ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『ヴィレッジ/Village』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 

 

 田舎出身の方が就職などで都心部に行くとさまざまなことでギャップがあったりします。方言だったり風習なんかはその典型的なもので、珍しい祭りなんかは全国的にも有名になって観光客が旅行に来たりするかと思います。

 

 ただそんな明るいものばかりでなく暗い内容のものもあり最近だと男尊女卑が問題視され「男女平等」や「ジェンダー」の問題が指摘されています。私も田舎の出身なのですが個人的にそういった傾向にあるのが“田舎”なのかなと感じます。

 

 女性が家を守り男性が働くみたいなのは地域によってはまだ根強かったりします。それだけでなくこんなことやっていいのか!?みたいなグレーな部分もあったりしてそういったものはそこから出て外からの目線で見て初めて気がつくみたいなのもあったり。

 

 今回鑑賞する作品はある「田舎」という世界で生きる人たちを描く物語。小さいコミュニティーの中で繰り広げられるさまざまな問題がこの閉ざされた空間の光と影を映し出す作品となっています。

 

 今回主演は横浜流星ですが最近出演している作品の役が結構激しい言動や行動が多くてバイオレンス感が目立っているかなと思います。

 個人的に持っていたイメージが少女漫画みたいな甘い恋バナのイケメン君を演じているような印象だったのでこういった役が増えている+普通に演技が上手いと思っています。

 

 特に『流浪の月』で演じたDV旦那はめちゃくちゃハマっていたし、髭伸ばしたり綺麗な見た目が崩れるのもあってキャラクターの深みが出ているなぁと感じます。

 そんな横浜流星主演の新作はどんな光と影が村にあり、その先に待ち受ける運命とはなんなのか!?(゚∀゚)

 

 さっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 2023年4月に公開のヒューマンサスペンス映画で、2004年にアメリカで公開されたスリラー映画『ヴィレッジ』の日本リメイク版なのではないかと言われている作品。

 製作総指揮をとり今まで『かぞくのくに』(12)や『MOTHER マザー』(20)などのプロデューサーを務めた河村光庸氏(故:2022/6)の遺作となる。

 

 『オオカミ少女と黒王子』(16)や『虹色デイズ』(18)などの胸キュン少女漫画や『嘘喰い』(22)、『流浪の月』(22)などでバイオレンスな役を演じた横浜流星が主演を演じ、数々の作品に出演してきた大物俳優陣が脇を固める。

 

 幼い頃から霞門村に住んでいた片山優(横浜流星)が母親の借金を返済するために働き希望のない日々を過ごす。彼の父親はある事件の汚名を背負い、その子供である優も村の中で肩身の狭い思いをしていた。

 

 そんな選択肢を与えられない生活が都会に出ていた幼馴染の美咲が戻ってきたことで動き出す。果たしてどのような運命が待ち受けているのか!?

ヴィレッジ(字幕版)

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あらすじ

閉ざされた世界。閉ざされた心。

崩れゆく人生の中で見つけた、たった一つのきらめき。若者は運命に全てを懸けた。振り払えない闇を抱えながら―

 

 夜霧が幻想的な、とある日本の集落・霞門村。神秘的な「薪能」の儀式が行われている近くの山には、巨大なゴミの最終処分場がそびえ立つ。

 幼い頃より霞門村に住む片山優は、美しい村にとって異彩を放つこの施設で働いているが、母親が抱えた借金の支払いに追われ希望のない日々を送っている。

 

 かつて父親がこの村で起こした事件の汚名を背負い、その罪を肩代わりするようにして生きてきた優には、人生の選択肢などなかった。

 そんなある日、幼馴染の美咲が東京から戻ったことをきっかけに物語は大きく動き出す――。


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監督情報

 今作の監督は藤井道人。

 

 映画作品だけでなくテレビドラマやアニメーション、MV、CMなどのさまざまな映像作品を手掛けてきました。今作『ヴィレッジ』の公開後の5月には新作『最後まで行く』(2023/5/19)の公開も予定されています。

 

 主な作品としてはテレビドラマ『アバランチ』(21)、映画『新聞記者』(19)や『余命10年』(22)などがあります。中でもNetflixで配信されたアニメ作品『攻殻機動隊SAC_2045』(2020~)はシリーズ初めてのモーションキャプチャを使用したフル3DCG作品となっており、映像の美しさと作品の完成度が高く話題となりました。

 

 2019年公開の『新聞記者』では第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。他にも短編映画やドラマでも数々の作品賞を受賞しています。

 

 主演の横浜流星とは2018年公開の『青の帰り道』(18)以来の映画共演で通算5度目のタッグになるんだとか( ´∀`)

 最近ノリにノっている横浜流星の演技と監督の作品がどのような化学反応を起こしてくれるのか!?が楽しみです!!

新聞記者

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余命10年

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キャスト<俳優名

片山優<横浜流星

霞門村で生まれ育ち、過去のある事件によって村中から蔑まされながら希望のない日々を送る青年

 

中井美咲<黒木華

就職先の東京から帰郷し、優を支える幼馴染

 

大橋透<一ノ瀬ワタル

ゴミ処理施設で働く修作の息子

 

筧龍太<奥平大兼

優と共にゴミ処理施設で働く青年

 

中井恵一<作間龍斗

美咲の弟

 

丸岡勝<杉本哲太

陰で村を牛耳るヤクザ

 

片山君枝<西田尚美

優の母親

 

大橋ふみ<木野花

大橋一族の母

 

大橋光吉<中村獅童

修作の弟/刑事

 

大橋修作<古田新太

大橋一族の母・ふみの息子/霞門村村長

 

※引用元:公式HPより

 

 

感想

みんなが同じ方向を向いて進んでいく姿は日本人らしさでもあり悪いところでもある。採取的に残り続けたのはなんでだろ…。あそこまで変われたのなら出てもよかったんじゃないか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局何もなかったかのように元に戻る

 山の中腹に大きなゴミ処理施設が聳えるとある村で、「犯罪者の息子」として親の借金を返済するために生きている主人公・片山優。ただただ耐えてどこにも捌け口のない日々が幼馴染の帰還によって逆転するストーリーは、能の演目を元に描かれており良くなっていく日々は儚い夢だったという絶望が目立つ物語でした。

 

 今作ストーリーの基盤になっているのが「邯鄲の枕」という能の演目。この邯鄲という話はざっくりいうとある男が人生の目標もなく都へ赴き、そこで道教の道士と出会う。

 その道士に自分の不平をこぼすと“夢が叶う枕”をもらって使ってみると出世し子宝にも恵まれ幸福な暮らしを送っていた。が老いには勝てず多くの人に惜しまれながら眠るように死んだ。

 ふと目覚めると今まで見ていた景色は全て夢で、「この夢を見たおかげで自身の欲を払うことができた」と道士んい礼を言い故郷に帰る。と言う物語。

 

 そんな夢のような時間を優自身も経験して終結に向かうわけですが、ただいい時間を過ごしてってだけじゃない。

 

 もともとは彼が子供の時に村にゴミ処理施設を建設する話があがります。村にそんな施設を作るな!と反対していた人たちの中に優の父もいたんです。

 建設賛成派と反対派で衝突が起きてしまい反対派の人たちは村八分にされたり圧力をかけられたりと無理やり賛成させられるような形に。

 

 それがきっかけで父親は殺人を犯し家とともに焼身自殺をしてしまいます。この出来事から優は「犯罪者の息子」となり母親はパチンカスになってしまい毎日ゴミの分別をすることに。

 

 父親が犯した犯罪を払拭して村を再構したい村長も優に対しては「臭い物に蓋」で見て見ぬふり。美咲が優に手を差し伸べることで立ち直ることができ、あれだけ散々な目にあった村長のもとで希望を持つんですが振り返ると彼自身が村長と同じようになってしまっていた。

 

 ここまで救いようのない内容だったとは思っていませんでした( ゚д゚) てっきり村の外に逃げるもんだと思っていたからそのまま残るとか思わなかったし、父親の起こした事件のことも日が経つにつれ消えていく。

 

 彼の幸福な気持ちと村を復興させるために賛成派が動いていた“裏側”を知らなければこれだけ大きな事件が起きても次第に「何もなかったかのように日常が戻ってくる」とはなんとも悲しい。

 

 この環境を打破するのは個人でできるわけがないじゃないですか!?だから外に逃げて関わるのをやめる人がいるわけです。中村獅童さんが今回その立ち位置にいたんですが残念ながら優も救うことができなかった…。

 

 こういう環境を作中に作り上げているのを見ていて田舎出身の私としては思い当たる節はあるんですよね。実際に作中に似たことが起こったとかではありませんが、みんななんとなく同じ方向を見て進んでいる感じ。

 誰かが良くしようと本気で動いても行政が協力してくれなかったり潰してきたりして現実のそれと似た風景を見してる1作でしたね。

 

 

最終的に何も解決していない

 父の死後からずっと苦しんできた優が美咲のおかげでいい人生に転換されていくんですがそれもゴミの不法投棄などが原因で追い詰められてしまう。

 メディアの力を使って村を活性化させることに成功したけど村長は優に丸投げして責任を押し付ける。

 

 最終的に優の父親が死んだのも村長が騒動を終結させるために仕組んだもので、村長を「クズだな」と言った優もクズになってしまってで終わっちゃうのが好かんかな(´ω`)シュン

 

 あれだけ地位的に築いたりしたら「この人生になってよかった!」とは思うんだろうけど美咲と一緒に逃げるなんてこともできたと思うんですよね。

 パチンコに溺れた母親を捨てて村を出るなんてのもできただろうに…。現に中村獅童演じる光吉も実家を出て警察をやってるしね。目の前に出た人間がいるからその発想にもなるかなって思いますが1回もそれっぽい描写がなかったのでそこくらいあってもねぇ。

 

 結局父親と同じ犯罪者になり光吉も優を救うことがまたできなかったって嘆いて誰1人として救われていないんですよ!みんな救われてハッピーエンド系が来るのか!?とか予想してたら全く違う。

 今作の製作陣がそういうエンドを迎える作風なのでまぁ難しいだろうけどもうちょっと救われる話を見たかったのが個人的な感想です。

 

 結構気持ち的には沈んだまま終わっちゃう感じですね。それでもいい作品にはなっているんですけど好みは分かれちゃいますよね…。

 

 

最後に

 ゴミ処理に力を入れてあそこまで注目を集めることができたのにも正直驚いています。私自身の見解としては観光地的な要素は弱いように感じちゃうのであんなに県外から人が来るようなことなのかなって。

 

 他に何かしらやってるシーンもなかったのでそこは違和感があるかもですね。現代社会でもSDGsとか環境問題に対する活動とかしていますがそれだけで町おこしに成功しているのを見たことないから現実味が湧かないんですよね。

 

 作られてる物語だからなんでもできるんでしょうがそのへんに現実味持たせないと見ていて違和感が出ちゃいますからね。それで面白さが半減してしまうってのもあるので。

 

 最終的に恵一は事件後に村を離れる描写が出ていましたがうまくやっていけているのでしょうかね。姉は精神病んで帰ってきていますからいい方向に転んで欲しいものです。

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆★★3/5