ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『陰陽師0』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ

 

 皆さんは昔の日本で独自の発展を遂げた「陰陽道」なる技術があったことをご存知でしょうか?“陰陽師”という職業は当時の官職の1つで、現代でいうところの内閣などの政治の中心となってる場所です。

 ただ現在の政治経済運営とは違い占星術や天文学などをもとに未来を占って都のいく末を決めていたんですね。

 

 昔はこういった政府機関位入ることで地位の向上を目指すのが大成への近道でした。今よりも身分により生活や扱いの差が激しかったので、平民がお金を得てヘコヘコせずに生活する方法がこのくらいしかなかったんですね。

 

 今作は未来の陰陽師を目指す“学生”(がくしょう)だった頃の安倍晴明を主人公にした作品で、彼が青年時代の出来事をオリジナルのストーリーとして描かれています。

 原作小説は1980年代に初出されていて思ったよりも年月が経っているんです。それから漫画やテレビドラマなども製作されて現代版映画が公開されたというわけですね。

 

 VFXには『ゴジラ-1.0』で視覚効果賞を受賞したり実写映画『ゴールデンカムイ』のVFXを担当した株式会社白組が製作とのことなので邦画の中でもレベルの高いものが見れる気がします。期待値が高まりますね!

 

 一体どんな呪術エンタメをみせてくれるのでしょうか!?

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 小説家・夢枕獏氏の『陰陽師』シリーズをもとに製作された時代劇ファンタジー作品で、平安の世生きた“安倍晴明”が青年だった頃をオリジナルストーリーとして描く。原作小説は過去に漫画やテレビ、ドラマが製作されており映画化もすでにされている。

 

 実在した最強の呪術師・安倍晴明が学生だった頃に解決した怪奇現象をきっかけに都全体を巻き込む巨大な陰謀が動き出す。平安の闇を祓うために晴明は天皇の孫・博雅とともに立ち向かう!

 

 今作の監督はテレビドラマ『金田一耕助』シリーズや映画『アンフェア』シリーズの製作経験がある佐藤嗣麻子氏が務める。監督自身が原作小説『陰陽師』が好きで呪術監修に書籍なども出している加門七海氏を迎えるといった力のいれようです。

 原作者の夢枕先生と佐藤監督は元々交流があり先生から監督に映画化の要望があったそうです。それから35年の年月が経って2015年から脚本の執筆を開始。ストーリーだけでなく衣装や美術といったセットにも手を抜くことなく設定を盛り込んだそう。

 

 主人公の安倍晴明を演じるのは『キングダム』シリーズ(19〜)や『ゴールデンカムイ』(24)などの人気作品に出演している山崎賢人が担当。監督が山崎に対して「役に合っている」と感じたそうで、作中に出てくるアクションシーンも出演作で培ったものを発揮してくれそうで作品への期待が高まります。

 

 晴明に依頼を持ちかけてくる博雅役に『怪物の木こり』(23)に出演した染谷将太が出演。その他に奈緒安藤政信國村隼北村一輝小林薫などが脇を固める。

 

 第96回アカデミー賞でアジア映画史上初の視覚効果賞を獲得する技術を持つ“株式会社白組”をVFX担当に迎えた今作はより細かく鮮やかなCGによってさらに盛り上げを見せることになると期待される。

 

 若かりし晴明がどのような敵と対峙し陰陽師へと上り詰めていくのか!?

 

 

あらすじ

都を突如襲う凶悪な呪いと龍ーー

その先には強大な陰謀が待ち受けていた

 

 呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁ーー《陰陽寮》。学生の安倍晴明は、呪術の天才ながらも陰陽師に興味を示さず、友人も持たず、周囲から距離を置かれる存在だった。

 

 ある日晴明は、貴族の源博雅から皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解決を頼まれる。衝突しながらも真相を追う晴明と博雅だったが、ある学生の変死をきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀と呪いが動き出す。若き晴明は平安の闇を祓えるのか?

 

 そして呪いに隠された真実とはーー?


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キャラクター<俳優名

安倍晴明<山崎賢人

 陰陽寮の学生。賀茂忠行の弟子として陰陽寮に入ったが陰陽師に興味はなく、授業もサボってばかり。周囲からは狐の子、呪術が使えると噂される。両親を殺した者を探し続けている。

 

源博雅<染谷将太

 醍醐天皇の孫で中務大輔。雅楽家としても高名で、龍笛や琵琶をはじめ数々の楽器を自在に奏でる。従姉妹の徽子女王を助けるため、学生の安倍晴明にある依頼を持ちかける。

 

徽子女王<奈緒

 10歳から伊勢神宮の斎宮を務めていたが、任を終えて京に戻ってきた。従兄弟の博雅を幼い頃から慕う。人には見えないものが見える体質で、琴の弦が切れたことを博雅に相談する。

 

平群貞文<安藤政信

 陰陽寮の学生。農家に生まれた45歳で、里に残してきた母に楽をさせるため、結婚もあきらめて勉学に励んでいる。将来は帝の陰陽師になりたいと、必死で得業生を目指している。

 

橘泰家<村上虹郎

 陰陽寮の学生。成績優秀な得業生として学生たちの上に立つ。教師たちから信頼される一方、傲慢な性格ゆえにほかの学生の勉強の邪魔をしたり、努力する者を嘲笑したりしてばかりいる。

 

帝<坂垣李光人

 醍醐天皇の第14皇子として生まれ、兄の朱雀天皇崩御により即位。従兄弟である博雅から龍笛を教わっている。多くの女御に囲まれているプレイボーイ。安倍晴明の噂を聞き興味を抱く。

 

賀茂忠行<國村隼

 暦家としても名高い陰陽師。陰陽寮では教師として学生たちに陰陽道を説く。幼い頃に親を失った安倍晴明を育て、陰陽師としての才能を見出した。出世意欲のない生命を心配する。

 

惟宗是邦<北村一輝

 天文や陰陽師としての心得を教える天文道の専門家。学生たちのために熱心に指導を行うが、可愛げのない安倍晴明のことはいけ好かないと思っている。密かに陰陽頭の座を狙っている。

 

藤原義輔<小林薫

 陰陽寮のトップであり、さらなる地位である“蔵人所陰陽師(帝の陰陽師)”に一番近いと言われる一流陰陽師。陰陽師としてただ一人、清涼殿に入ることができるが向上心はまだ健在。

 

※引用元:公式HPより

 

 

感想

幻想的なCGと真実、事実、虚構が入り混じる世界観は珍しいので見入ってしまう。衣装や装飾などにも力を入れておりその美しさを楽しむための作品。ストーリーは入り組んでいなくて単純なので原作小説を読んでいなくてもわかりやすく満足できます( ^ω^ )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっとこんなもん(あらすじ)

 舞台は平安時代。当時の政治は陰陽師の占いなどで統制されており、次代の陰陽師を育てるための学校兼省庁“陰陽寮”の運営も行っていた。陰陽寮では学生(がくしょう)が勉学に励み、階級を上げ陰陽師になるため頑張っていました。

 現代と違い、金や権力を一般庶民が得られるチャンスが陰陽寮での昇格しかなかったため40歳を過ぎても学生として学習し続けていた人もいたそうです。

 

 そんな階級社会の中で皆出世を目指しているのに陰陽師に興味を持たず授業をサボりまくっていたのが今作の主人公・安倍晴明。彼は呪術を使える狐の子と噂されていたが、彼自身は暗示や催眠術、自然現象を使い分けてあたかも呪を祓っているように見せていると思っていた。

 ただ陰陽師自体に興味はないが親を殺された自分を育ててくれた賀茂の顔を潰さないために陰陽寮に入るための努力をしてきました。

 

 そんなある日、寺の庭に1匹の蟾蜍がいたため貴族方が晴明に呪術を使って殺せと要求してきました。晴明は木の枝から1枚の葉をとり木の葉で蛙を破裂させたように見えるトリックで呪術を使ったように見せかけます。

 その光景を後ろから見ていた源博雅は坊から晴明について聞き、彼にある依頼を解決してもらおうと陰陽寮を訪れることに。

 

 博雅は従姉妹の徽子女王が毎夜不思議な体験をしていることを晴明に話します。最初悩みを解決して欲しいと懇願しますが晴明は興味がないと一蹴しますが、相談しているのが徽子女王と聞き「面白そうだ」と依頼を受けることに。 なんでも琴の弦が毎夜1本切れ金の龍が飛び立っていくのだとか。

 

 徽子女王宅で琴に変化が出るまで待っていると夜更けに琴の音が聞こえはじめた。琴が置いてあるところに駆けつけると晴明は「琴がなっているのではなく何かに共鳴している」といい元を探すことに。

 晴明は床下に原因があることを突き止め飛び出してきた金の龍を瓶の中に封じ込めることで徽子女王の悩みを解決してみせたのです。

 

 依頼を達成したことで博雅と晴明はより親しい関係となりました。

 

 依頼を解決した後、陰陽寮の得業生・橘泰家が亡くなる事件が発生。彼は家の井戸の底で溺れているのが発見され敷地内には呪札に使われたと思われる木簡が見つかりました。

 

 泰家が死んだことはすぐに陰陽寮に知らされましたが、陰陽頭と博士たちはこの事実が外に漏れないよう“自殺”が死因であると改竄することに。

 というのも陰陽師を育てる陰陽寮の学生が呪殺されたとなれば周りからの信頼を失ってしまうと思い隠したのです。さらに殺害した犯人を探し出したものに泰家がいた得業生のポジションを与えると言い犯人探しを開始します。

 

 晴明は博雅とともに泰家が亡くなった現場や死体を調べたりしていると長年学生として勉学に励んでいる貞文の告発で泰家殺人の疑いをかけられてしまいます。一時的に拘束されてしまい自分の無実を訴えても取り持ってもらえない状態。 すると外から博雅が「徽子女王が攫われた!助けてくれ!」と晴明に助けを求めたのです。

 

 晴明は体を縛った縄を切り逃走を試みます。博雅が馬を連れてきていましたが、晴明を捕まえて得業生の座を狙う学生たちに囲まれたため晴明は博雅を先に行かせ学生たちを撒こうと敷地内を逃げ回ります。

 なんとか逃走することに成功した晴明は博雅から徽子女王が攫われた時の状況を聞き出し学生から逃げながら捜索を開始する。

 

 無事徽子女王を救い出し晴明自身の殺人容疑を覆すことができるのか!?

 

 ってな感じです。

 

 泰家が殺害され晴明に容疑がかけられてからアクション要素が登場しだすんですが、結構激しいワイヤーアクションになってて驚きました。CGがメインになるアクションかと思いきや山崎賢人自身の動きも盛り込まれているので満足度は高いですね!

 『ゴールデンカムイ』の時みたいな肉弾戦というより軽やかに舞う動きが特徴的なのでそのギャップもあるっていう。山崎賢人自身が少し痩せたんですかね?線が細くて綺麗だから動きがよりマッチしてると感じますね( ^∀^)

 

 

人それぞれに存在する深層心理

 誰しも表に出していない裏(内面)の部分が存在していてその集合が今作後半の舞台となっています。晴明が殺人容疑で拘束された時を境に深層心理の世界へ無意識に引きづられた形になっていますね。

 

 晴明も自身の深層心理に囚われて両親を殺した人物を切り捨てようとします。ですが博雅の言葉がその気持ちを止めて真実と事実の境が見えなくなってしまうのを防いでくれたんですね。

 この深層心理内では人間の感情を五行で表現しお互いの属性を打ち消し合う存在を使って戦っていきます。今作だと火龍は嫉妬の炎で晴明は打ち消す水で水龍を召喚したってことですね。

 

 他にも五行だけでなく晴明や徽子女王の内心も風景で表現されていて場景を掘れば掘るほど面白みが増していきます。晴明が両親を殺した顔のわからない人物を切ろうとする時も怒りや憎しみが増幅して徐々に体を炎が包んでいくように演出されています。

 

 徽子女王は従姉妹の博雅に好意を持っていたのに帝の恋文を持ってこられたことで自身の恋が叶わなくなってしまったことを悟り心理世界が冷え切った雪山になってしまっていました。

 幼少から自分の自由がなくただ耐え、ようやく京へ戻り博雅と楽しい日々を送っていたのに唯一の至福も無くなってしまうんですからたまったもんじゃないですよね。恋文は博雅からかと思ったら違ったっていう裏切りもありましたから…。

 

 こういった風景や火や水などでどういった状態なのかをわかりやすく表現されているのも見ている側としてはわかりやすいですし、CGがとにかく綺麗でアップになってもボケたり違和感のある描かれ方をしていないので見る価値はあるかなと。

 個人的に邦画を避けている理由の一つとしてCGが荒かったり明らかにおかしい作りになっていたりして期待値を裏切られることが多いのですが、やはり『ゴジラ-1.0』で受賞しただけあって綺麗に作られていましたね( ^ω^ )

 

 そして晴明は暗示や催眠術の達人なのかと思われていましたが本当に呪術を使うことができて最後に犯人を懲らしめます。だって呪術使えないと精神世界で召喚した水龍が現実の是邦の元へ行ったりはしないですからね。

 義輔も今回の騒動を起こした目的と晴明の両親のことを聞き出して落雷でトドメを刺していましたからその力はかなり絶大なものだったと感じますね。現実がどうだったかはさておきですが実際にいた人物でしたからなきにしもあらずかな!?

 

 最終的に徽子女王は帝に嫁ぐことを決めますがだからと言って博雅と絶対会えなくなるわけでもない。当時の恋愛事情としてそばにはいなくても思い続けるといったことはよくあったのでその時代背景も盛り込んでいるのかなと。

 多くの恋愛要素は思い人と結ばれて終わりますが帝が求婚してきている以上そうもいかないですからね。博雅が自身の気持ちを帝に訴えかけてもいいでしょうがただでは済まなくなっちゃいますからストーリー的に流石にそれはできないかな。

 

 

最後に

 映像美がすごい作品ではありましたがアクション要素は思っていたよりも少なめだったのと序盤は説明枠なのでストーリー的に盛り上がりが欠けちゃうところはあるかもしれません。当時の階級だったり陰陽寮で何をしているのか、博雅との出会いなんかをメインにしているのでアクションは全然ないです。

 

 上記にも書きましたが山崎賢人の役もマッチしていたし博雅役の染谷将太もいいキャラしてましたね。周りの高貴な階級の人たちみたいな堅っ苦しい感じじゃなくてどこか話しかけやすそうな感じというか悪く言えば晴明に舐められているような感じなんですよね。それがかえって晴明と近づきやすくなったのかもしれません。

 晴明自身は陰陽師にも興味ないし、貴族だなんだに関しても関心がないので徽子女王の件を持ちかけてきた博雅は相性がいいと感じたかもですね。

 

 今作の反響次第で続編ってあったりするんでしょうかね?原作小説がシリーズ化されているので陰陽師になった晴明を主人公にした作品とかも映画化されたりするかもしれないです。ストーリー全体のボリュームを出さないと今回と同じようなテイストだけでは次作は難しいかもしれませんね。

 

 ともあれ映像の美しさを楽しむことのできる一本になっていたのでこれはこれでありです。過去作からどう進化しているのか見比べてみるのも面白いかもですね。萬斎さんの陰陽師も似合ってますが山崎賢人の配役も今の時代らしさがあって良き( ^ω^ )

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆★★3/5