代表作はドラマ化され多くの人が夢中になった作品を生み出した小説家・池井戸潤。代表作の『半沢直樹』シリーズや『下町ロケット』なんかをテレビで見ていた人は多かったでしょう。
半沢直樹シリーズなんかは香川照之さんの謝罪シーンとかがかなり印象的な作品でしたし、物語自体も見入っちゃうようなものになってましたしモノマネなんかもされていましたね( ´∀`)
そんな数々の名作を書き上げた池井戸潤の実写映画が今作なわけですが去年の秋にWOWOWでドラマ化されているんですね。私はテレビないんで見てないですが俳優も映画のメンバーではなく全然違うタイプの俳優さんが出演していました。
ドラマ版ではメインの西木雅博を元V6のイノッチが演じていたんですよ。それが今回は阿部サダヲがやるっていうね。キャラクターが違いすぎてどうなんだろ?って思っちゃいますが、予告見た感じだと阿部サダヲの方がマッチしていそうな予感。
メガバンクを舞台にどんな“金”のドラマがありWOWOWと違う展開がどんなものなのか気になる!!
さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و
作品情報
累計発行部数60万部を超えた池井戸潤の経済小説『シャイロックの子供たち』をもとに描かれる今作。2022年10月にはWOWOWでドラマ化されたりしたがその展開とは違い完全オリジナルのストーリーとのこと。
原作小説は作者の池井戸氏が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」とコメントするほどでそれが満を持して劇場作品化される。
池井戸潤原作の『空飛ぶタイヤ』(06)を2018年に映画化した本木克英監督らスタッフ陣が再集結し、俳優陣は主演の阿部サダヲをはじめとした豪華面々が勢揃いをする作品となっている!
本木監督は多くの有名作品を手掛けていますがどっちかというと年齢が上の人に刺さるような感覚があるんですよねw 『釣りバカ日誌』でそんなイメージが私の中で勝手についているんですけどねww
音楽は成島出監督の『八日目の蝉』(11)や『ファミリア』(23)、白石和彌監督の『凶悪』(13)、『孤狼の血』(18,21)に参加した安川午朗氏が参加し、他にも本木監督と組んだことのあるスタッフとヒット作に参加していたスタッフが集まっています!!
主題歌はエレファントカシマシが担当しボーカルの宮本浩次さんは曲作るために2回鑑賞したのだとか。阿部サダヲさんも演じる西木にハマっているいい曲だと評価のコメントをしています。
東京第一銀行から消えた現金はどこにどのように流れてしまったのか!?それを解いて行った先に待ち受ける真相とはなんなのか!?
あらすじ
東京第一銀行の小さな支店で起きた、現金紛失事件。お客様係の西木(阿部サダヲ)は、同じ支店の愛理(上戸彩)と田端(玉森裕太)とともに、事件の真相を探る。
一見平和に見える支店だが、そこには曲者揃いの銀行員が勢ぞろい。
出世コースから外れた支店長・九条(柳葉敏郎)、超パワハラ上司の副支店長・古川(杉本哲太)、エースだが過去の客にたかられている滝野(佐藤隆太)、調査に訪れる嫌われ者の本部検査部・黒田(佐々木蔵之介)。
そして一つの真相にたどり着く西木。それはメガバンクにはびこる、とてつもない不祥事の始まりに過ぎなかった―。
※引用元:公式HPより
監督情報
今作の監督は本木克英監督。
今回の『シャイロックの子供たち』の前に池井戸潤原作の『空飛ぶタイヤ』(18)で監督を務めた人で去年の6月から日本映画監督協会の理事長をされている人です。
1998年に『てなもんや商社』で監督デビューし、松竹の映画・テレビドラマで活躍をしていました。2017年に松竹を退社しフリーランスに。
やっぱ本木監督は『釣りバカ』(00~02)とか『ゲゲゲの鬼太郎』(07,08)、『超高速!参勤交代』(14,16)などでしょうかね。『ゲゲゲの鬼太郎』はウエンツ瑛士さんが鬼太郎を演じるっていうのが衝撃的だったのを覚えていますw
テレビドラマは『天下騒乱〜徳川三代の陰謀』(06)、『めぞん一刻』(07)なんかではないでしょうかね。
作品の受賞歴はそんなになんですが知っている、聞いたことある作品は結構あるのでどんな作品になるんでしょうかね。 『空飛ぶタイヤ』に続いての池井戸潤作品ということとストーリーが完全オリジナルになっておりますからこのへんもどうなるかって感じですね!
主な出演者<キャラクター>
阿部サダヲ<西木雅博>
主な出演作品:『舞妓Haaaan!!!』(07)、『アンフェア』シリーズ(06~15)、『医龍-Team Medical Dragon-』シリーズ(06~14)、『謝罪の王様』(13)、『死刑にいたる病』(22)、『アイ・アム まきもと』(22)など。
上戸彩<北川愛理>
主な出演作品:『アタックNo.1』(05)、『暴れん坊ママ』(07)、『婚カツ!』(09)、『テルマエ・ロマエ』(12,14)『半沢直樹』(13)、『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(14)、『となりのチカラ』(22)など。
田端洋司<玉森裕太>
主な出演作品:『ごくせん THE MOVIE 』(09)、『美男ですね』(11)、『信長のシェフ』(13)、『銭の戦争』(15)、『リバース』(17)、『グランメゾン東京』(19)など。
柳葉敏郎<九条馨>
主な出演作品:『29歳のクリスマス』(94)、『踊る大捜査線』シリーズ(97~12)、『リング〜最終章〜』(99)、『華麗なる一族』(07)、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(08~10)、『天間荘の三姉妹』(22)など。
杉本哲太<古川一夫>
主な出演作品:『ウォーターボーイズ』(01)、『クロサギ』(06)、『相棒』シリーズ(07~20)、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命』(08~17)、『龍馬伝』(10)、『あまちゃん』(13)、『日本沈没-希望の人-』(21)など。
佐藤隆太<滝野真>
主な出演作品:『木更津キャッツアイ』(02)、『海猿 UMIZARU EVOLITION』シリーズ(02,04)、『プライド』(04)、『ROOKIES』(08,09)、『JIN-仁 完結編』(11)、『失恋ショコラティエ』(14)、『コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』(19)など。
柄本明<沢崎肇>
主な出演作品:『WATER BOYS』(03)、『座頭市』(03)、『悪人』(10)、『妖怪人間ベム』(11)、『グッド・ドクター』(13)、『監察医 朝顔』(19)、『半沢直樹』(20)、『未来へのエンカウント』(22)など。
橋爪功<石本浩一>
主な出演作品:『弁護士・高林鮎子』シリーズ(86~05)、『京都迷宮案内人』(99~09)、『婚カツ』(05)、『東京家族』(13)、『永遠の0』(13)、『家族はつらいよ』シリーズ(16~18)など。
佐々木蔵之介<黒田道春>
主な出演作品:『白い巨塔』(03~04)、『医龍-Team Medical Dragon-』シリーズ(06~14)、『風林火山』(07)、『ハンチョウ〜神南署安積班〜』(09~13)、『シャーロック アントールストーリーズ』(19)など。
感想
借りた金は返せば終わり…なわけではない。魂を売って人間であることをやめた銀行員たちが繰り広げる“金”の奪い合いは契約が無事完全に終わるまで気が抜けない!爽快感よりかは成功するかのドキドキ感がメインの一作!!
そこまでの派手さはないがしっかりとした内容
東京第一銀行で起きた現金100万円の紛失事件をきっかけに課長代理・西木が事件の真相を探るストーリー。そこから見えてくる過去に隠された真実と物語の終結は成功するかドキドキしながら鑑賞できる作品となっていました!
作品全体の盛り上がりはそんなに上がる感じじゃ無いんだけどストーリーはちゃんとしてるし全部繋がっていて変に感じるところは特にはない。でもしっかり面白い内容になっていて驚きました( ^ω^ )
お金って生活していくには必須なものになりますが人を変えてしまう怖いものでもあるなって改めて思いました。なんでこうやって金に目が眩んで間違った方へいってしまうんでしょうかね。
本作の舞台は銀行なんですが銀行って貯金を入れたり出したりするのがメインなイメージがありましたが元は金貸屋なんですよね。業績を良くして利益を出してくるそうな企業への融資を持ちかける営業マンにもスポットがあてられているんですがこんな正面切って見ることがなかったんで新鮮に感じちゃいましたね。
そしてこの作品の面白いところが序盤から悪いことをしている人が誰かわかっているという点。滝野が石本から融資の話を持ち掛けられるけどこの時点で改ざんしているとかをあらかじめ知らされるのに審査に通してしまうんですよね。
誰が見てもダメだろってわかるのに通しちゃった理由ってのも紐解いていくうちに出てきますがこの部分もちゃんと作られているから魅せられる。
しかも滝野1人だけじゃなくて検査部とか長原支店の上役の過去なんかも絡めてもっとドス黒いところが出てくるわでえらいこっちゃですよ。
で1番驚いちゃったのが西木の抱えているものですよね。勤務中は明るく振る舞っておりムードメーカー的ポジションだなぁとか思っていたら兄弟の借金を肩代わりしていて妻とも別居していたりと内側は想像しないものを持っているわけです。
そんな人が悪いことせずに真っ当な銀行員としてお仕事をしているわけですが、こんな状況だと目の前に悪いけど上手い話があったりしたら飛び付いちゃいますよね。 最後には真っ当な銀行員の姿は捨てて魂を売ってしまうわけですが、このことがなかったら悪いことはせずにそのままだったのでしょうかね。
この設定を全部見せてくれているからことのきっかけとかが出てきたりしてもわかりやすくて見やすいんですよ!ミステリーの要素はしっかり残っているんだけどちゃんとしっくりくるきっかけと答えが用意されている。
ただドラマのような誇張されたシーンなどはなくセルフやテンションも一定を保ったまま進行していくのでリアルよりにはなっているのかな!?そのせいでラストは悪いやつを懲らしめたぞ!みたいな爽快感はなく終わっちゃいます。
それが悪いかは個々の感じ方次第ですが、私個人としてはこういうのも好きなのでアリです!ただ予告でこの予想をしていなかった人は物足りなく思っちゃうかもしれないですね。 手口もきちんとした手続きを踏んで陥れるのでバレずにいけるかの緊張感オンリーですね!ぶっちゃけ!
最後に
今作はドラマ、原作と違ったストーリーとのことでしたが綺麗にまとまっていたので原作のままと思っちゃう人はいるんじゃ無いでしょうかね(゚∀゚) 映画として見るとなるともうちょっとらしい演出があってもいいかなとは思いましたがどんなのがいいかは思いつかないかな。
結局金を求めて魂を売ってしまっても人間に戻ろうとするものなんですね。悪いことをした罪悪感で最終的には耐えきれなくて自首したりするんですね。 だけど石本や九条なんかはその感覚すらも無くしてしまったんでしょう。
柳葉さんはああいう役も似合うもんですね( ´∀`) というかメガネかけて白髪増えて役の雰囲気もかなり変わっていた印象でしたが皆さんどう思われました? 久しぶりに見たんで年月の経過に驚いちゃいましたがww
借りたお金は返したとしても自分の中に残り続けるものがある。それは消えることはなく生きている限り思い出してしまうもので、自分1人で抱えたとしてもボロが出たり耐えられなかったりしちゃう。
それでいいのか?!どうするのが正解で、あなたはどうしますか?!みたいなメッセージがあるように思えちゃう作品でした!!
ってなわけでまた次回 ´ω`)ノ
評価 ☆☆☆★★3/5