数ある刑事ドラマの中で『相棒』杉下右京でおなじみの水谷豊が監督、脚本を務めた人間ドラマ。テレビニュースやネットとかで轢き逃げに関するニュースは常日頃放送されており、世界のいろんな場所で起こっています。誰もが巻き込まれてしまう可能性がある事件だからこそ中身がわからないもの。
自分自身がその場面に出会わないと被害者の心情、環境の変化を理解しきれないですがスクリーンを通して悔しさ、無念、怨みなど被害者側の抑えきれない感情がどこにたどり着くのか… 気になる(゜。゜)
水谷監督は今作で被害者の父親を演じます。彼の強烈な心理描写の表現が醍醐味といってもいいでしょう。私の中で堅いイメージが強いのでどのように感情を出されるのかワクワク!
テーマソングはジブリ作品『ゲド戦記』の「テルーの唄」でデビューを果たした手嶌葵(てしまあおい)が担当し、水谷監督から「歌詞は作品に合わせなくて良い。ただ母性を感じさせる曲であれば」と言われ、ラストシーン見終わってそれぞれの心情にそっと寄り添うものが誕生したとのこと。
作品情報
人間の底知れぬ心情に光を当てた本作は『TAP-THE LAST SHOW-』(17)で鮮烈な映画監督デビューを果たした、唯一無二の表現者・水谷豊。
煩悶する二人の主人公・宗方秀一と森田輝役は、450人を越す応募者の中からオーディションで、中山麻聖と石田法嗣を選出した。
本作は2018年4月26日、兵庫県神戸市でクランクイン。神戸市周辺で約3週間のロケ撮影を敢行。その後は関東近郊で撮影し、7月27日、東映東京撮影所にてクランクアップを迎えた。
また監督の強い希望から、日本映画初の「ドルビーシネマ」対応に。臨場感溢れる、生々しい世界観で、観客を物語の中へ深く引き込み、登場人物たちとともに悩み、迷い、たしかな希望を体感させる。
監督情報&主要キャスト<俳優名>
時山光央<役:水谷豊>
<出典:公式HPより>
1952年7月14日、北海道出身。代表作はドラマ「傷だらけの天使」(74/NTV)、熱中時代(78/NTV)、『相棒』(00~/EX)など。
映画では『青春の殺人者』(76/キネマ春報主演男優賞受賞)、『幸福』(81)、『少年H』(13)、『王妃の館』(15)などがある。『TAP-THE LAST SHOW-』(17)では初監督に挑み、主演も務めている。 (引用元:公式HPより)
時山千鶴子<役:壇ふみ>
<出典:公式HPより>
東京都出身。『昭和残俠伝 破れ傘』(72)で銀幕デビュー。主な作品は『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』(76)、『わが愛の譜 滝廉太郎物語』(93)、『山桜』(08)、『春を背負って』(14)など多数。
エッセイも好評で、「ああ言えばこう食う」は講談社エッセイ賞を受賞。他に「父の縁側、私の書斎」「壇流きもの巡礼(たび)」等、多数。現在、NHK-FM「N響ザ・レジェンド」に出演中。 (引用元:公式HPより)
宗方秀一<役:中山麻聖>
<出典:公式HPより>
1988年12月25日、東京都出身。04年に映画『機関車先生』でデビュー。12年に主演映画『アノソラノアオ』が公開され、14年には「牙狼<GARO>-魔戒ノ花-」(TX)でTVドラマでも主演を務める。
主な出演作に、「江〜姫たちの戦国〜」(NHK/11)、「美女と男子」(NHK/15)、「警視庁ナシゴレン課」(EX/16)、「べっぴんさん」SP(NHK/17)等。2019年主演映画『牙狼<GARO>ー月虹ノ旅人ー』が公開予定。 (引用元:公式HPより)
森田輝<役:石田法嗣>
<出典:公式HPより>
1990年4月2日、東京都出身。子役としてデビュー。映画『カナリア』(05/毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞受賞)に出演し、SPドラマ「火垂るの墓-ほたるのはか-」(NTV/05)で主演を務める。
その後、2回の海外留学で視野を広げ、2019年は今作以外に『空母いぶき』『スウィート・ビター・キャンディ』など4作品の公開が決まっている。 (引用元:公式HPより)
白河早苗<役:小林涼子>
<出典:公式HPより>
1989年11月8日、東京都出身。雑誌「ニコラ」(新潮社)の専属モデルとして活躍。主な出演作にTVドラマ「砂時計」(TBS/07)、「魔王」(TBS/08)、「主婦カツ!」(NHK/18)、映画『大人ドロップ』(14)、『ピンクとグレー』(16)、『猫は抱くもの』『ハッピーメール』(18)がある。
2019年4月期テレビ朝日開局60周年記念作品帯ドラマ劇場「やすらぎの刻〜道」に出演。 (引用元:公式HPより)
柳公三郎<役:岸部一徳>
<出典:公式HPより>
1947年1月9日、京都府出身。67年GS「ザ・タイガース」のベーシストとしてデビュー。解散後俳優に転向。
主な映画出演作に、『死の棘』(90/日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞)、『相棒-劇場版-』シリーズ(08、10)、『大鹿村騒動記』(11)、『少年H』(13)、『舞妓はレディ』(14)、『FOUJITA』(15)、『団地』(16)、『TAP-THE LAST SHOW-』(17)、『北の桜守』『鈴木家の嘘』(18)など。 (引用元:公式HPより)
前田俊<役:毎熊克哉>
<出典:公式HPより>
1987年3月28日生まれ、広島県出身。初主演作『ケンとカズ』(16)で、第71回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞等を受賞。
18年の主な映画出演作は『北の桜守』『万引き家族』『私の奴隷になりなさい第2章 ご主人様と呼ばせてください』『私の奴隷になりなさい第3章 おまえ次第』『止められるか、俺たちを』と多数。NHK連続テレビ小説「まんぷく」出演も記憶に新しい。 (引用元:公式HPより)
あらすじ
眩しい光に包まれた初夏の朝、海の見える狭い坂道で、事件は起きた。
異国情緒漂う地方都市で、大手ゼネコン・城島建設に勤める若きエリート・宗方秀一(中山麻聖)はいつになく焦っていた。3日後に控えた結婚式の打ち合わせのため、城島建設副社長・白河の一人娘で、婚約者の早苗(小林涼子)がホテルで待っている。
式の司会を務める、学生時代からの親友で同僚の森田輝(石田法嗣) を乗せて、不慣れな抜け道を加速していく秀一の車。
路地裏にある喫茶スマイルの角を曲がった時、若い女性を撥ねてしまう!……「誰も見てない」。輝の囁きで、車を急発進させた秀一。
その場から立ち去った二人は、早苗の元に向かう。
打ち合わせを終えて帰宅した秀一と輝は、夕方のTVニュースで、轢き逃げした女性・時山望の死亡を知る。翌朝、怯えながら出社した二人には、反目する専務一派のいつもの嫌味に構う余裕もない。何者かから脅迫を受けるも、秀一の結婚式は無事に終わる。
秀一が人生最高の日を迎えていた時、轢き逃げ事件で突然一人娘の望を失った、時山光央(水谷豊)・千鶴子(壇ふみ)夫妻は、最悪の日々を過ごしていた。
“秀一と輝が逮捕された”という知らせを受けたところで、娘が帰ってくるわけではない。
なんとか日常を取り戻そうと耐える両親は、望の遺品返却に訪れた二人組の刑事、柳公三郎(岸部一徳)と前田俊(毎熊克哉)から意外な質問を受ける。
「遺品の中に携帯電話が見当たらなかったんですが……」。娘の部屋を探したが携帯は見つからず、引き出しにあった日記から、事件当日の望の行動が明らかに。微かな違和感を抱いた時山は、娘の仕事仲間や友人に会いに出かけていく。
自分の内の潜む衝動から魔的な行動に出てしまい、己の罪深さに苛まれる秀一。準抗告で釈放された輝に接触を試みた時山も、やりきれない思いが募るばかりだった。
やがて新緑の美しい頃、複雑に絡み合う事件に巻き込まれてしまった人々は、予想だにしなかった真相に辿り着き、そして、それぞれの“これから”を見つけ出そうとする。 (引用元:公式HPより)
感想
まさかまさかの終わり方!轢き逃げ犯の逃亡生活と被害者家族の悲しみを同時進行で映す作品だと思ってました。全然違った…!!
予告を見た時は犯人の逃亡を水谷豊が追う?それか生活風景を入れ替わりで映しながら進行するかと思ってたら全く違った。
後半になればなるほど時山夫妻の心が解放されていき、“こんな複雑な事故”だったなんて誰が予想していたことか…
ざっくりあらすじ説明
まず開始5分で事故が起きて「めちゃくちゃ早くないか?」とか思ってたら前半は秀一目線が主だったので、「水谷&壇夫婦出てこないなぁ」て感じで進んで行きます。
秀一の結婚式やらなんやらが滞りなく進んでいくと実は警察に見張られていた!急に刑事2人登場。新婚生活中の秀一に任意同行を求め近くの署に。
実は事故現場近くの監視カメラに車が写っており逃げ場がなくなった秀一は罪を認め、同乗していた輝も隠蔽で逮捕。
逮捕の電話を受けた時山夫妻は千鶴子はよかったと娘の遺影に報告するが光央は「望は戻ってこない!」と言う。
刑事の柳が遺留品を届けに来て「携帯がない」と説明。帰ったあとに光央と千鶴子は望の部屋を探すと懐かしい物が出てきてしんみりしてしまう。
光央は引き出しから日記を見つけ読んでみると「携帯がなくなった。どこかで落としたのかな?」というような記述が事故日前日に。
望の職場や通っていたダンス教室に訪れ変わったことはなかったか?聞いたが何も得られなかった。しかし事故現場前の喫茶スマイルで望の写真を見せると店主が見たことあるといい野球帽に白いデニムの男性と来たことあると証言した。
後日望のダンス教室友達から連絡があり最近3人で合コンに参加したと言われ、当日の写真や動画を見ることに。
写真と動画にはスマイルで聞いた白いデニムの男性が写っていたが顔が見切れて分からなかった。がここから事態は大きく動き出す!
といった流れ。このあとの衝撃結末はどれだけの人が予想できるのか……
最後に
人間の黒い部分が滲み出てくる作品って限られますが現実に近い物語だからこそより引き立つんでしょう。
どうやって事故のことを受け入れこれから生活していくかの切り替えはなかなか出来ないもの。父光央の奇行っぷりが出始めたら自然と表情に闇の味が出てきて凄いなぁって。
第ベテラン岸部の老刑事とデビューしてそこまで経っていない毎熊のコンビもいい感じで、冷静沈着とちょっと熱い新人は鉄板ですね!
神戸市の協力もすごくエンドロールでは協力した施設なんかが出ますが力の入れようが伺えます。ドルビーシネマにしたのも正解ですね。音が心情を引き立たせており、より中身が洗練されます。みなさん罠にはまらないように!!
ということで今回はこの辺で´ω`)ノ