映画作品でキーマンになる人物の元を訪れて話を聞くなんてのはよくある設定です。そんなよくある設定をひねったのが今作『KNOCK』なわけですが予告を見る限りでは謎が残りすぎておりヒントがかなり少ない。
今のところ“ある家族”に世界を助けるかどうかの選択を迫るといった内容のようですが、なぜそうなったのかとか武器を持った4人組がなぜキーマンがこの家族と知ったのかなどが謎すぎる。
監督のシャマランは一昨年公開されたスリラー映画『オールド』を製作した方ですが、こういう謎な部分の多い作品を得意としている人なので出来栄えは安定しているのかなと。
『オールド/Old』(21)かなりいい興行収入を記録した話題の作品でしたし、他にも『ヴィレッジ』(04)や『ヴィジット』(15)、『スプリット』(16)などの有名作品を手掛けているので間違い無いでしょう。
今作の謎がどのように紐付いて解決しどんな結末に持っていくのか気になる作品です。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの有名俳優デイブ・バウティスタや『ハリー・ポッター』シリーズのルパート・グリント演じる謎の4人組の役割とは!?
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報・監督情報
今作は2018年に発表された小説「The Cabin at the End of the World』をもとに製作されており、監督はM・ナイト・シャマランが務める。主演は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で人気のあるキャラクター・ドラックス演じるデイヴ・バウティスタが出演。
他にも『アナと雪の女王』(13~19)、『マトリックス レザレクションズ』(21)に出演したジョナサン・グロフや『ハリー・ポッター』シリーズのルパート・グリントも出演している。
今回一家の片親をジョナサン・グロフが演じていますが、彼自身ゲイであることを公にしておりそういった観点から起用されたとも考えられます。
原作小説「The Cabin at the End of the World」は2019年にホラー作家協会のブラム・ストーカー賞の小説部門を受賞した。
今作の監督M・ナイト・シャラマンはこういったスリラー・ホラー作品を得意としている方で今まで多くのヒット作品を世に出してきました。
代表作としては『シックス・センス』(99)、『ヴィレッジ』(04)、『ヴィジット』(15)、『スプリット』(16)、『オールド』(21)などがあります。直近の作品『オールド』は製作費1,800万ドルを費やし世界で興行収入9,000万ドルを記録しておりこの新作にも注目が集まっています。
謎の4人組がなぜこの一家の元を訪れ、世界を救う鍵となったのか!?どのような展開が待っているのかが楽しみな作品です!!
あらすじ
人里離れた山小屋で休暇を過ごしている3人の家族の前に突如現れた、謎の4人組。
彼らは家族を拘束し、こう告げた。
「私たちは、“終末”を防ぎに来た。君たちの“選択”に懸っている」
「家族3人のうち、犠牲になる1人を選べ」
「しくじれば…世界は滅びる」
果たして、4人の訪問者は何者なのか?
なぜ、世界は終末を迎えることになるのか?
そして、正気とは思えない究極の“選択”の結末とは?
※引用元:公式HPより
感想
場面は全然変わらないのにシンプルに不安を煽ってくる作り方はすごい!だけど結末はよくわからなかった(・Д・) いろんな見方ができるがどう見るのが正解なんだろう?!
家族の選択が世界の運命…
休暇を山小屋で楽しく過ごしていた3人家族が突然現れた謎の4人組に選択を迫られる内容は、予言とかお告げみたいなスピリチュアルな要素と真相部分にすぐ辿り着かない謎の多い作品となっていました。
というか知らない武器持ったやつに選択を強要される時点で恐怖でしか無いのにいろんなものが重なりさらに恐怖心を煽ってくるのでスリラーは良かったです。
今作の要となるのは“選択”。特に何か悪いことをしたとかではなく選ばれる運命だったとしか言えないような状態で、4人から「1人を選んで死んでくれ!そしたら人類が助かるんだ!!」みたいなことを言われてもまぁ信じないですよw
誰でも急にそんなこと言われたら信じないですよね。だからレナード演じるデイヴは終始静かに語りかけてくるけどあのガタイがあるから初っ端から気圧されてるし、話し合おうとか言ってるけど武器持ってて椅子に縛られたら信じられるか!?ってなりますよね。
このへんはもうちょっと作り方あったのかなって。ただ時間がないっていうのがあるからこれしかないのかなとも思える。
作中ではなかなか決断ができない3人の前で1人ずつ殺されていっちゃいます。それも縛りがあって自害できない、4人は3人を殺せないとかあってこの設定ももどかしい感じを倍増させてくる。
最初の方に訪れる厄災はその前に起こった天災とかの影響で信じてもらえないんですよね。だから最初と2番目に殺される人はほぼ確定なわけです。
それがわかっているからなのかレドモンドとサブリナは結構焦りが見えます。まぁ全員死んじゃうんだけど3,4番目は助かる可能性が高いわけですから。そりゃあんな焦った顔にもなるわな。ルパート・グリントの出番終わる早さには驚きましたけど( ゚д゚)
3人はそんなストレスしかない環境で「自分たちを犠牲に世界をとる」か「世界を犠牲に自分たちが助かるか」を選ぶんですよ。この選択肢ってかなり迷うんじゃないでしょうかね…。
自分だけ生き残っても世界に誰もいなくなっちゃうし、かといって自分は死にたくないしね。しかも自殺はダメってルールがあるから親族とか友達にやってもらうしかないっていう究極の選択なんです。
自分ならどうするんだろ…。死にたくはないけど死なせたくない人いるしなぁ。う〜〜〜ん_:(´ཀ`」 ∠):迷うなぁ。
結局何がなんだったのかわからんとこがある
監督の前作『オールド』みたいに物事の起きた原因がキーアイテムで謎が解明するのかなとか予想していました。ここまで謎の要素が多いのでちゃんと納得できるものが出てくるのかも不安でしたが結局原因はよくわからなかったですww
最初はレナード、エイドリアン、サブリナ、レドモンドが全く同じビジョンが見えて出会ったのがエリックとアンドリューのもとに来たきっかけ。最初は彼ら4人も信じてはいないけどヴィジョンの鮮明さに信じざるを得ない状況に。
まずレドモンドの死によって訪れた厄災が自分たちのヴィジョンと全く同じだから信じるしかないが確信へと変わる。
4人とも自己紹介してきてあらかたの身元を明かしてくるから変な奴らじゃない(やってることはヤバいけど)。3人は変な宗教に落ちた人たちとかいろんな考えを巡らせて穏便に終わる方法を考えるんです。
で最後はエリックが4人の姿を黙示録の四騎士だと悟るわけなんですが、その四騎士について全く知らないからなんのこっちゃよくわからなくなってしまった(´ω`)
なんかよくわからないけど「ヨハネの黙示録」の内容を作品に持ち込んできているようですね。この話に関しては知識がないので最後の理解ができなかったんですよ…。本編の時間が100分くらいだったので「これって原因とか説明とかちゃんと出るんかな?」とか思ってたら1から10までのものがなかったのでそこが残念?かなと。
ヨハネの話を知っている人なら全部理解できたんでしょうが日本人のどのくらいが知っているのだろうか…。これってキリスト教の内容なのでキリシタンの方は楽しく見られるんだろうな( ´∀`)イイナァ
まぁこの監督の作品に対して期待値を持っていたのでこういう結果になってしまったのは悔しいやら悲しいやら。海外はキリスト教の方多いから受けやすいとかはあったのかもしれないですね。
最後に
結果としては「惜しい」作品になってしまったかなと思います。中身は割と怖くてドキドキしながら見ていたけど最後がわからなかったので一気に正気に戻されてしまいましたww٩( ᐛ )و
これは作品が悪いというのか日本という国の宗教的な部分が悪いのかもしれないですね。というかたまたま悪くなる組み合わせになってしまったというかね。
あとは最近よくあるLGBT系の内容でした。私は特に悪いとか思っていないし、周りにそういう境遇の友達がいるのでいいのですが海外の年齢層が上の人たちが嫌がる姿が鮮明に描かれていましたね。
いわゆる“保守派”的な人たちがいるし、同性愛自体がもともとノーマルではないので嫌い人たちがいるのも必然。
エリックとアンドリューも本当はオープンにしたんだけど社会がまだ整地されていないのでウェンを養子に迎えるときも旦那と義兄といった関係で施設に面会しに行くんですよね。
これは社会情勢的にこれが現実だよってところをしっかり描いているんじゃないでしょうか。この問題は日本でも解決できていませんしまだまだ長い旅路になってしまいそうですね。
そしてこの3人がなぜ選ばれたのかがわからないままでした( ^ω^ )ワタシダケ? わかる方がおられたら教えて欲しいです。頭で思い返してもわからないままだったのでここが最大のモヤっとになったかな。もうちょっと考えられる頭が欲しいなぁという強欲を胸に帰路へ…。
とはいえスリラーのハラハラドキドキはしっかり味わえる作品ではあったので良し悪しは半々かなと個人的には思います。
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ
評価 ☆☆☆★★3/5