私たちが仕事をしたり遊んだりと何気ない日々を送っている中、誰かにとっては人生を変えるような出来事が起きてたりします。日本でも毎日どこかで事故や事件が起きてニュースなんかで見たりしますし、事が大きければ何年もの間語り継がれるものもあったりします。
日本ではそこまで発生しませんが、海外なんかだと“銃”を使った犯罪なんかが日常的に起きたりしています(´ω`)
今作はアメリカで実際発生した人質立てこもり事件を題材にしており、約3日にわたって続いたためアメリカ全土で注目を集めた出来事なのだそう。銃を使った事件がよく起きる印象がありますが、そんな立てこもり事件が50年くらい経って映画になるんですねぇ…(゚ω゚)
主演を演じるにがこの間『ザ・クロウ』でかっこいいダークヒーロを演じたビル・スカルスガルドとのこと。あんなイケメンから口髭の生えた人質犯という離れた役にも挑戦するんですね。
この事件の記者会見の様子って他の事件に比べてもかなり異様な光景なんですよ。よくあるメガホンなどで意思疎通をとるんじゃなくて犯人が人質に銃を突きつけてその周りを記者たちが囲っているっていう。銃に施されている仕掛けでこの光景が生まれているわけですが、少ししくじれば目の前で人質が死んじゃいますからね。
緊迫したシーンが続く作品でどのような演技を見せてくれるのか!?
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
1977年2月にアメリカのインディアナ州インディアナポリスで起きた人質立てこもり事件をベースに製作。銃口を切り落とした(ソードオフ)ショットガンに2本のワイヤーがあり、犯人と人質それぞれの首に繋ぐことでどちらかに何かあれば銃が発砲されてしまう状況の中でストーリーが展開されていく。
インディアナポリスに住む中年男性のトニー・キリシスが不動産ローン会社に財産を騙し取られたとして社長の息子:ディック・ホールを人質にとり自宅に立てこもる。 トニー自身とディックの首にワイヤーをくくりつけ、変に動くと自動で発砲される装置“デッドマンズ・ワイヤー”を使用。
トニーが求めているのはローン会社の悪行暴露と謝罪、不利益に対する金銭。装置が暴発することを恐れた警察は下手に手を出すことができない。メディアを通じてトニーの要求が公開され社長であるディックの父と会話を試みるが…
立てこもり犯のトニーを演じるのは『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)のペニー・ワイズ、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(23)のビル・スカルスガルド。人質のディックを『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(17〜22)のデイカー・モンゴメリーが担当。
他には『ミッション:インポッシブル』シリーズ(23〜25)のケイリー・エルウィス、『オーシャンズ13』(07)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)のアル・パチーノ、『カラー・パープル』(23)、『Michael/マイケル』(26)のコールマン・ドミンゴなどが出演する。
本作の監督を務めるのは政治家ハーヴェイ・ミルクの伝記映画『ミルク』(08)や『ドント・ウォーリー』(18)を製作したガス・ヴァン・サント。1月に全米公開された際はアメリカの大手映画レビューサイトのロッテントマトで92%の超高評価を獲得!
金銭トラブルから実際に起きた事件。当時の資料は現代で考えられないインパクトのある構図をカメラに残しており映画の題材として起用されるのも頷けるほど。事件を起こしたトニーはどうなってしまうのか…?
あらすじ
インディアナポリスに住む中年の独身男性トニー・キリシス(ビル・スカルスガルド)は不動産ローン会社メリディアン・モーゲージ社に全財産を騙し取られたとして、同社に押し入り社長の息子で役員のディック・ホール(デイカー・モンゴメリー)を人質に取り立てこもりを始める。
自分の首と人質の首をショットガンとワイヤーで固定、ヘタに動けば自動発砲される“デッドマンズ・ワイヤー”という装置を使い、同社からの謝罪や補償を訴えた。
地元警察が全く身動きを取れない中、トニーはメリディアン・モーゲージ社の悪を暴露しようと人気ラジオ番組に電話をかけ番組のDJフレッド・テンプル(コールマン・ドミンゴ)を巻き込んで自分の訴えを電波に載せた。
モーゲージ社の代理人がTVカメラの前でトニーの要求を受け入れるような声明を発表するが、彼はM・L・ホール自らの謝罪がまず重要としてこれをすべて拒否。事件が好転する兆しが見えない中ついにFBIが出動しトニーのプロファイリングを始め、警察は突入の準備を進める。
また、現場には爆弾が仕掛けられている疑いがあり爆弾処理班が出動するなどトニーに対する包囲網は徐々に固められていくのだった。
そんな中、トニーは次なる一手として犯行現場に米3大ネットワーク局を始めとするメディアを呼び、ディックにデッドマンズ・ワイヤーを突きつけたままの記者会見を行う。
メディアを通したトニーの訴えは世論を二分し、アメリカ中に大混乱を巻き起こす。そして、ついにトニーとM・L・ホール社長(アル・パチーノ)の電話がつながるのだが・・・
※引用元:公式HPより
キャラクター<俳優名>
トニー・キリシス<ビル・スカルスガルド>
不動産投資会社メリディアン・モーゲージ社に財産を騙し取られたと思い、同社の役員を人質に取り、立てこもる男。“デッドマンズ・ワイヤー”という仕掛けを独自に開発する。労働者階級で性格はかなり荒い。人生の全てをかけた事件を引き起こすのだが、大事な部分でトロいドジを何度も踏んでしまうユニークなキャラクター。
リチャード・ホール<デイカー・モンゴメリー>
メリディアン・モーゲージ社役員で、社長の息子。社長不在時に会社を訪ねてきたトニーの人質となる、運の悪い男。通称ディック。
マイケル・グレイブル刑事<ケイリー・エルウィス>
地元インディアナポリス警察の刑事で、トニーの説得に当たる。警察すら近づけない“デッドマンズ・ワイヤー”を前に、膠着状態をどう打開するかを迫られる。トニーとは面識がある。
フレッド・テンプル<コールマン・ドミンゴ>
地元ラジオ局で朝のワイド番組を担当する人気DJ。ファンであるトニーの指名で、電話出演の聞き手をさせられ事件現場にも呼ばれてしまう。
リンダ<マイハラ>
地元TV局のレポーター。日々特ダネを追い求める中、偶然にも事件現場に居合わせる。籠城事件をカメラを通じて伝え、全米が見つめるニュースへと押し上げていく。犯人の声が世論を揺らしていく過程に深く関わる。
M・L・ホール<アル・パチーノ>
メリディアン・モーゲージ社社長。強引な手法で巨万の富を築いた剛腕。人質となったディックをめぐる状況にも動じず、身の潔白を主張。籠城の行方を左右する電話会談で、トニーと直接対峙する。
※引用元: FashionPressより
感想
違法ではない搾取と法を犯す正義の対立。トニーの主観がメインだからローン会社が一方的に悪いかは定かじゃないが、トニーの日頃の行いが良く人望があっても苦しめられれば法を犯してでも武器を取って立ち向かう!現代社会でも問題になっている部分だよなぁ…(´ω`)
世論の二極化
ローン会社の社長息子を人質にした本作品のモチーフである立てこもり事件。1つの銃と2本のワイヤーでトニーの“信念”を貫き、世の中にいる自分と同じ境遇の人たちに問いかけるための3日間の犯行。
側から見たら「かなりヤバいやつ」にしか見えないのかと思ったらトニーを見る周りの目、とくに彼のことを知っている家族や同じ街に住む人々には「こんなことをする人じゃない。この犯行に及んだということはかなりのことだ!」という擁護派も出てくる。
しかも一般市民だけでなく警察側もトニーのことを知っている人が何人もおり直接会話するシーンが差し込まれているし、トニーを説得しようとするマイケル刑事も酒を交わした時のことを出すくらいなので色んな人と関わりを持っていた人物なんだと感じます。
トニー自身もかなり落ち着いて交渉をしていますし、怒るシーンもあるけど正気を保ちながら我慢強くキレているのかなと。
ずっと搾取され続けてきたって主張が本当なのかは定かじゃないですし、今作の構成がトニー目線で進んでいくのでローン会社側の視点がなくトニーが絶対正しいのかもよくはわかりません。ただニュースで事件の経過を見ている層はどっちの主張が正しいか判断できませんから世論としては分かれてしまうのが必然かなと。
この構図で思ったのがホアキン・フェニックスが演じた『ジョーカー』の言い方悪いけど健常者版っぽく思えました。
ジョーカーのやったことに対して賛同する集団が一定数いましたし、カルト的な立ち位置にいて崇拝されているようなシーンもありました。犯罪を犯しているし多数が法で裁かれるだろうって考える中、誰かは何かに対しての鬱憤を晴らしてくれた代理人みたいに指示を出していたのかもしれない。
今作だとトニーが「ローン会社が俺のプランを邪魔して金銭を搾取し続けてきた!」と言っています。契約書の内容が詳しく流れるわけでもないのでどういった形で搾取されていたのかはわかりませんが、逮捕とかされていないのであれば法的にはOKなのかも。
だけど不動産系の怖いところって「合法なんだけど騙される」ところ。「違法なことは逮捕されるししてこないだろう」と考えてしまい自身が知識を持っていなければ毎月赤字を垂れ流すことも多々ある業界です。
日本でも資産運用の意識が高くなってきて多くの若年層がNISAなどを使用するようになりました。政府も「NISAをやって老後資金をどうのこうの」みたいな宣伝もしてますからね。その中でも1R投資の問題などがあったりしてて投資に対する回収ができずプラスどころか毎月マイナスを払い続けているなんて話もあります。
この怖いところって法的には問題ないから最悪損切りするしかないなんてこともあるんですよね。個人的にYouTubeで某不動産Gメンさんを見たりするんですが、外国でも同じなのかもしれないですね。
ただ、もし仮に搾取していたとしたら5年という歳月で相手を意気消沈にまでするかな?とも考えちゃいます。トニーが目をつけていた土地にモールを作ってテナントも入札があったといっていたのでローン会社からしたら出来上がってくれた方が支払いもされるから都合良さそうなんですよ。
トニーの犯行のきっかけ部分で「完全にこっちが悪い!」みたいなところがないので見ているこっち側にも「どっちが悪いと思いますか?」って聞かれている気もします。どっち側にもつけるなって構成なので明確な部分をわざと隠しているのもこの作品のいいところです( ´∀`)
一番可哀想なのはディックじゃね?
トニーの我慢が頂点に達し犯行に及んだことで人質になってしまったローン会社社長息子のディック。社長で父親のホールが冬のインディアナポリスを離れ温かい地へ旅行中だったので運悪く標的にされちゃいます。
トニーとも初対面ではないようでしたし不仲ってわけでもない。面会のアポをとっていたトニーもホールが不在と聞いて焦っている様子が映されていました。まぁここまできたらやるっきゃないってことでディックを人質にしたんでしょう。トニーも傷つけたいわけじゃないって言ってはいるもののちょっと間違えば自分の頭が吹っ飛びますからストレス半端なかっただろうな…。
3日間も拘束されるし立てこもり中は椅子に縛り付けられて身動きも取ることができない、寝る時は浴槽だし風呂に入ることもできず手錠をかけられている。妻との電話も1回しか映されていないですからよりどころなさすぎですよ。
しかも父親は事件が発生した初日に連絡してこないし、トニーと交渉したかと思ったら自分の非は認めない。ローン会社に非があるかの真相はわからないので謝罪しないのはまぁいいんですが、下手したらディックが撃たれてもおかしくないような言動をとるんですよ。「自分の息子の命がかかっているのにマジか!?」って思うシーンが多々。
受け答えしているのが受話器のある電話なので会話の全部がディックに聞こえていないにしてもトニーの態度を見れば大体の想像はできますからね。電話の先で母親はめっちゃ心配してましたけど…
事件の数年後に会社の業績も落ちて会社も終わっちゃったみたいですから命助かったけどあの時のような生活は難しい状態になったりしたのかも。
妻や我が子と再会できたからいいもののトニーが亡くなるまでトラウマになっていたとのコメントも出ていましたからかなり長期間縛られ続けたんですね。
最後に
会社の業績が落ちちゃったってことはトニーと同じように感じたりしていた人が多かったのかもしれない。数年後に一気に落ちたとなれば既存顧客も新規も離れて行ったんでしょうね。
エンドロール時に当時の映像が実際に流されるんですが、あの記者会見はマジで異常な光景ですよ!犯人のすぐ後ろに警察がいるのにただの置き物でしかなく何もできない。記者も目の前にいるし映画のシーンを撮っているようにしか思えない状況。
トニーが裁判の判決後にキャスターからのインタビューを多く返さず「自分は心神喪失じゃない」とだけ残すのも良かった。あんな事件起こすなんて何かしら問題があってもおかしくないしインタビューの答えがおかしくなってもいいのに一言だけ。
だからこそトニーが異常ではない感が感じられる。弁護側の主張はあくまでそういう風に運びましょうって話でしょうし、検査してもそのあたりを明確に出せるわけでもないでしょうから。
あと元になった事件の何%を再現できたんでしょうか? 実話をもとにしていると言ってもトニーやディックはもう亡くなっていますし立てこもり中に何を話しててその情報が記録として残っているのかもわかりません。
あくまで映画として追加された部分がどれくらいあるのかも不明なので全部を飲み込むことはできないんです。現代みたいにスマホでボイスを録ったりするような環境じゃないですからね。とはいえ、日本じゃ考えられない事件や光景が現実に起こるものなんですね。
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ
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