ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『百花』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 人は“何”で出来ている。

 人間って生まれて死ぬまでにいろんな経験をして学んでいくわけですが、案外知らないのが自分の家族について。

 多くの人が両親と一緒に生活をおくり大学進学や社会人になったのを機に離れますが、自分の親のことって割とわからないことがいっぱいあるんですよ(・Д・)私自身、親の過去について知らないし聞く機会自体がまぁなかったわけです。

 

 今作は親元を離れ働く息子が母の病気をきっかけに再び向き合うことで母を知る物語なんですが、あらすじ聞くだけでも自分にも起こりうることなんじゃないかと思っています。

 

 我々人類は医療が発達して「人生100年時代」と言われるくらいに発達していますが、その技術を持ってしても根本的な原因がわかっていないのが「アルツハイマー型認知症」。

 歳をとれば病気になるリスクが高まるのは仕方のないことですが年々認知症患者は増えています。

 

 そうなれば介護が必要になってくるわけで、子供である人がついてあげないといけないわけで…。

 

 しかも原作小説は作者の実体験も含んで書かれているということです。

 ぶっちゃけかなり考えさせられる作品になりそうな予感がしています!(´ω`)

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 2019年に文藝春秋から刊行された『百花』をもとに実写化されており、作者の祖母や認知患者・家族、医療関係者などから聞いた話をもとに書き上げられている(原作小説)。

 

 スペインで開催される第70回サン・セバスティアン国際映画祭に正式出品されることが決まり(2022/9/16〜2022/09/24開催)、映画監督の山田洋次氏、岩井俊二、スタジオジブリの鈴木敏夫氏など多くの著名人がコメントを残している注目作品。

 監督の川村元気は5年前に自身の祖母が認知症であることがわかり、自分自身が忘れてしまっていたことをまた思い出したり新しい気づきを得たりしたそうです。

 

 人間とはなんなのか、なにが“人間”を作るのか…。過去の「事件」をきっかけに溝ができてしまった親子がふたたび向き合い“親と子”としての時間が動き出す。

 

 

あらすじ

母がまた、遠くに行ってしまいそうな気がした。

あの時と、同じようにー

親子とは? 愛とは?人の記憶の正体とは?

記憶という謎に挑み、現代に新たな光を投げかける、感動作が誕生するー

 

 レコード会社に勤務する葛西泉(菅田将暉)と、ピアノ教室を営む母・百合子(原田美枝子)。ふたりは、過去のある「事件」をきっかけに、互いの心の溝を埋められないまま過ごしてきた。

 そんな中、突然、百合子が不可解な言葉を発するようになる。

 

 「半分の花火が見たい・・・」

 

 それは、母が息子を忘れていく日々の始まりだった。

 

 認知症と診断され、次第にピアノも弾けなくなっていく百合子。

 やがて、泉の妻・香織(長澤まさみ)の名前さえ分からなくなってしまう。皮肉なことに、百合子が記憶を失うたびに、泉は母との思い出を蘇らせていく。そして、母子としての時間を取り戻すかのように、泉は母を支えていこうとする。

 

 だがある日、泉は百合子の部屋で一冊の「日記」を見つけてしまう。そこに綴られていたのは、泉が知らなかった母の「秘密」。

 あの「事件」の真相だった。母の記憶が消えゆくなか、泉は封印された記憶に手を伸ばす。

 

 一方、百合子は「半分の花火が見たい…」と繰り返しつぶやくようになる。「半分の花火」とはなにか?ふたりが「半分の花火」を目にして、その「謎」が解けたとき、息子は母の本当の愛を知ることとなる。


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監督情報

 今作の監督は原作『百花』の作者である川村元気氏。今まで数多くの映画作品に携わってきた方で、『電車男』(05)、『悪人』(10)、『モテキ』(11)、『宇宙兄弟』(12)などの企画やプロデューサーを担当。

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 実写だけでなくアニメ作品の脚本なんかも書いていて、『君の名は』(16)、『天気の子』(19)、『バブル』(22)なんかにも参加しています。新海誠監督の作品ではよく名前を見る方ですね。

 

 監督自身、家族が認知症を患った過去があり、「映画を見た人の“自分ごと”にしてくれるような気がする」というほど既視感の強い作品のようです。

 かなりたくさんの映画に触れている方なのとワンシーン・ワンカットの撮影が作品をどう左右させるかも気になる!

 

神曲

神曲

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メインキャスト<俳優名

葛西泉<菅田将暉

 レコード会社に勤務し、香織と社内結婚。まもなく子供が生まれようとしている。そんな日常が一変、認知症と診断され、記憶を失っていく母・百合子を目の当たりにして、封印していたはずの過去の記憶に向き合うことになる。

 

葛西百合子<原田美枝子

 女手一つで育ててきた息子・泉と、とある事件をきっかけにすれ違うようになってしまう。認知症を患い、記憶を失っていくなか、思い出の奥底にある「秘密」に手を伸ばそうとする。

 

葛西香織<長澤まさみ

 泉の妻。泉と同じレコード会社で働いている。泉と百合子の親子の関係性に対して、少し不思議に思っているが・・・。

 

浅葉洋平<永瀬正敏

百合子の「秘密」を知り、「事件」と深い関わりを持つ人物。

 

(引用元:公式HPより)

 

 

感想

母との記憶が景色をトリガーに蘇る姿は私自身が子供時代に戻ったような感覚になる作品でした!親の介護を題材にしているので見る側の年齢層はちょっと高めかな…?!٩( 'ω' )

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

徐々に思い出を忘れていく母と思い出が残り続ける息子

 認知症と診断され今までの記憶が薄れていく母親とある事件をきっかけに溝ができてしまった息子の懐かしくも心苦しい物語。見ているとどこか懐かしく感じる部分があり私自身の将来で同じような事象が起こるんじゃないかと思うくらい既視感が湧く作品となっていました!

 

 作品の内容としては結構生々しく描かれており、母親を演じる原田美枝子さんの演技がすごい!話の途中で記憶が途絶えて全く関係のない会話に切り替わった時はリアルすぎて少し鳥肌が立ってしまうほど( ゚д゚)コケー

 

 私には実際にこういった症状を発症した身内はいないんですが、年齢を重ねる両親と連休などで久しぶりに会うと不安を感じてきてしまう年になりました。

 どこかしら抜けてきているのを感じますし、あと数十年とか経てばその位置に自分が立つんじゃないかと思うことが多々あります。

 

 その現実と奥さんが妊娠して親になる主人公・泉を演じた菅田将暉はすごい演技だと感じましたね!終いには息子に対して「あなた誰?」ってなって、そんな母親と向き合うながら父親として奥さんと子供を守るのはかなり大変なことですよ。

 

 そして母と息子の関係がギクシャクしちゃう「事件」についても出てきますが時代的にわりとあったことなんじゃないかなと思います。あくまでイメージなんで「何かデータとかあるんすか?」とかひろゆきみたいに聞かれたらぐぅの音も出ないんですけど。

 

 しかも子供の時の記憶を振り返るシーンが泉が認知症の母親を探したりするシーンに重なっているんですよね。全部思い出した時には何気ないことにちゃんと意味があって繋がっている。事件があったけど母はちゃんと息子を愛していてちゃんと覚えているんです。

 

 逆に子供の方が曖昧な記憶だったりちょっとだけすり変わったりしてしまって真実とは離れてしまうことも。この作り方はかなりうまいです( ^ω^ ) 正直後半は涙腺が危なかったですね。

 悲しいというよりも「人を人として維持するのが難しい」ことに苦しみを感じて自然と泣きそうになっちゃいました。結局泣きはしなかったんですけどねww

 

 で息子は苦しいわけですよ!母親はさっき起こったこと・見たものを忘れてしまうのに泉は今のことも昔のことも忘れることができないし。

 辛いことも忘れたいのにずっと残って離れない。ついに母親にあたってしまうけど「あなた誰?」って返されて…。こんな残酷なのかと…。

 

 私自身が予想していたよりも内容はかなりヘビーなんですが、動物ビスケットとか見ると似たような記憶が私にもあって映画の内容が他人事では終わらなくなってしまうようで。これはすごい!o(`ω´ )o

 

 

向き合わないといけない世界

 今の日本では65歳以上の約16%(6人に1人くらい)の人が認知症になっている。遷移予想も年々伸びる形になっており現代の「少子高齢化社会」と合わせるとかなり深刻な問題です。

 病気自体の明確な発生条件もわかってはいません(タンパク質の作用などはわかっている)し、飲んだら治る薬もなく運が良ければ数年進行を遅らせるのが限界。

 

 作品はただの映画ですし、原作も小説で実体験を含んでいると言っても想像に限界がある。

 でも多くの人にただの映画と思わずぜひ見てほしい!親子関係の修復をしていくヒューマンドラマなんですが今現実に起きていることをリアルな演技で訴えかけており、見る人に気付きをくれる作品だと感じます。

 

 こういった現実と向き合うのってだいたい手遅れになってからなんですよね…。( ;∀;)全てがフィクションじゃなくて実体験を含んで描かれているから伝わりやすいってのもあるかと思います。

 

最後に

 実は本人が思っているよりも子供の時の記憶って鮮明ではないんですね。やっぱり感じ方が違うから差異が出ちゃうんでしょう。

 みなさんもありませんか?子供の時はめちゃくちゃスケーツがデカいと思っていたことなのに大人になって見てみると思ったよりも小さくて子供の頃の記憶が盛られているってこと。

 

 私は父親に対して同じ現象が起きました。子供の頃は肩車とかしてくれて「力強っ!!」って思ったり「背デカっ!!」って思っていたけど大人になったら自分が追いついていて感じ方が変わったりなんかしてね。

 

 でも不思議なものですね。徐々に忘れていくのに楽しかった思い出は鮮明に覚えている。子供の時の記憶ってそんなものですよね。何故か知らないけどここだけ鮮明に記憶があるってことが。

 

 いやぁ、だいぶ感慨深い……。自分が泉みたいに、百合子みたいになっちゃうのかな。両親には元気に生き続けてほしいものですね。母は偉大!!!

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノ

 評価 ☆☆☆☆★4/5