覚が実は普通じゃなくて一歩間違えばそのルートを外れてしまう場所を私たちは歩いているんだなって。
この作品の話って予告に比べたら結構ヘビーなことだと思うんです。予告では牧本の言動・行動でクスッと笑えてしまうところがありましたが、全体的にはかなり考えさせられる。
主役の阿部サダヲさんの表情も相まって本編と予告とのギャップがすごいあります!騙された( ゚д゚)(いい意味でね)
最後に
牧本ってかなり純粋な人だと思うんですよね。赤の他人だけど葬儀を自費であげたりしていますし、自身のお墓用の場所も買っているんです。
おみおくり係という仕事をしていく中でこういうものが必要とかがわかってくるから墓の土地も買う訳ですよね。死という存在が自身の近くにあるから色々とわかっていたのかもしれませんね。
最後のシーンも感動でした。牧本が見送った人たちが集まっていましたし、引き取りてがないから管理してくれていた牧本に感謝していたんでしょう。周りの人は変わっているとか気持ち悪いくらいに思うかもしれませんがここまでやってくれるから赤の他人の中身が見えてくるのかなと。
深堀しないと気を許しあえる存在にはなれないですしそれには時間がかかる。牧本の方法ってストレートすぎるというか子供みたいに純粋すぎるからウザったいんですけどポッとでた一言がかなり刺さったりするんですよね。
子供のド直球の質問に大人がたじろぐみたいなね。
こういった社会問題を見やすいようにちょっとコメディ要素で包まれているから入り口としてはありだと思いますね。
ちゃんとシリアスというか真剣なところは締まっているからこっちも深く考えてみることができますしね( ^ω^ )
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノ
評価 ☆☆☆☆★4/5