皆さんは今作のもとになった『幸せなひとりぼっち』という作品をしていますか?2012年に刊行された小説が2015年にスウェーデンで映画化され今回ハリウッドがリメイクをする流れになったわけなんですが、この作品のヒットの仕方が結構すごかったんです!!
同時期に公開された映画であの有名なスター・ウォーズシリーズ(スター・ウォーズ/フォースの覚醒)があったのですがそれを抑えてトップ入り!160万人を超える動員を記録しこの人数は当時のスウェーデン人口の1/5だったんだとか。
しかも興収はスウェーデン史上歴代3位を樹立し、地元の映画賞やアカデミー賞にもノミネートされたりしました。
正直私は見たことはなかったんですがタイトルは知っていました。だけど蓋を開けてみたらこんなにすごい映画とは知らなくてビックリしてますw( ´∀`)
そんな注目作がハリウッドの重鎮であるトム・ハンクスの主演でリメイクされるということで「これは見るしかない!」と思い筆を進めております!
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
2012年に刊行されたフレドリック・バックマンの小説「幸せなひとりぼっち」が原作となっている。この小説を原案にした映画『幸せなひとりぼっち』が2015年に公開され今作はそのハリウッドリメイク版となります。
2015年に公開された映画は日本でも公開されましたがスウェーデンでヒットを記録し、同時期公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を抑えトップに。観客動員数は国民の1/5にあたる160万人以上を記録、口コミも5ヶ月を超える超ロングラン。
興行収入は国内史上3番目を樹立し、スウェーデンの映画賞であるゴールデン・ビートル賞で主演男優賞を受賞。第89回アカデミー賞では受賞はならなかったものの外国語映画賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされました。
今回は主役オットーをトム・ハンクスが演じ、監督には大人版プーさんこと『プーと大人になった僕』を製作したマーク・フォスターが監督を務めます。
最愛の妻を亡くし心に大きな穴が空いてしまった老人・オットーとその周りに住む住人たちが繰り広げる物語はハリウッドの力でどのように生まれ変わるのでしょうか!?
あらすじ
オットー・アンダーソン。町内イチの嫌われ者で、いつもご機嫌斜め。曲がったことが大っ嫌いで、近所を毎日パトロール。ゴミの出し方、駐車の仕方、ルールを守らない人には説教三昧、挨拶をされても仏頂面、野良猫には八つ当たり、なんとも面倒で近寄りがたい…。
そんな彼が人知れず抱えていた孤独。最愛の妻に先立たれ、仕事もなくしたオットーは、自らの人生にピリオドを打とうとするが、向かいの家に引っ越してきた家族にタイミング悪く邪魔をされる。
それも、一度だけでなく二度も、三度も。“世間知らずだが、とにかく陽気で人懐っこく、超お節介なメキシコ出身の奥さんマリソルは、オットーとはまるで真逆な性格。突然訪ねてきては手料理を押し付けてきたり、小さい娘たちの子守や苦手な運転をオットーに平気で頼んできたりする。
この迷惑一家の出現により “自ら人生を諦めようとしていた男”の人生は変化していく──。
監督情報
今作の監督はマーク・フォスター。
ドイツ出身の映画監督で20歳の時にアメリカへ渡り大学で映像制作について学びます。1995年には$10,000という低予算の映画『Loungers』を製作しSlamdance File Festivalで受賞。
2000年にはアメリカで開催される映画祭サンダンス映画祭で映画『Everything Put Together』がノミネートされました。
※サンダンス映画祭は1週間を超える期間に200本くらいの長・短映画が上映される大きなイベントで日本のNHKがスポンサーしているくらいの規模感です。
2008年に人気シリーズ『007』の1作である『007 慰めの報酬』を製作、近年では『プーと大人になった僕』(2018)で大人気キャラクター「プーさん」と大人になったクリストファーロビンの物語を描き話題を呼びました。
ゴールデン・グローブ賞などの監督賞にもノミネートされている方が今回はどんな物語を描くのでしょうか!?
キャスト<役名>
トム・ハンクス<オットー>
1956年7月9日、アメリカ/カリフォルニア州生まれ。高校時代に演劇に興味をもち、舞台「じゃじゃ馬ならし」でプロの俳優としてデビュー。映画初出演は『血ぬられた花嫁』(1979)。「サタデー・ナイト・ライブ」や、ロン・ハワード監督に主役に抜擢された『スプラッシュ』(1984)でスターとなる。その後、『ビッグ』(1988)、『プリティ・リーグ』(1992)、『めぐり逢えたら』(1993)などに出演し、『フィラデルフィア』(1993)、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)で2年連続のアカデミー賞主演男優賞に輝く。
自ら監督した作品は『すべてをあなたに』(1996)と『幸せの教室』(2011)。プロデューサーとしても精力的で、スティーヴン・スピルバーグとともに製作総指揮を務めたTVミニシリーズの「バンド・オブ・ブラザース」(01)はゴールデングローブ賞を受賞。妻のリタ・ウィルソンと製作した『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』(2002)も大ヒットした。
リアナ・トレビーニョ<マリソル>
1977年11月21日、メキシコ/モンテレイ 生まれ。メキシコで最も人気のあるコメディ女優の一人。
エウヘニオ・デルベス&アンナ・ファリス主演の映画『オーバーボード』(2018)に出演、“Polvo” (2019)では、メキシコのアカデミー賞ともいえるアリエル賞の主演女優賞にノミネートされた。コメディとドラマを自在にこなすその才能はハリウッドでも注目されている。
ヌエル・ガルシア・ルルフォ<トミー>
1981年2月25日、メキシコ/ハリスコ州グアダラハラ生まれ。いくつかのスペイン語作品に出演した後、ジェニファー・アニストン主演の“Cake”(2014)の好演によってハリウッドでのチャンスをつかむ。
映画『マグニフィセント・セブン』(2016)、『オリエント急行殺人事件』(2017)、『6アンダーグラウンド』(2019)、『死霊船 メアリー号の呪い』(2019)などに出演。2022年、トム・ハンクスが主演・脚本を務めた戦争ドラマ『グレイハウンド』でロペス役を演じた。
レイチェル・ケラー<ソーニャ>
1992年12月25日、アメリカ/ミネソタ州セント・ポール生まれ。カーネギーメロン大学を卒業し、現在ロサンゼルスに在住。数々の賞を受賞したTVシリーズ「FARGO/ファーゴ」のシーズン2(2015)のシモーヌ・ゲルハート役でブレイク。
これをきっかけに、『X-MEN』のスピンオフであるTVドラマシリーズ「レギオン」の3シーズン(2017-19)でダン・スティーヴンスの相手役シドニー・“シド”・バレットとして出演。現在は日本を舞台にしたHBOマックスのシリーズ「Tokyo Vice」でヒロインのサマンサを演じ、アンセル・エルゴートらと共演している。
トルーマン・ハンクス<若き日のオットー>
1995年12月26日、アメリカ/カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。トム・ハンクスを父に、リタ・ウィルソンを母に持つ。
父トム・ハンクスの主演した『この茫漠たる荒野で』(2020)に小さな役で顔出ししたことはあるが、本作『オットーという男』が俳優デビューとなる。トムの息子たちの中で、若い頃のトムに顔が似ており年齢もぴったりだったことから今回の抜擢となった。
※引用元:公式HPより
感想
家族を亡くし周りへのあたりが強い老人が人の温もりをあらためて知り人生の素晴らしさを見つける物語。孤独が悲しいことはわかっちゃいるけどそれを自分で打ち破れるかっていったらそうとは限らないんだよなぁ…( ;∀;)
THE堅物人間
“ルール”を守らず乱す住民を「馬鹿者」と思い自分が住んでいる地域を見守る老人・オットーが引っ越してきたお向かいの夫婦と交流を深め自身の人生を振り返り今後を見つめ直すストーリーは、奥底は優しいオットーの悲しい過去をメキシコ人のマリソルが優しさで彼を救う素敵な物語でした。
残念ながらリメイクされる前の前作は鑑賞したことがないため比較的なことはできないんですが、作品全体としてはオットーの過去についての回想はしつこさとかは感じなかったですし「多いなぁ」って印象は受けませんでした。
奥さんが亡くなりその後を追おうとしていろんな方法で自殺しようとするんですが、その度に回想が流れます。いわゆる走馬灯ってヤツですよね。
それは自殺のシーンで毎回流れるんですが全部内容が異なっていて被っているのは家の中とかくらいかな。
おんなじシーンが使われていないし長くない時間で切られているんで飽きみたいなのは来なかったですね。2人の出会いや大学を卒業しプロポーズした時、引っ越して近所の友達ができた時など違うシーンがいい感じで映されます。 前作内でどうなっているかは分かりませんが、ここは私的に評価高かったですね!
こういう作品って何回も同じような回想が流れて「またかよ…」みたいな気持ちになっちゃったら評価へのダメージでかいですからね。
そして何を話しても無愛想なオットーを演じたトム・ハンクスのハマり具合が良かった。彼の息子も若い時のオットー役として出ていますがやっぱトム・ハンクスはすごいですね!
常に怒った表情で演じるのも大変ですし奥さんと過ごした時間に固執しているのが強く伝わってきます。
ところどころひどいことをしていますが中身を知ればそうなるわなって人がオットーなわけです。徐々に過去について解放されていきますがその設定もちゃんと意味を持たせているんです。
特にあの25セント硬貨はいい設定だったと思いますね。ピエロの手品で違う硬貨を返された事に腹をたてて殴ってしまうわけですが、この銀貨について知っている我々は気持ちがわかるんですが彼の周りの人間はわからないわけです。
そんな「実はいい人なんだけどなぁ」みたいなのが出てきて最後はちゃんと人のために動くことができるってのも見ていて没入しやすかったですね。
あと笑えるジョークなんかも盛り込まれているので作風とのギャップがあって良かったと感じます。オットーの持病も笑いになるような展開が用意されているからちょいちょい笑っちゃいましたね。
徐々に笑えるような崩れ方をしているのも魅力の一つですね!(゚∀゚)
最後は泣けちゃう(;ω;)
ちょっとくらいいいじゃんって思うくらいルールを守る人間だから周りも必要以上に関係を持とうとしない。それが向かいの夫婦と知り合ったきっかけで変わっていくのは予告を見てわかってはいましたがまさかオットーがね…。
見る前は知りませんでしたが軍に入るための検査で狭心症だと診断を受けたのを見て予想はしちゃいましたが、まぁ泣かんだろうと思っていました。最初はね。
だけど最後は目が熱くなってしまいました。周りからも鼻を啜る音が聞こえてきてみんな泣いてるやんって。
多分作品の内容を小説とかで知らない人は死ぬなんて考えてない人多いと思うんですよ。性格良くなっていろんな人と仲良くなるんだろうなって。途中で退職するところも出てくるからめちゃくちゃ年取っているわけでもないと思うしね。
しかも死のうとしてソーニャに生きてって言われたら“めっちゃ長生きしましたよ”って展開になるとか思うじゃないですか!?
だけど思っていたよりも時間は少なくてあんな形で亡くなってしまうとは…。狭心症って病気を少しでも知ってましたがそれでも残されていたのが短かったですね。マリソルに手紙を書いていたときは「もうそろそろなのか…」って普通に悲しくなっちゃいましたもん。
そう思っちゃうくらい彼に魅了されていたんだと最後に気付きました。それプラス歳重ねて涙腺バグってるってのもありますけどねww
最後に
人によっては物足りなさを感じてしまうかもしれないとも思いました。というのも回想シーンが深掘りされていないので馴れ初めなんかがちょっと霞んでしまうかなって。
ホームで落とした本をきっかけに出会うなんてロマンティックじゃないですか!だけどその後についてそんなに映されないし、何よりトムの息子・トルーマンの表情が変化しないんですよ。
そこはもったいなかったかな…。プロポーズのシーンは口元抑えたりしてそこまで変化の無さを感じなかったですが電車内とかはまぁ残念かな(´ω`) お芝居初挑戦らしいですが親のこともあるし勉強はしていると思うんですけどね。
だけど全体としては泣けるし笑えるシーンもあるしいい作品に仕上がっているんじゃないかなと思います!これだけじゃなくて前作もちゃんと見てみようかな。ハリウッドリメイクとの違いを見るのも一つの楽しみ方でもありますからね!!
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ
評価 ☆☆☆★★3/5