ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『先生の白い嘘』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 性別による不平等

 

 日本には世界の中でも高い評価を得ているものがいろいろありますが、その中でも万人受けしているのが漫画やアニメなどのエンタメ。漫画はさまざまな言語に翻訳されたものが発売され外国人と日本の作品でコミュニケーションが捗るくらい浸透しています。

 漫画自体のジャンルもたくさんあり、アクションやアドベンチャー、バトルものなどありますが一方で結構ショッキングな内容を題材にしているものも存在します。

 

 今作『先生の白い嘘』はいわゆる“レイプ”を題材にした漫画となっておりどちらかというと万人向けではないもの。ですがこういった社会問題や犯罪行為などを題材にした作品を通して社会をより考えるきっかけにもなったりします。

 私もこの手の作品をいくつか読んだことありますが、被害者の心情などを絵で感じ取れるのはいいのかなと。もし元になっている方がいたとして直接会うことはできないですからね。

 

 そんな重たい題材が実写映画でどのように描かれ終わりを迎えるのか…。

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

作品情報

 2013年から月刊モーニング・ツー(講談社)にて連載が開始した漫画が原作となっており、原作者の鳥飼茜先生は『おやすみプンプン』や『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(略:デデデデ)の作者・浅野いにお先生の元奥さん。

 過去に連載した作品や今回の『先生の白い嘘』などは『このマンガがすごい!』、『このマンガを読め!』などの漫画ガイド本に取り上げられるほど。

 

 高校教師をしている主人公・原美鈴は自身が女性であるが故の“性の格差(不平等)”と向き合っていく。ただ彼女はその不平等に対する不満を口にはせず自尊心を満たすことで溜飲を抑えていた。その生活をするようになったのは数年前に起きたある出来事からはじまる…。

 

 主人公の美鈴役は女優、タレントとして活躍し、今年公開された『陰陽師0』で徽子女王を演じた奈緒が担当。主人公が内に秘める苦しみ、闘う覚悟を演じる。

 他の登場人物たちには若手の猪狩蒼弥をはじめ、ドラマ映画の出演やモデルとして活躍する三吉彩花、俳優としての認知の方が多いアイドル風間俊介などが務める。

 

 監督はドラマ『トリハダ』シリーズ(07〜12)や『来世ではちゃんとします』(20〜23)、『こういうのがいい』(23)などを製作してきた三木康一郎が担当。今作のような「性表現」に関しては経験豊富な方かなと感じます。

 

 単純な恋愛ではないため漫画のどの部分を残してうまくまとめるかが難しいと思いますがどのようにまとめられるのでしょうか!?

 

 

登場人物<俳優名

原美鈴<奈緒

6年前、親友である美奈子の彼氏・早藤に無理やり肉体関係を迫られる。その後も早藤との関係を続けてしまう。しかし、新妻との出会いで心境の変化が生じる。

 

新妻祐希<猪狩蒼弥

美鈴のクラスの生徒。人が苦手でクラスでも浮いている。バイト先の人妻と自分の意思ではなく、関係を持ってしまったことに悩んでいた。人妻とのことが学校でう噂になり、担任の美鈴に呼び出され…。

 

早藤雅巳<風間俊介

取締役の娘である美奈子と婚約をしているが、美鈴を6年前から凌辱し続けている。女という存在自体を憎しみ、暴力的に支配することに悦びを感じている。

 

渕野美奈子<三吉彩花

地味で控えめな美鈴と正反対で、男性に依存しながらも見栄を張り、女性としての華やかな表面を取り繕う。早藤にプロポーズされて、浮かれている。

 

和田島直人<井上想良

美鈴のクラスの生徒。女の子が大好きな明るいムードメーカーで、クラスで目立つ存在だが、暗い新妻のことを悪気なくからかっている。

 

三郷佳奈<田辺桃子

新妻とは中学の同級生。男子にわざと体を触らせるが、処女は「運命の相手」に捧げると決めているため、肉体関係は結んでない。

 

清田恵理<板谷由夏

美鈴が通う心療内科「清田クリニック」の担当医。

 

池松和男<ベンガル

植木屋。孫に頼まれ、美鈴の家の木を剪定する。

 

あらすじ

傷つかないために見て見ぬふりをする、嘘をつく。そうしないと、生きていられないから――

 高校教師の原美鈴(奈緒)は、教卓の高みから生徒達を見下ろし観察することで、密かに自尊心を満たしながら、女であることの不平等さから目を背けていた。

 ある日、美鈴は親友の渕野美奈子(三吉彩花)から早藤雅巳(風間俊介)と婚約したと告げられる。

 早藤こそ、美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。

 

 早藤を忌み嫌いながらも、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希(猪狩蒼弥)から衝撃的な性の悩みを打ち明けられ、思わず美鈴は本音を漏らしてしまう。

 

 新妻は自分に対して本音をさらけ出した美鈴に魅かれていき……。

 そして、歪んだ愛憎渦巻く人間模様は思いもよらぬ狂気の世界へと向かっていく。

 

 その先で美鈴が見る景色とは——

※引用元:公式HPより


www.youtube.com

 

 

感想

キャラ一人一人の感情がかなり複雑で感情移入しにくい。セリフの言い回しが難しくて理解できない箇所も多く予想していたよりも難解な作品。ただこういう人たちは思っているよりもいるのかな!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女優・奈緒が結構身体をはってる

 本作は性的な絡みや暴力的な表現があり年齢制限が設定されている作品なので、公開前の予告を見た段階では「年齢制限があるけどそこまでではないんじゃないかな」とゆるい気持ちでいました。

 実際に鑑賞して思ったのは「結構胸糞悪くて激しい内容」となってて原作漫画を知らない方が見たら結構驚くんじゃないかと思います。

 

 作中で出てくる濡れ場は表現を配慮していて全部脱いでいるところは少ないんですが、窓枠などの線で遮っていて逆に対象年齢を引き上げているように感じるかな( ´∀`)

 美鈴と早藤の距離感的に全部を曝け出してないから服を残しているって線もありえるかなと。

 

 見応え自体は要所要所であるにはあるって感覚で個々の気持ちの歪みはかなりいい描かれ方をしています。キャラクターそれぞれが抱えている傷が「男」「女」という大きい存在に対してのものなので主軸がデカいがそうなっちゃうよなと思う。

 人によるだろうが全員がそうじゃないと思う人が多いでしょうし私も実際はそう思います。しかし美鈴や新妻くんが体験したことを考えれば性別という括りで先入観を持ってしまうのは致し方ないですよね。経験としては怖いものですから…。

 

 美鈴はその部分が徐々に歪んできていてもう制御できない寸前。実際うつ症状で診察を受けている姿も出ていますしケチャップの味がしないといった味覚障害も発症してしまうほど。

 新妻くんの噂の真相を聞き出す時も強い口調で当たってしまう場面もあったりします。まぁ自分が性の被害者であるのと“男”であれば力もあるし抗えるだろうと思われることが多いですから。

 

 という点を考えると新妻くんは思春期真っ只中の子供とはいえ都合良すぎに考えすぎなのかなと。大人についていって襲われたとはいえそういうことに興味がないっていうのも年齢的に苦しいし、身を委ねてしまったというのもね…。

 途中で今すべきではないと思ったみたいですがそれなら外に飛び出せよって思っちゃいました。高校生に対して厳しい意見かな!?

 

 美鈴と新妻が逃げる力を持っていながら何もしなかったことを否定しますが、彼女自身早藤から襲われた時に諦めて犯されたことを重ねたのかもしれません。頭が真っ白になってしまって何も考えられない境遇をわかっているけど自身の発言をコントロールできなくてめっちゃ酷い先生になっちゃいます。

 

 そんな姿を見た新妻は距離を置くようになりますがふとしたきっかけに惹かれていくものの新妻くんが先生に恋しちゃった理由もよくわからなかったし、彼の行動がところどころ途切れちゃっているのでもう少し映像化してほしいと思いました。

 メインが美鈴なので焦点をそっちに置くのはいいものの新妻だけでなく早藤や美奈子ことも情報量が多くないので理解しにくくなっちゃってるのかな?

 

 個人的には美奈子がすごいというかなんというか…。美鈴と関係を持ったことも気付いていたしそれが現在進行形だってのもわかってたようですが結婚して子供まで授かるってのがすごい。

 美鈴が美奈子への評価を「いい男を身につけ着飾る女」みたいな目線で見てましたがそれでも手放さないのが逆にすごい。彼女の執念がすごい( ;´Д`)2年後の経過もちょっと出てましたが離婚してないっぽいからなぁ。

 

 

最後に

 全体的には胸糞悪い内容なのでスッキリしたわけじゃないですが、被害者の現実があるってのは伝わってきました。美鈴のようなキャラクターを演じるのはかなり大変でしょうし、女優の奈緒さんも役をどう演じるかのイメージが湧きにくかったんじゃないでしょうか。

 

 美鈴に関しては見ていて惹かれる部分もありましたが、表に出さない内情が多いけど地味で終わらないってのが個人的にはすごいと思いました。

 うまく言えないですがパッと見は地味でおとなしい感じの美鈴がレイプをきっかけに男への憎悪と性への快楽に挟まれ、自身の心を壊しながら溺れていくのが仕草はふとした時の艶で表現されていたかなと。

 

 原作漫画って新妻が美鈴の恋しちゃったきっかけとか早藤の過去なんかは描かれているんでしょうか?映画では尺的に入れることができないでしょうがもし原作にその部分があったとしたら少しでも盛り込んだほうが良かったかもしれないですね。

 

 あと三郷佳奈の立ち位置はよくわからなかったですねw身体をある程度許して和田島をいいコマみたいにしてましたが新妻のこと気になってたんじゃないのかな!?そういうニュアンスのセリフもあったからそうかと思ったけど特にアクションがなかったのでいてもいなくてもな感じ?

 

 おそらく美鈴とのキス写真を撮ったのかもしれないですが他の人(クラスにいるモブ)でもいいから固執する必要性はないですね。写真を盾に「私にしておきなよ」みたいな迫り方してても面白かったかもしれない…。

 

 ということでちょっと解釈に時間のかかる作品であったのと思ったよりも女性の鑑賞者が多かったので若干気恥ずかしかったですw

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆★★3/5