人間の五感の一つである“目”。物の形や色を判別したり危険を予め察知して未然に防いだりすることができます。日本でも「目は口ほどに物を言う」なんて言葉があるくらい物事を語りかけてくるんですね。
私も地元の近所に白い杖のおじさんが住んでいたんですが眼が見えないぶんほかの感覚が研ぎ澄まされているのを実感しましたね。見えているかのように障害物を避けたりすれ違う人に挨拶したりするんで一度聞いてみたら「私は完全に見えていない(全盲)けどそのぶん音や肌で感じるんです」とのこと。
今作は視力を失った女性と夢を失った男性のお話。あまりこの手の純愛映画は見ないのですが予告に惹かれて見てみようと決意。なんか1人で見るのに抵抗あるんですよね( ´Д`)ww結構映画見るのにジャンルによっては慣れないんですよ、なぜか…。
作品情報
韓国映画「ただ君だけ」を日本版にリメイクした今作。「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」など数々の恋愛映画を手掛けてきた三木孝浩監督の最新作!翌年2021年には「夏への扉」の公開も控えている。
私自身は映画よりもMVのイメージが強い監督さんで今までの過去作はあまり見たことはないですね…。「フォルトゥナの瞳」くらいかな?「思い、思われ、ふり、ふられ」は悩んで悩んで見なかったんですよねww
韓国の恋愛映画ってうまい作りしてると思うんですよ!男性はそんなですけど女性にめちゃくちゃ刺さる作品いっぱい出してますよね。私の母親もいっとき韓国ドラマにハマっていたんでその力は目の当たりにしてきました笑
キャスト<役名>
吉高由里子<柏木明香里>
大学で彫刻を専攻していたが、自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身もほとんどの視力を失ってしまっている。
今は電話対応のカスタマーセンターで働き、明るく元気に振る舞っているが…。ビル管理人のお爺さんと一緒に連続TVドラマの「 LAST LOVE」を見るのが毎週の楽しみ。(公式HP)
主な出演作
・「GANTZ」(11)
・「ロボジー」(12)
・「真夏の方程式」(13)など
横浜流星<篠崎塁>
幼い頃に母を亡くし、修道院の児童養護施設で育つ。一度はキックボクサーとして将来を有望視されるが、ある事件を起こし、懲役3年5ヶ月の刑に。出所後は、配達や管理人のアルバイトでその日暮らしをしている。(公式HP)
主な出演作
・「オオカミ少女と黒王子」(16)
・「虹色デイズ」(18)
・「チア男子」(19)など
やべきょうすけ<原田陣>
塁のキックボクシングコーチ。今も昔も温かく塁を受け入れる兄貴分。(公式HP)
主な出演作
・「クローズZERO」(07)
・闇金ウシジマくん」(12(
・「銀魂」(17)など
野間口徹<尾崎隆文>
明香里の働くカスタマーセンターの上司。明香里に気がある。(公式HP)
主な出演作
・「それでもボクはやってない」(07)
・「シン・ゴジラ」(16)
・「響-HIBIKI-」(18)など
そのほかの出演者
奥野瑛太<久慈充> 半グレ集団「ウロボロス」のメンバー。
般若<金井> 塁が出場するキックボクシングの賭博試合に賭ける。
坂ノ上茜<津ノ森恵子> 明香里が店長と務めるインテリアショップの店員。
田山涼成<大内会長> 塁が所属していたけどキックボクシングジムの会長。
岡田義徳<坂本晋> 半グレ集団「ウロボロス」に借金があり、詐欺行為を強要されている。
森矢カンナ<麻衣子> 連続TVドラマ「LAST LOVE」のヒロイン。
町田啓太<佐久間恭介> 半グレ集団「ウロボロス」のリーダー。
風吹ジュン<大浦美恵子> 児童養護施設のシスター。
あらすじ
視力を失くした女と、罪を犯し夢を失った男。暗闇で生きてきた2人が初めて見つけた、ささやかな幸せ。だが、あまりに過酷な運命が彼らをのみこんでいくーー。
目が不自由だが明るく愛くるしい明香里と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた塁。小さな勘違いから出会った2人は惹かれあい、ささやかながらも掛け替えのないしあわせを手にしたーー蚊に見えた。
ある日、明香里は、誰にも言わずにいた秘密を塁に明かす。彼女は自らが運転していた車の事故で両親を亡くし、自身も視力を失っていたのだ。以来、ずっと自分を責めてきたと言う明香里。
だが、彼女の告白を聞いた塁は、彼だけが知るあまりに残酷な運命の因果に気付いてしまっていたーー。 (公式HP)
【公式】『きみの瞳が問いかけている』吉高由里子×横浜流星 恋愛映画史を涙で塗り替える、最高純度のラブストーリー/10/23(金)/本予告
感想
相手を思っているほど明るい現在とつらい過去が胸に刺さる。違いが救い合うことで生まれた愛の行方は…?!
あらすじまとめ※ネタバレ注意
周りと比べて明るいとは言えない口数の少ない塁。左手には円形のタトゥーが消された後が残り、背中からは暗く生気のないオーラがドンヨリ纏わりついているよう。酒の配達をしていた塁は住み込みの駐車場管理のバイトにつく。
以前の担当していたおじいさんが失踪したことで募集していたことで仕事をすることになった塁はテレビを見て時間を潰していると睡魔が……。
すると突然一人の女性が。彼女はおじいさんを相手にしているものだと思ってカバンからミカンやら手作りのいなり寿司やらを取り出して渡してくる。彼女が盲目なことに気づいた塁が声をかけると人違いに気が付き帰ろうとするが外は大雨。
そんな彼女を見て一緒にいつも見ていたと言うドラマを見ることに。初めて会って会話も進まないまま1日が終わり、外の水道で体を洗った塁は彼女のいなり寿司をパクり( ^ω^ )ウマイ
次の週、ドラマを見にきた彼女に「窓開けてもらってもいいですか?」「運動でもされたんですか?」と聞かれた塁。ボロボロになった靴から出していた足はろくに風呂に入ってなかったため臭いがしていた。気づいた彼は踵を潰して履いていた靴を履きなおす。
汗の匂いなどから塁の年齢を予想し出す明香里。干支を聞いて年齢を当てようとするが全く違う。けれども言葉足らずな塁は否定するタイミングを逃してしまい「おじさん」として接していくことになる。
彼女がドラマの俳優が来ている服を聞いたつもりが塁は自身の服について答える勘違い。たわいも無い楽しい時間が過ぎ塁の心境に少し変化が…。
帰ろうとする明香里にいなり寿司のお礼の桃を渡す。「ちゃんと洗った?」と問いかけた彼女に足のことかと思った塁は「洗った」と返す。すると彼女は「洗ったらすぐ食べないと傷んでしまう」といいこれまた勘違い。なぜか彼女の問いを間違えてしまう。
少し時間が経ちとあるボクシングジムに足をはこんだ塁。キックボクシングを教えてもらっていたが何も言わずいなくなったことを謝りに訪れた。栄養ドリンクを手土産に会長とコーチに謝罪するが会長は「どの面下げて!!」と激怒し部屋を出る。それに対して久々に顔を見れたことに喜ぶコーチの原田。
ジムにいる後輩達に塁を紹介しようとした原田だが「謝りに来ただけだから」と止める塁。そこへグローブを差し出した会長が「まだ間に合うか見てやる」と言うがグローブを渡し返しジムを去る。
いつものように彼女がドラマを見にくるのを待つ塁。彼女は目が見えない分嗅覚や触覚が秀でているのが気になった彼は目を閉じて彼女が近づいてくる感覚を感じる。彼女が近づいたことを感じた塁だが匂いで靴を変えたことを当てられさらに驚かされる。
いつものようにドラマが終わり帰ろうとした矢先駐車場に勢いよく入ってきた車のせいで転倒して足を怪我してしまう。「大丈夫」と言うが立とうとすると歩くのも大変そう。「病院に行こう」と彼女を連れて行き、帰りのバスへ乗る。
バスの中で「名前は?」と聞かれるが周りを気にして答えようとしない塁。「私は誰にお礼をすればいいの?」と聞き名前を聞こうとする明香里だが結局教えてもらえず。
歩きにくく途中で休憩する彼女を見て「乗って」とおんぶしようとする塁。「後悔するよ…」と止めるが「大丈夫」と言って彼女をおんぶする。道を教えてもらいながら進んでいくと終わりの見えない長い階段が目の前に。後悔するのは彼女の体重ではなくこの階段だったのだ。また勘違い。
体を鍛えていることで意地になった塁は家まで送り届けるが息が上がって肩で息をするほど。そんな彼にダメおしの頼み事をする明香里。何かと思ったら排水溝に詰まっているものを取って欲しいとのこと。
頼みを聞いてくれたお礼にコンサートのチケットを渡されたが一緒に行くような相手がいない塁は明香里と一緒に行くことに。
シーンは変わってジムの原田と会長と塁はある居酒屋へ。誰も話そうとしない重たい空気を和ませようとする原田。「一つだけ聞きたい。今までどこにいた?」と聞かれた塁だが口を開こうとしないので帰ろうとする会長。
すると今まで重たかった口をようやく開き話し始めた塁。「3年5ヶ月の刑期で刑務所にいた」と語り始める。半グレ組織「ウロボロス」の用心棒や地下格闘技の選手をしていたが警察に捕まってしまったとのこと。景気は終えたが自身の罪を償えていないと思っている塁はこのせいでリングにたとうとはしなかったのだ……。
とこれが前半(だいたい)部分のお話です。この先の2人の進展などはぜひ劇場で!!
メイン2人の演技
今回の主役である2人でしたがとてもいい演技でした!!特に吉高由里子の彼女っぷりは可愛かったですね。目が見えなくなったことや自分の運転で親を亡くしたことなど不幸が重なったにもかかわらず明るく生きようとする姿や、“目が見えない”姿の出し方がめちゃくちゃうまかったです( ´ ▽ ` )
本当は見えているんだけどそれを演技で見えていないようにするのって難しいんですよね。どうしても視線が動いてしまって観客に思わせやすいんですがあの演技力は良かったと思います。手術した後のスイッチの切り替わりなんかも凄くて彼女のいつも通りの演技が戻ったのを感じましたね!
横浜流星のキックボクサーとしての体も作られていて細いけどちゃんとついている体になっていました。見るからにガタイがいいわけではなくでているところとないところがくっきりわかる感じですね。いわゆる細マッチョ。
口数が少ないので仕草や動きで語らないといけない分難しいのかな?それとも演技力をカバーするためのキャラクター?と考えていました。彼の出ているドラマとか見ていないもので…( ;∀;)
しかし見終わって思ったのは「語らない分行動で示す」でしたね。一つ一つが細かくて手の甲のタトゥー跡を隠した時なんか「あ〜〜〜〜」って思っちゃいましたww
最後に
最後になりますが演者だけでなく小道具の使い方がうまくて随所に出てきて伏線を回収していきます。犬、オルゴール、花など2人にとって思い出のもので思い出したり気がついたり。くさいというかベタな展開ですけどこれがいいんですよね( ̄▽ ̄)
無駄な説明のナレーションとかもなく過ぎていくけど分かりにくいところはないし、終わり方も違和感のない終わり方で良かった!!
ただ終盤の話は人によっては締まりが悪いかもしれませんね。前半でガッと良いつかみだったのになぁって物足りなさが残ってしまいそうだったのがもったいないかな…。
っというわけでまた次回で