ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『ファミリア』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ

 

 現代の日本で働いている外国籍の方ってたくさんいらっしゃいますよね。私も過去、現在と職場に外国出身の方がいらっしゃいますが仲良く仕事をしています。

 ただ私は英語はからっきしなので日本語を話してくれているから疎通が取れている状態。英語の“読み”はそれなりにできるんですが“書き”と“話”はできないので、できる人が羨ましくて仕方ない(´ω`) 今年は英語を中心に勉強しようかなと。

 

 本作は話す言葉も生活してきた環境も違う人たちが「家族」になるまでの生活を描いた物語。ただ日々を過ごすだけでなく問題を抱えたブラシル人青年との出会いで生活が変わっていくのを描いています。

 

 少し過激な内容も含まれているためPG12に指定されている作品ではありますが、ヒューマンドラマ作品としての完成度も高く、多くの著名人のコメントが公式HPで公開されています。

 監督、役者だけでなく音声、美術、編集陣も数々の有名作品の製作に関わっている方ばかりなので期待値が高い作品です!

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 陶芸職人の主人公・神谷誠治と彼の息子・学、在日のブラジル人青年・マルコスの3人を軸に今を生きる人間ドラマ作品。 それぞれの視点から「家族」についてをテーマに描れ、その内容に多くの著名人の方が感想を記載(公式HPにて)。

 

 キャスト、監督だけでなく技術スタッフも有名な方が携わっており、作品全体への力の入れようを感じ慣れる作品ではないでしょうか?!(゚∀゚)

 

 本作のブラジル人青年・マルコスとその恋人・エリカ役はオーディションで選ばれ、マルコス役のサガエルカスさんは本業は格闘家のようです。そもそも演技自体に興味はなかったけどお父さんの勧めで受けてみたとのことです。

 

 作品の中で迫害を受けるシーンがありますが、彼自身学生時代にいじめを受けていて「迫害まではいかないけどいじめを受けていたから経験を活かして演じれた部分もあった」とのこと。

 

 日本は特に日本外への嫌悪が目立つ国かなと感じますし、子供のイジメなんかは今も問題の1つでもあるかな…。

 なので単に日本人とブラジル人にみてほしいとかではなく、国関係なしに若者からお年寄りまでみてほしい作品とのこと。

 

 逆に外国だとアジアンヘイトなんかもありますからそういったことへの関心のきっかけにもなるかなと感じます!

 

 

あらすじ

 陶器職人の神谷誠治は妻を早くに亡くし、山里で独り暮らし。アルジェリアに赴任中の一人息子の学が、難民出身のナディアと結婚し、彼女を連れて一時帰国した。結婚を機に会社を辞め、焼き物を継ぐと宣言した学に反対する誠治。

 

 一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人青年のマルコスは半グレに追われたときに助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つ。そんなある日、アルジェリアに戻った学とナディアを悲劇が襲い……。


www.youtube.com

 

 

監督情報

 本作の監督は成島出監督。

 

 いろんな作品を製作してきた監督さんですが映画に目覚めたのが割と遅めかなという方。高校までほとんど見たことなかった映画を予備校時代に見るようになり魅了されたのだとか。

 

 大学在学中は映研に所属し、学校に行かず自主映画とバイトの日々を過ごしていたのだとか。監督作『みどり女』(86)でぴあフィルムフェスティバルに入選し、映画監督・長谷川和彦のもとで書生のように生活しシナリオ作りを手伝い。

 助監督として参加したのも20代後半からで監督自身も「遅いスタート」とコメントしています。そこからはいろんな監督のもとで製作することで手法の染み付きを防ぎつつ初監督『油断大敵』(94)でデビューを果たし、藤本賞新人賞とヨコハマ映画祭新人監督賞を受賞。

 と遅咲きだからこそいろんな方の元で技術を吸収したのが伺えます。

 

 その後も大ヒット作品を出していますし、2011年の『八日目の蝉』は日本アカデミー賞10部門を独占するほどの功績を叩き出しました!こんな監督さんの新作は見るっきゃないでしょ!!o(`ω´ )o

八日目の蝉

八日目の蝉

  • 井上真央
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キャスト

役所広司

 1956年、長崎県出身。 95年に『KAMIKAZE TAXI』で毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。96年『Shall we ダンス?』、『眠る男』、『シャブ極道』で国内主演男優賞を独占。東京国際映画祭主演男優賞を受賞した『CURE キュア』(97)、カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した『うなぎ』(97)など、国際映画祭への出品作多数。12年、紫綬褒章を受章。

 近年では『三度目の殺人』(17)、『孤狼の血』(18)、『すばらしき世界』(21)、『峠 最後のサムライ』(22)などに出演。 『すばらしき世界』では、シカゴ国際映画祭最優秀演技賞、キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞を受賞。 今後は、『銀河鉄道の父』が23年GW全国公開、Netflixシリーズ「THE DAYS」が23年配信予定。また、ヴィム・ヴェンダース監督によるプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の映画にも出演予定。 日本を代表する俳優として活躍している。

 

吉沢亮

 1994年生まれ、東京都出身。 09年、「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で審査員特別賞を受賞しデビュー。19年、『キングダム』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。21年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」では主演を務めた。近年の出演作として『キングダム2 -遙かなる大地へ-』がある。

 【主な出演作】銀魂/銀魂2 掟は破るためにこそある(17/18)、リバーズ・エッジ(18)、一度死んでみた、青くて痛くて脆い、AWAKE(20)、ブラックナイトパレード(22)、東京リベンジャーズ2(23)

 

サガエルカス

 2004年生まれ、岐阜県出身。 本作が演技初挑戦。 高校3年時に「K-1甲子園2021年~高校生日本一決定トーナメント~」に出場、現在、プロ格闘家として活動中。

 

ワケドファジレ

 1998年生まれ、ブラジル出身。 モデル活動を経て、本作が演技初挑戦。

 

中原丈雄

 1951年生まれ、熊本県出身。 劇団未来劇場にて多数の舞台を踏んだ後、映画・テレビ等の映像世界に活動の場を移す。『おこげ』(92)で映画デビューを果たして以来、現代劇、時代劇問わず幅広い活動を行う。

 近年の出演作として、NHK大河ドラマ「真田丸」(16)NHK 終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」(21)、NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」(22)などがある。 【主な出演作】 聯合艦隊司令長官 山本五十六(11)、アウトレイジ ビヨンド(12)、ふしぎな岬の物語(14)、るろうに剣心 最終章 The Final』(21)

 

室井滋

 富山県出身。 81年、『風の歌を聴け』でデビュー。『居酒屋ゆうれい』(95)、『のど自慢』(99)、『OUT』(02)、『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』(09)などで多くの映画賞を受賞。最新出演作として『七人の秘書 THE MOVIE』(22)がある。

 音楽や執筆も精力的に活動し、近著に絵本『タオルちゃん』、『しげちゃんのはつこい』、『会いたくて会いたくて』、エッセイ『ヤットコスットコ女旅』他著書も多数。 【主な出演作】 人間失格(10)、たとえば檸檬(12)、小さいおうち(14)、いのちのコール〜ミセスインガを知っていますか〜(14)、人生の約束(16)、デイアンドナイト(19)、大コメ騒動、草の響き(21)

 

アリまらい果

 2002年生まれ、静岡県出身。 本作が演技初挑戦。

 

シマダアラン

 1998年生まれ、静岡県出身。 ラップグループ「GREEN KIDS」でFlight-Aとして活動中。本作が演技初挑戦。

 

 

スミダグスタボ

 1996年生まれ、ブラジル出身。 本作が演技初挑戦。

 

松重豊

 1963年生まれ、福岡県出身。 蜷川スタジオを経て、92年、『地獄の警備員』で映画デビュー。『しゃべれども しゃべれども』(07)で毎日映画コンクール男優助演賞、『ディア・ドクター』でヨコハマ映画祭助演男優賞を受賞。主演を務める「孤独のグルメ season10」が10月からスタートするほか、23年のNHK大河ドラマ「どうする家康」への出演を控えている。

 俳優以外の活動として、FMヨコハマ「深夜の音楽食堂」でパーソナリティを務め、20年には自身初の書籍「空洞のなかみ」を上梓。雑誌「クロワッサン」でエッセイ「たべるノヲト。」を連載中。 【主な出演作】 ヒキタさん!ご懐妊ですよ(19)、グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~(20)、老後の資金がありません!(21)、余命10年、ツユクサ(22)

 

MIYAVI

 1981年生まれ、大阪府出身。 “サムライ・ギタリスト”の異名を持つミュージシャン。エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという独自の“スラップ奏法”でギタリストとして世界中から注目を集め、これまでに約30カ国 380公演以上のライブと共に、8度のワールドツアーを成功させている。

 アンジェリーナ・ジョリー監督『アンブロークン』(16)でハリウッドデビューを果たし、俳優としてもキャリアをスタートさせている。 【主な出演作】 キングコング:髑髏島の巨神(17)、BLEACH、ギャングース(18)、マレフィセント2(19)、ヘルドッグス(21)

 

佐藤浩一

 1960年生まれ、東京都出身。 80年に俳優デビュー後、数々の映画やTVドラマに出演し、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(94)、『64 -ロクヨン-前編』(16)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。

 22年は、MIRRORLIAR FILMS Season2『IMPERIAL大阪堂島出入橋』、『20歳のソウル』、『キングダム2 遥かなる大地へ』などが公開、また、待機作として、『仕掛人・藤枝梅安 第二作』(23年4月7日公開予定)がある。 また、21年には歌手としてアルバム「役者唄 60 ALIVE」を発表している。 【主な出演作】 Fukushima 50、一度も撃ってません、銃2020、サイレント・トーキョー(20)、太陽は動かない、騙し絵の牙(21)

 

※引用元:公式HPより

 

 

感想

国は違えど“家族”になる。今日本で抱えている問題も盛り込みながら素直じゃない父・誠治とその周りを描くストーリーはかなり複雑で難しい。最後はスッキリして終わるとかではなく芯に響く作品になっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者とも家族愛が故の選択

 陶芸家の神谷誠治とその息子・学、在日ブラジル人のマルコスを中心に構成されたストーリーは現代の在日外国人の問題を織り交ぜながら、日本の裏側部分も一緒に追っていくヒューマンドラマ映画でした。

 

 作品がPG12指定になっているのでそれなりのセクシャル、バイオレンスを含むシーンが盛り込まれており、フィクションの映画作品ですがリアリティを詰めた物語ではなかったでしょうか!?

 

 今作で“家族”についてをいろんな角度から盛り込んでおり、それぞれの視点から見ていくとわかる気持ちがあり真っ向から否定しにくいってのが見ていて苦しくなってしまいました( ´Д`)

 

 特に半グレ側のボスである榎本ですが、やってることは普通に悪いことなんですよね。だけど中盤に彼の家族について触れてからマルコスとのシーンを見るとわかる気持ちが出てきてしまう。

 役所広司が「実際にやった張本人ではない」って言いますがねぇ…。わかっちゃいるけど身近な家族を一度で亡くしてしまったらそういう目線にもなりかねないですよ。社会的立場が元々高い位置ってのもその要因かなって。

 

 佐藤浩一が「逮捕できなくて手を焼いている」とか言っていますが、内容見ている限りでは立証できそうなんですよね。

 

 そして役所広司演じる神谷誠治側だと息子が死んじゃうだけじゃなくて息子の奥さんも亡くなっちゃうわけですよ。家族の命がかかっているとなると些細なことでも行動したくなるものです。

 テレビのコメンテーターが憶測で「身代金が〜どうたらこうたら」とか言われたら、「お金があれば解放される!」みたいな思考にもなりますよ。

 

 そこまではまぁ良しとしてその後の構成はどうなんだろうか?と感じましたね。舞台である愛知から東京に赴いてテロ対策部のお偉いさんに会うわけですが、こんなのって実現難しいでしょ?!

 役所さんの演技がめちゃくちゃ良すぎて見入っちゃいましたが終わってふと考えたら「おかしくね?」って疑問が出ちゃいましたね。そこは現実的な方向に持って行った方がよかったんじゃないかなって思います。

 

 あのまま門前払いくらって訃報の電話を受け取ったほうがリアルだったかな。亡くなって遺体が日本に帰ってきた時も義理の兄夫婦が政治と一緒に来ていないことにも違和感があったかなと。帰ってきてお祝いしたけど遺体で帰ってきた時はいないってのは結びつきにくいんですよ。

 

 でも誠治が榎本みたいな憎しみを抱き続けることがなかったのは良かったんじゃないでしょうか。口割らせるのはかなり強引なやり方でしたが、あのあたりバイオレンスなシーンが続いていたから結びつきが変な感じにはならなかったので。

 

 クライマックスはかなり驚きましたが誠治と榎本それぞれが家族を愛していたけど憎しみの濃さの差でこういう道に別れてしまったんでしょう。

 誠治は比較的に早い段階で前へ進み始めていましたが、榎本はかなり執着しておりそれが目に見えて出ていましたからね。 あのマイボトルを見た時はちょっと鳥肌がたっちゃいましたもん(> <;)

 

 

このキャスティングがベストだとは感じる

 今作は日本の有名俳優陣+オーディションで選んだ素人外国人という構成でしたが、話の流れがかなりしっくりきていてこの雰囲気が作風にマッチしていたんじゃないかと思います。

 日本語がうまい方は他にもたくさんおられたでしょうが、マルコスのテンションとエリカのテンションはバランスが良く監督のイメージ通りなのではなかったでしょうかね。

 

 最初は寡黙なマルコスも徐々に心を開いてくれて話すようになりますがあのカタコトの言い方とか「そんな言い方ww」と笑っちゃうような場面が在日の方と話している雰囲気そのまんまですw

 

 特にエリカが誠治の元を訪れ車の修理費を渡すんですがその時のセルフとか笑っちゃいましたもん( ^ω^ ) しれっとお母さんの体重暴露して「殺されるーー!!」とか「プロレスラーより強い!」とかね。 そんなこと言ってやんなw

 普段はあんなに礼儀正しく挨拶したりマルコスを引っ張っていたりするのに、テンパってこんなこと言うなんてね。そこが素人を起用したいいてんじゃないでしょうか。

 

 でもこの修理費も在日ブラジル人の金銭的面を表現していました。見るからに足りない金額なんだけどこれが日本で働く外国人の現実。 日本に住んでいる日本人でさえ補助が少ないわけで。

 だけど日本に来る人を拒むことはできないから迎えて補助金の対象にとかね。この辺りは日本が現在進行形で抱えている大きな問題の一つです。こういうのもキャストの影響が大きいところですね。

 

最後に

 いやぁ、今回の内容はかなり難しいものとなっていましたね…。ストーリー自体がかなり逼迫していて余裕がないので(メンタル的に)見る側で削られる人もいるんじゃないかな?!(・Д・;)

 

 映像の部分では荒めの作りが目立っていてちょっと安っぽくなっていたのが少し残念です。CGなのかミニチュアなのか実物なのかが明確にわかるわけではないんですが、どれかだったとしてもなんか違和感があるんですよね。

 あと映像が全体的に画質?なのかわかりませんがザラザラになっていたんですよね。これはもともとそういう取り方をしているのか映画館側の機械がそう映しちゃっているのかわかりませんが見にくかったですね。

 

 どっちかというと日本について考えるきっかけ作りに見ていただきたいなって内容になっていました。一種の“火種”的なポジションなのかなと。

 想像していた展開とは全く違っていたので「飽きちゃった〜〜(´ω`)」みたいなことにはなりませんでした。だけど刺激強いんで下がり気味の方は見るの控えたほうがいいんじゃないかな。元気になってから見てください!!

 

 ってなわけで、また次回 ´ω`)ノ

 評価 ☆☆☆★★3/5