ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『母性』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 母と娘の抱える“秘密”とは…

 

 「母性」、それは女性が持っていると言われている母親としての性質。出産と育児を経て芽生えるとされています。

 

 みなさんも聞いてなんとなくのイメージはできるんじゃないでしょうか?お母さんの暖かさとか優しさ的なものなのはわかるかと思います。

 私は子供を授かっていないのでそういった感情は持ち合わせていませんが世間ではこの「母性」に対して悩んでいる人もいるのだとか…。

 

 今作はその母性をテーマに描かれる作品となっています。2010年に公開された映画『告白』の原作者である湊かなえ先生の小説が原作となっています。

 

 『告白』は学校でのイジメや家庭内暴力などの過激な表現があり、映倫区分がR15+となっていましたが今回は全年齢対象の“G”となっています。

 原作小説は累計発行部数が100万部を突破している大ヒット作で衝撃的問題作と言われているほど!本当に全年齢対象の作品なのか?!と思っていますがその真相やいかに!?

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 小説家・湊かなえの作品をもとに製作された今作。

 

 ある日起きた女子高生の死亡事件をきっかけに展開される物語で、母親の手記と娘(女子高生)の回想からことの真相を紐解いていく。母と娘、それぞれの主張が交差する中で判明した真実は衝撃的なものだった!というお話です。

 

 原作小説は累計発行部数100万部を突破しており2013年の第26回山本周五郎賞の候補になりました。過去(2010年)にも湊先生の小説を原作とした『告白』が公開されており興収は38億を超えるヒット作品となりました。

 

 出版する小説でさまざまな賞を獲得してきており、かなりの実力を持った小説家さんです。デビューして1年後に『告白』出していますからね!めちゃくちゃすごいなぁ( ^∀^)

 

 監督も俳優も有名どころが集まっていますから作品の仕上がりにも期待大です!でもちょっと気になるのは、母・戸田恵梨香、娘・永野芽郁という年齢差。ここがどのように映るかですよね…

 

 

あらすじ

 女子高生が遺体で発見された。その真相は不明。事件はなぜ起きたのか?普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。

 愛せない母と、愛されたい娘。同じ時、同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく……

 

 母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」ー

 

 2つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。

 

 母性に狂わされたのは母か?娘か?

 

※引用元:公式HPより


www.youtube.com

 

 

監督情報

 今作の監督は『ヴァイブレータ』(03)、『余命1ヶ月の花嫁』(09)、『ストロボ・エッジ』(15)などを手がけた廣木隆一監督。

 

 恋愛映画の名手と呼ばれるほどの方でテレビドラマにも携わっているほど。年齢問わず作品のどれかは知っている方がいると思います。少女漫画の実写映画化なんかもやっていましたからね。そりゃぁ胸キュンキュンさせる作品もいっぱいありますよ(゚∀゚)

 

 特に2022年入ってからは作品が連続で出ていて『ノイズ』(1/28公開)、『夕方のおともだち』(2/4公開)、『あちらにいる鬼』(11/11公開)、『母性』(11/23公開)と4本も出ているんですよww

 しかも12月初めには大泉洋、柴咲コウ、有村架純、目黒蓮らが出演している映画『月の満ち欠け』(12/2)も公開されます。

 

 私的には今作と『月の満ち欠け』はかなり注目している作品なので絶対見ます!『あちらにいる鬼』は『ブラックパンサー』優先で鑑賞しませんでしたw

 

 そんな超有名監督が手がける今作はどんな仕上がりになっているのか?!

ヴァイブレータ

ヴァイブレータ

  • 寺島しのぶ
Amazon

 

 

キャラクター<俳優名

母・ルミ子<戸田恵梨香

 誰よりも自分の母を愛しており、母に喜んでもらい褒めてもらえることが幸せ。いつまでも娘の立場でありたい。

 

娘・清佳<永野芽郁

 母の愛情が自分に向いていないことを感じており、母からの愛を求め愛されたいと願う。

 

ルミ子の実母<大地真央

 娘のルミ子や孫の清佳に対して、無償の愛を注ぐ。

 

ルミ子の夫<三浦誠己

 ルミ子の夫で清佳の父親。ルミ子とは市民文化センターの絵画教室で知り合った。

 

ルミ子の義母<高畑淳子

 田所の母親。ルミ子に対してつらく当たる一方で、自分の子どもたちには過保護に接する。

 

佐々木仁美<中村ゆり

 ルミ子と同じ絵画教室の受講生で、田所の同級生。田所と結婚する意思のあるルミ子に忠告する。

 

ルミ子の義妹<山下リオ

 田所の妹。大阪の大学を卒業後、実家に戻ってくる。

 

※引用元:wikiより

 

 

 

感想

 ただ見てほしい。ただ愛してほしい。純粋な気持ちが娘から母への成長を阻んだ物語。見えているものがこんなにも違う!!( ゚д゚)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトルそのままの映画作品

 女子高生が死亡した事件の記事から過去の回想が始まる今作。母親と娘の視点で起きた出来事を辿っていくが、それぞれでセリフが一緒でも見え方が180度違うものに。保育園に通う年頃の娘はどこかしらで母親が自分に向けている感情に気付き顔色を伺うように。

 

 そんな暗めの物語なんですが、回想内の食い違い自体はストーリーの一部でしかなくて2人が今まで抱えていたものを破るのがメイン(どっちかというと母)。

 

 物語を見ていて思いましたがルミ子が母親から受けていた愛情がそもそもどうなんだ?!って感じました。我が子に対して優しくするのはわかりますがそれが甘えになって、ルミ子は基本的に母なしでは生活していけないようになっちゃってるんですよね。

 

 愛が無償だからこそ子としては自分だけに向けてほしいと思っちゃいますよね。大人になったルミ子しか出ていないのですが24歳で母親にいい子いい子されているのは見ていて「やばっ(・Д・)」って思っちゃうし、回想時の心境とかを語ってくるんですがそれが全部母に向けたもの。

 母親と何でもかんでも一緒がいい。私が母と同じ感情にならないことなどあり得ないとか言っているからこの時点でもうやばいですよねww

 

 何をするにしても母を喜ばせるが先行しているので清佳の礼儀作法とかも結局はルミ子の母を喜ばせるがためなんですよね。

 

 ルミ子と実母が話している姿は幼児が親に楽しかった出来事を話しているかのような光景で清佳自身もそんな会話をしたいんだけどルミ子はそれを望んでいないんですよ。

 自分自身が出産して母親になっても彼女の中で最も大切なのは実母で清佳は二の次。高校で起きたことを話しても「あっち行って」ですからね( ゚д゚)マジで可愛そう

 

 

こんなにも見え方が違う

 そもそもこの作品って死んじゃった女子高生が他殺か自殺かを回想で追っていくものだとばっかり思っていたんですよ。

 そしたら「そういう経験を経て今生きているんです」っていう娘の昔話だったんですよw ここで「まさかそっちだとわ」って勝手にびっくりしてました( ´∀`)

 

ルミ子の証言

 市民センターで行われている絵画教室で田所と出会いのちに結婚。実母に料理を教えてもらって品数を増やしたり、髪型を変えてみても彼からは何の感想も出てこない。不満を感じてはいたが母が家に来て一緒に過ごす日々があるおかげで満たされていた。

 

 やがてルミ子は妊娠し清佳を出産。実母は新しい命の誕生に喜びを示す。

 

 清佳に礼儀作法や相手が何を求めているのかを考えるようにとしつけ、母だけでなく義母からも「さすが田所家の子だ」と褒められる。ここで努力を認められ自身の行いが正しいことだと実感する。

 

 清佳は実母が作った刺繍入りの手提げをもらい喜ぶ。「次はキティちゃんのがいい」と約束をしたがルミ子は自分の好きな母の手作りを拒んだと思い、ショックで弁当箱を落としてしまう。

 清佳と一緒に弁当の中身を拾いながら「小鳥のデザインの方がいいんじゃないか?」と清佳に優しく提案をする。

 

 ある日、台風の接近で天気は大荒れ。夫は夜勤の仕事で家には不在。実母と清佳は同じ布団で眠りにつき、ルミ子は夫婦の寝室で寝ていた。落雷の影響で外の木が折れ母と清佳の部屋に倒れてきた。

 

 大きな音に目を覚ましたルミ子は母と清佳の部屋へ。ドアを開けようとすると家具などでドアが少ししか開かず2人は下敷きになってしまっている。

 

 ルミ子はまず母の手を取り助けようとする。母は「私ではなく娘を助けなさい!」と揉める。ルミ子の背後では倒木の影響で起きた火災が迫る。

 

 ルミ子は娘を抱えて家から脱出。家はすでに炎に包まれてしまい助けに戻ることはできない。実母はそのまま帰らぬ人となってしまった。

 

 家を失ったルミ子たちは田所家で暮らすことに。

 

 義母はルミ子が作った料理にいちゃもんをつけたりと何かあるごとに罵声を浴びせて使用人のようにこき使う。

 でもルミ子は義母に認めてもらえるように家事だけでなく農作業も必死でこなし日々を過ごしていたーー。

 

 

清佳の証言

 幼少期は母に「祖母に気に入られるように考え行動しろ」と言われ育つ。祖母が来るときは体調の心配などを気にかけながら話をしろとルミ子に言われるがいつもルミ子が1人で話をしていた。

 

 ルミ子が祖母と話をしているような風景を夢見ていた清佳だが、ルミ子に育てられていく中で「大人の顔色を伺う子供」になっていった。

 

 祖母が手作りした手提げをもらい今度はキティちゃんのがほしいと頼み約束をする。ゆびきりげんまんをしている際、ふと母・ルミ子の方を見ると手に持っていた弁当箱を床に故意に落とした。

 

 中身が散らばったので一緒に拾っていると「小鳥のデザインの方がいいんじゃないか?」と提案されたがキティちゃんがほしい清佳は「でも」と口に出す。

 するとルミ子は眉を顰め「でも?!」と少し高圧的に聞き返してきた。清佳は母の気を損ねてはいけないと祖母に小鳥の刺繍のがほしいと約束し直した。

 

 台風の夜、雷が怖くて祖母と一緒の布団で寝ることに。寝ていると雷の影響で木が倒れ、祖母と共に下敷きに。ルミ子が助けに来て祖母と会話をしているがよく聞こえず気を失ってしまう。

 

 家を無くした後父の実家で過ごすことに。高校生になった清佳は義母に罵声を浴びせられる母を不憫に思い反論する。

 清佳の優しさに反し、ルミ子は「祖母に気に入られるようなことをしろ。なぜあんなことを…」と責められた。

 

 清佳は母が自分に対して愛情を持ってくれないことに悩んでいた。亡くなった祖母の無常の愛を受けたことでより実の母から愛されていないことが苦しかった。

 

 ある日、叔母の律子(父の妹)が家に男性を連れてくる。律子の恋人は借金をしており返済できないと結婚できないと言われており田所家で話し合いをしたが、義母が反対。父も「金目当てだ」と反対の意思を持っていたがルミ子と清佳は律子を不憫に思っていた。

 

 義母は清佳に「律子が逃げないよう部屋を見張っていろ」と指示したが彼女に同情し外に出してしまう。

 律子はそのまま帰ってくることはなく、義母は悲しみのあまり食事も取らず1日中泣き続けるほど。

 

 義母の指示に反し機嫌を損ねてしまったことに対してルミ子は清佳に怒りをぶつける。父はどの時も我関せずで何も言わない。

 

 ってのが双方のざっくりとした回想です。

 

 

最後

 この『母性』って作品はすごいですね…! 誰もが持っている感情をかなり鋭利に切り込んできていてナイフみたいです。

 しかも終わり方的に「あなたはどうですか?!」って語りかけてきてる感じになっているんですよね。

 

 ルミ子自身も最後には過ちに気づいて清佳とちゃんと向き合うことができるようになったわけで、これから親になる清佳はどうなるのかっていうね。

 

 あと実母はルミ子が母親になることができていないことがわかったまでは良かったですがまさか自殺しちゃうとはね…。 火事になっているのも気づいて早く清佳を助けたい。だけどルミ子は私を優先するからとその場で死ぬことを選ぶんですよね( ゚д゚)

 

 この思想は全年齢対象なのか!?映倫さん本当ですか!?

 

 この裏側までわかるとほんと「母性」って感情は面白いなって思いますよね。

 生まれてある程度成長すれば大体の感情は芽生えるのに、母性は大人になって出産・子育てを経て初めて芽生える感情っていうね。

 

 私も子供を育てることになったら芽生えてくるんでしょうかね…?

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノ

 評価 ☆☆☆★★3/5