ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体の目安で月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 夢は“コメディアン”…

 

 つい先月までアニメ版の『スーサイド・スクワッド』が放送されていましたが皆さん見たりしましたか?

 まさかああいうかたちでDCコミックの作品が出てくるとは思っていませんでしたが普通に面白い作品でした!しかも日本初なんですってね。

 

 とは言ってもアニメではあまり登場していないのがメインヴィランのジョーカーなんですが今回はその映画ジョーカーの第二弾!( ^ω^ ) 前作からもう5年も経っているんですね。え〜っ!時が経つのが早すぎる(゚ω゚)

 

 『ジョーカー』では彼がどんどん壊れていきどうやってヴィランの姿になっていったのかを描いていきました。ゴッサムシティで生まれ育ちコメディアンを目指した彼がヴィランになっていくのはかなりショッキングな部分もありDC映画の中でもダークな作品になっていたのではないでしょうかね?

 

 2作目ではジョーカーの恋人でDCの中でも有名なヴィランであるハーレイ・クインとの出会いを描きます。1人の行動が周りに伝播して大きな力となってさらに加速していく世界をどう映していくのか!?

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

作品情報

 独身最後の夜を過ごしたらとんでもない2日酔いをしてしまうコメディ映画『ハングオーバー』シリーズを手がけ、前作『ジョーカー』から続き担当することとなったトッド・フィリップス監督の最新作。

 

 前作『ジョーカー』から2年が経ちアーカム州立病院の患者となったアーサーが同じ病院にいるリー・クインゼルと恋に落ちる。そしてアーサーが起こした事件を知り彼を支持する暴徒が解放の運動を起こす。

 

 キャストは前作ジョーカーを演じたホアキン・フェニックス、歌手・女優など幅広い場で活躍しているレディ・ガガ、『アダム・アダム』のキャサリン・キーナー、『ハリー・ポッター』シリーズや『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のブレンダン・グリーソンが出演する。

 

 ジョーカーという人物が誕生し、今作ではチームがどう出来上がっていくのか。R指定映画として初めて10億ドルを突破した作品の続編はハーレイも加わりどんな狂気が感染していくのか!?

ジョーカー(字幕版)

ジョーカー(字幕版)

  • ホアキン・フェニックス
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あらすじ

 「生まれて初めて、俺は1人じゃないと思った」。理不尽な世の中の代弁者として時代の寵児となったジョーカー。

 彼の前に突然現れた謎の女リーとともに、狂乱が世界へ伝播していく。

 

 孤独で心優しかった男の暴徒の行方は?

 誰もが一夜にして祭り上げられるこの世界ーー

 彼は悪のカリスマなのか、ただの人間なのか?

 

・FOLIE A DEUX=フランス語で「二人狂い」を意味する。妄想を持った人物Aと、親密に結びつきのある人物Bが、あまり外界から影響を受けずに共に過ごすことで、AからBへ、もしくはそれ以上の複数の人々へと妄想が感染、その妄想が共有されること。

※引用元:公式HPより


www.youtube.com

 

キャラクター<俳優名

ジョーカー/アーサー・フラック<ホアキン・フェニックス

コメディアンを夢見て大道芸人として生計を立てていたが、当然笑い出してしまう病気が原因で周囲から不気味がられる日々。次第に精神を病んでいったアーサーは、ピエロメイクを施した悪のカリスマ“ジョーカー”へ変貌を遂げ、社会への反逆者・民衆の代弁者として祭り上げられる。

 

ハーリーン・リー・クインゼル/ハーレイ・クイン<レディ・ガガ

ジョーカーが閉鎖病棟で出会う謎の女。理不尽な社会の代弁者として祭り上げられたジョーカーの狂気に魅了されている。ジョーカーと同じピエロ風のメイクを施したり、社会への反逆を企むジョーカーへ優しい言葉をかけて共に民衆を扇動していく。

 

ジャッキー・サリヴァン<ブレンダン・グリーソン

ジョーカーが収監されているアーカム州立病院の看守。

 

メアリーアン・スチュワート<キャサリン・キーナー

ジョーカーの弁護士。

 

ハービー・デント<ハリー・ローティー

裁判でジョーカーを追い詰める正義感溢れる検事。

 

ソフィー・デュモンド<ザジー・ビーツ

前作『ジョーカー』でアーサーが心惹かれていた元隣人のシングルマザー。

 

※引用元:FashionPressより

 

感想

アーサーは結局コメディアンになりたかっただけ。支持する信者に呑まれて“ジョーカー”となってしまった男のかなり切ない悲劇の一作(;ω;)

 

 

 

 

 

 

 

 

シンプルに可哀想な境遇+ざっとこんなもん(あらすじ)

 前作ではコメディアンになることを夢見ていたアーサーがマレーに使い捨てのネタにされたことに激昂し生放送で射殺してしまいました。彼の精神病を空想と現実をごっちゃにすることで表現していて後半にいくにつれ狂気性も加わってかなりダークな仕上がりになっておりました。

 ジョーカーという殺人鬼がアーサーの精神状態で生み出されて不気味さがどんどん増していく姿はかなり衝撃的だなと思いました(゚ω゚)

 

 今作では彼が“ジョーカー”としての一面と向き合い自身が犯した罪と過去を振り返っていくような流れの悲劇になっていました。アーサー自身が行った犯罪ではあるものの別人格が犯罪を犯したのではないか!?について考えています。ハーレイとの出会いからまた沼にハマっていく彼の姿も痛々しい…。

 

 今までに計6人を殺害し、5人を殺した罪(母親殺害はバレてない)で逮捕されたアーサーは裁判を待つために施設へ隔離されていた。同じように犯罪を犯した人たちと過ごし、看守からは「今日のジョークはなんだ?」と冷やかしを受ける毎日。

 

 ある日別棟にいる女性リー・クインゼルと出会い互いに惹かれあっていった。リーはジョーカーに惹かれており彼と一緒に“山”を作ることを夢見る。

 

 アーサーは裁判の日が近づいてきて担当弁護士から「ジョーカーは別人格であり犯罪を犯したのは自分の意思じゃない」とすることで無罪を勝ち取ろうと提案してきた。が、アーサー自身はそれをすんなりは承諾せず引っ掛かりが残りながら裁判へ臨むことになる。

 

 今までの経緯を整理すべく様々な証人が裁判所にやってきて説明をする。精神鑑定士や同じアパートに住むソフィーなどがアーサー(ジョーカー)がどんな人物なのかを当時の状況と一緒に話す。

 

 過去の証言や傍聴人の声を聞いていくうちに彼自身がやってきたことを整理し精神的に耐えられなくなってしまう。心の準備をする前に検事と弁護人が話を進めるので途中で弁護士を解雇しアーサー自身が自己弁論を行う異例の事態となった!

 

 弁護士を解雇してからはジョーカーの化粧をして法廷へ出頭。元同僚のゲイリーが証言台へ登壇しランドルが殺された時のことを証言する。

 ゲイリーはランドルが目の前で殺害されたことがきっかけで毎日当時の景色が寝ることもできないほど追い詰められていた。

 

 ゲイリーはアーサーが殺人をしたことは許されないことだと言ったが、アーサーは唯一優しく接してくれた優しい人物だと言う。彼の小人症を馬鹿にする事もなく揶揄ってくる同僚の間に入って止める一面もあった。

 だからよりアーサーがランドルを殺害したことが信じられなく、より怖く感じてしまっていたのだ。

 

 “ジョーカー”が自己弁護をするようになったが法の知識もないので彼の反論は事件に関係ない事も多く裁判長から何度も注意を受けてしまう。しまいには普段看守たちがどう接しているのかを暴露したりして施設に帰ると暴行される。どんどんアーサーの戦意は無くなっていく…。

 

 傍聴席に来ていたリーはジョーカーが裁判をひっくり返すことを夢見ていた。が最終日にアーサーはジョーカーではなく自分が犯罪を犯した事実は変わらないと悟り「私はジョーカーではなくアーサーだ」と認めてしまいリーは彼に失望し傍聴席から去ってしまう。

 

 結果は殺人罪で有罪。陪審員が判決内容を読みている途中突如裁判所の壁が吹っ飛び全員怪我を負う。穴の空いた壁から外に逃げたアーサーは彼を崇拝するピエロマスクをした男に連れられ裁判所を飛び出す。

 途中信号に捕まり停車しているとアーサーはリーに会うために車を飛び出した。いつも歩いていた帰路途中の階段を目指して。

 

 リーと会談で再開したアーサーは「一緒に行こう」と声をかけるもリーは「あなたはジョーカーじゃない。さようなら」と振られてしまう。 アーサーは逃げる気力もなくその場で確保され施設へ連れ戻されてしまった。

 

 施設で過ごしていたある日「面会だ」と呼ばれ看守についていくと途中で別の囚人から「ジョークを聞いてくれよ」と呼び止められる。「手短に頼む」と答えるとその囚人はジョークを話した後アーサーの腹部を刃物で何度も刺してきてそのまま倒れ込んでしまった…

 

 ってな感じのお話でした。

 

 この作品自体がDC映画のどの作品とも世界観を共有していない独立したものなので皆さんが想像しているような『ジョーカー』ではないのかもしれません。

 前作は何人も殺害しているので「バットマンと戦うヴィラン感」はあったものの続編となる今作は戦闘シーンもないし誰かをさらにやっちゃう事もない内容で、ただただアーサーが自分と向き合うための作品。

 

 作風がそういう路線だからなのか結構酷評なようで“ジョーカー”というキャラクター像への想像と離れすぎていたのかなと。

 でも私自身は作品自体がバットマンとかとは関係ないことを知っていたので作品として酷い!みたいな感想はありませんでした。内容自体は気持ちいいものではないですけどね。

 

 もう全部が悲しいんですよ。リーと出会う甘酸っぱいところはあるもののそこからの転落もまた悲しい。アーサーが「分かり合える人に会えた!」と思って1人じゃないって気持ち的に持ち直したのに…っていうね(´ω`)

 

 彼の境遇が現実の有名人とかインフルエンサーにかぶさるんですよね。何かをきっかけにバズって持ち上げられてファンが増える。ファンはそのインフルエンサーとかを自分たちの思う「かっこいい・可愛い人」に重ねて応援というか支持してるんですよね。

 それがちょっとした失敗とか年月の経過で一気に見放されて転落していくっていう。もうただの人を囃し立てて持ち上げてこいつすごいぞ!ってなるんだけど実は乗せられてる“ピエロ”なんだろうなって思っちゃいました…。

 

 みんなの前では想像されている“キャラ”を一生懸命演じなければならないんだけど本人がそれをしたいと望んではないわけです。で、結局耐えられなくて「自分はただの人だ」と言うと周りでワーワー言ってた奴らは「冷めるわぁ…」って手のひら返して去っていちゃうんです。

 

 もうその様子がずっっっと流れるから心苦しいったらありゃしない。

 

 アーサーの妄想がミュージカル調で出てくるんですがそれも後半になるにつれて悲しくなる。彼の夢がコメディアンだからテレビ番組みたいな構成になっていたりリーと一緒に夢を掴んだように描かれているんだけど全部彼の頭の中で起きていることで、リーと共に過ごすことを糧にしているからああいう内容になるのかなと。

 

 それを最後に全部奪われるんだからもう制作者が鬼畜すぎですよねw(゚ω゚)ナンチュウコトヲ…

 

 彼は本当にただの“ピエロ”だったんですね…

 

なかなか評価はされにくいかも

 私は酷評するような感じではなかったものの続編を作る必要性があったかってところは微妙なのかなと感じてはいました。 前作でバツって終わったからあれで終幕でも良かったんじゃとは思っちゃいました。

 

 ミュージカルにしているのもイメージと違うって声も多いのかなと。でもミュージカルにしているのはリーとの共感覚とかアーサーの夢や心境を短めにまとめるにはあのやり方がいいかなとは思ったんですが皆さんどう思いました?

 マレーのテレビ番組みたいにするのもいいでしょうがそれだと長くしないとできないでしょうし尺をどこまでに抑えるかも考えたらいい案ではなかったでしょうか。

 

 あと失墜した人間味があまりにも強すぎたし見続けるのもキツイくらいに仕上がっているから、普段からそういう作風を見慣れていないと大変なんですよね。いろんな人が知っているDCなのに万人向けには振っていないから余計になのかなと。

 

 これって言わば生態実験じゃないかなと。アーサーという恋や母以外の愛を知らない人間にそれを追加したらどうなるの?みたいな。しかも普通の人ではなく妄想症を持った殺人犯に対してっていう。

 

 あとはジョーカーという存在自体が大きいのもあるのかなと。

 

 どれくらいの人がこの『ジョーカー』がDCの作品時系列から独立しているのを知っているのかなってのもあるのかなと。

 ジョーカーというキャラクターへの想像があるからこそこの作品とのギャップが広くて感想的に失墜しちゃうところが出てきてしまうんだと思います。これを見ると結局見ている私たちもジョーカーを祀りあげている信者たちと変わらないですね。自分たちが思っているジョーカーをカチッと勝手に嵌めて劇場に行っている面もあるでしょうから。

 

 かなりイレギュラー感があるからこそ評価がされにくい一作になっていたのかもしれません。これは監督がそういう方向に持っていこうとしてたかはわからないですけどね。

 ただ前作は私たちの思うジョーカーになっていってたからより多くの人が思うジョーカー像が引き継がれているのかもしれないです。

 

最後に

 作品の内容としては前作よりわかりやすくなっていました。前作はアーサーの現実と妄想の境目が最後に種明かしされていましたが、今作は最初の看守の傘とかミュージカルとか妄想部分が明確に分かっていたのでね。

 

 今作はもはやジョーカーという病を解剖するような一作だったんじゃないかなと。誰もがどこかには持っているであろう狂気性だったり誰かに抱く偶像だったりを現実に目の前に出して中身を深掘りしていくような感じに思えました。

 

 ただのDC作品キャラではなく“人間”をバーンって出して見ているこっち側も同じ立ち位置にいるような感覚で作品に参加できる面白さもあるかもしれません。

 

 私たちが夢に見たヒーローになるのではなく、現実でも起きているリアルな立ち位置をスクリーンの中に作り上げられていたんじゃないかなって。

 だからこそリーが恋していたのはあくまでジョーカーであってアーサーは好きではないんですよ。だから徐々にジョーカーみたいなメイクはしていくんだけどアーサーの要素は何もないと。

 

 製作側としてはみんなが持っているであろうジョーカー像を壊したから「どうだ!こうなると思ったか!」みたいな感覚があるかもしれないですがどう映るかがかなり割れちゃう作品になってましたね。

 

 なのでめちゃくちゃをするジョーカーを思っている人はその考えは捨てて前作をおさらいして行ったほうがいいと思います。前作から引っ張っている部分も多いので覚えていないとよりわからないかもしれないです。

 

 あと初っ端のWBアニメの始まり方好きですね。子供の時友達の家でやってたカートゥーンネットワークで見てましたが懐かしい( ^ω^ )

 ただ前作のダイジェストをあれにしたのはなんでだったんだろう?なかなかない構成ですが意図はよくわからなかったですw

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆☆★4/5