ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『ザ・クリエイター/創造者』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ AIの可能性

 

 これまでに『GODZILLA ゴジラ』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などを手掛けてきたギャレス・エドワーズ。直前に監督を務めたローグ・ワンは2016年の公開だったのでもう7年くらい新作を出していなかったんですね。

 彼が製作したローグ・ワンはスター・ウォーズシリーズの前日譚で1番最初に公開されたエピソード4より前の時系列作になります。

 

 シリーズ1作目のアンソロ作品として公開されたこともありスター・ウォーズファンは鑑賞しに劇場へ足を運んだことでしょう。興収も10億ドルを超える成果を上げギャレスの名も世界中に知れ渡ったことでしょう。

 

 もともとの作品数は多くありませんがヒット作を世に出していますし、VFXに携わっていたこともありSF作品はかなり得意な監督だと思います。今回の『ザ・クリエイター』のデザインの中にスター・ウォーズっぽさを感じさせられるところもあります。

 

 あとハリウッドに進出して活躍されている渡辺謙さんも今作に登場するようでギャレス監督のゴジラにも出演していましたね。

 作品で渡辺さんを見るのも久しぶりな気がします。多分実写版『名探偵ピカチュウ』ぶりかなと。間に何個か作品に出演しているようですが縁がなかったため今回久しぶりに見ますがどんな演技してたか全然覚えてないんですよねww  どうしても思い出せない( ^∀^)

 

 主人公はあのクリストファー・ノーランの有名作『TENET テネット』に出ていたジョン・デヴィッド・ワシントンで彼の演技をテネットで見てファンになった私としては期待しています。

 直近の出演作である『アムステルダム』は見ていないので楽しみだなぁ!今作のストーリーと合わせてどんな感じになるんだろう。巻き戻しはしないよね!?

 

 てなわけでさっそくいってみよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 2023年にアメリカで公開されたSFアクションスリラー映画でギャレス・エドワーズが監督、『アンツ』(98)、実写版『シンデレラ』(15)などのディズニー作品の脚本を手がけてきたクリス・ワイツが共同脚本担当として制作に参加する。

 

 世は人類と人工知能が戦争を繰り広げる世界。元特殊部隊のジョシュアが人工知能勢力で高度AIの設計開発した設計者:ザ・クリエイターを殺す任務に参加する。ジョシュアが率いるチームはAIが占拠する地域に潜入しそこで幼い子供の姿をしたAI:アルフィーと出会いをきっかけにAIとの戦争が動き出す姿を描く。

 

 本作の主人公であるジョシュアを演じるのは『ブラック・クランズマン』(18)や『TENET テネット』(20)に出演したジョン・デヴィッド・ワシントンが演じます。特に『TENET』はクリストファー・ノーラン監督の作品で“時間”を逆走するといった斬新なストーリー構成で注目を浴びました。

 その作品でさらに注目を浴びたジョンの新作は楽しみですね。父:デンゼル・ワシントンの新作『イコライザー』もこの間公開されたばかりですから父親のようなアクションを見せてくれるんでしょうか!?

 

 そして今作の監督はギャレス・エドワーズ。もともとはVFXアーティストとして作品に携わってきましたが2010年に公開された『モンスターズ/地球外生命体』で名前を知られるようになりました。

 この作品は50万ドルと映画にしては低予算で製作された映画にも関わらず10倍の興収をあげる作品となりました。次回作はそこまで伸びませんでしたが、他にも『GODZILLA ゴジラ』(14)や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)などで知られることになった彼が監督・原案・脚本・製作を担当します。

 

 SF作品を得意とするギャレスのオリジナル新作ということもあり期待される作品です。人間とAIの敵対関係から展開されるストーリーはどのように集結していくのか!?

GODZILLA ゴジラ(字幕版)

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あらすじ

 2075年、人を守るはずのAIが核を爆発させた——人類とAIの戦争が激化する世界で、 元特殊部隊の〈ジョシュア〉は人類を滅ぼす兵器を創り出した“クリエイター”の潜伏先を見つけ、暗殺に向かう。

 

 だがそこにいたのは、純粋無垢な超進化型AIの少女〈アルフィー〉だった。

 

 そして彼は“ある理由”から、アルフィーを守りぬくと誓う。やがてふたりが辿りつく、衝撃の真実とは…。

 

※引用元:cinemacafeより


www.youtube.com

 

 

キャラクター<俳優名

ジョシュア<ジョン・デヴィッド・ワシントン

AIに憎しみを抱く元US特殊部隊の人間。 参加した任務で兵器と呼ばれた少女と出会い、ある理由から彼女を守ると誓うことに。

 

アルフィー<マデリン・ユナ・ヴォイルズ

人類を滅ぼす兵器と呼ばれる超進化型AIの少女。 驚くべき力を秘めており、AIと敵対するUSは彼女を破壊しようとする。

 

ハルン<渡辺謙

人間と戦うAI軍のリーダー的存在。 《創造者》の造り出したアルフィーを人間から守ろうとする。

 

マヤ<ジェンマ・チャン

ジョシュアの妻である人間。 模造人間(シミュラント)によって育てられ、夫のジョシュアとはAIに対して真逆の考えを持つ。

 

ハウエル<アリソン・ジャネイ

ジョシュアを任務に採用した《人間》でUS軍大佐。 ある出来事からAIに対して深い憎しみを抱いている。

 

※引用元:公式HPより

 

 

感想

 VFXが土俵なだけあってCGの表現に力が入っていて彼の腕を堪能できる一作。各地を担当したVFXデザイナーの数も背景にまでこだわり抜いており、ストーリーは泣いてしまう出来栄え( ;∀;)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実でも近いうちにやってくるかもしれない未来

 人間と人工知能間で戦争が繰り広げられる世界。軍人のジョシュアは人工知能の創造者である“ニルマータ”の正体を探るべく潜入捜査をしていた。潜入先で模造人間(シミュラント)に育てられた女性:マヤと出会い結婚。彼女のお腹には赤ちゃんがいて幸せな日々を送っていた。

 

 潜入捜査でニルマータの正体をあと少しで突き止めることができそうなタイミングで軍事兵器“ノマド”と兵士が攻撃を仕掛けてきた。潜入捜査員だということをマヤに隠していたジョシュア。 マヤにバレたことで関係に亀裂が生じ、マヤはジョシュアを置いてシミュラントと共に船で逃走。

 

 しかしマヤの乗った船がノマドの空爆にあいマヤの消息は途絶えてしまった…。

 

 目の前で妻を失ってから5年後。空爆の爆風で記憶を一部思い出すことができなくなってしまったジョシュアは日々軍の医務室で検査を行い記憶を取り戻したか確認されていた。潜入捜査の一件から軍事に戻ろうとしなかったジョシュアだったが、司令官から2日前に撮られたマヤの写った映像を見せられニルマータと兵器捜索作戦に参加することに。

 場所はジョシュアが以前調査した研究所で軍で用意したチームを研究所内で案内すればマヤは殺さずに保護するというもの。

 

 研究所の奥に進んでいくといかにも大切なものが入っていそうなポッドを発見。ジョシュア以外の戦闘員は交戦に入ったため単身で扉の開いたポッドの中に入っていく。中には広い空間が広がっており、その真ん中でシミュラントの少女がテレビを鑑賞していた。

 

 ジョシュアは少女からマヤがどこにいるのかを聞き出すため保護したが上官からの殺害命令を無視したため軍からも追われる身となってしまった。

 ジョシュアはマヤに会うことができるのか!?そしてこのシミュラントの少女は一体なんなのか!?ってのが今作のざっくりしたところ。

 

 今までに人間vsロボットorAIみたいな作品って色々出てきてたと思うんです。そういった作品を見てきていたらざっくりした流れとかは予想できるのかなと。予告を見た段階では「アルフィーとトリガーにどういうふうに人間と人工知能の戦争が終わるのか?」がメインだと思っておりました。

 

 予告見た人だと大半はそう感じるんじゃないでしょうかね!?『マトリックス』とか『アイロボット』とか『ターミネーター』とかもそんなストーリーだったかなと。

 確かにその内容がストーリーに組み込まれているんですが、その奥にある人間と人工知能間で芽生える愛情や友情を表立って描いているのが今作なのかなって思います。

 

 本来AIとかロボットって「人間の生活を豊かに効率良くするために使う“道具”(ツール)」なわけです。だから人間が正義だって派閥側では「リアルじゃない」ってのが口癖のようにセリフとして入っているんです。

 本物のように話したり感情を表に出してきているように見えるけど所詮は“機械”で“フレッシュ”ではないんです。

 

 ただシミュラント側はそんなこと思われていようと正直どうでもいいわけです。欲しいのは「自由」。それだけ。 人間たちのように家族や仲間たちと幸せを噛み締めて生活をおくりたいだけ。

 

 そうは言っても人間側からしたらその脅威は計り知れないわけです。現実でもアイロボットのような「反乱分子になりかねないのではないか!?」などの懸念は長年されているわけです。

 それぞれの想いが交差して絡れてしまった未来がこの作品なのではないでしょうか。なかなか落とし所をどこにするのかってのも難しいわけです。お互いが持っている正義をお互いが悪だと思ってしまうからこそ戦争という悲しい出来事が起こってしまうのかもしれません。

 

 個人的にはこういった目線で作品を鑑賞したらかなり楽しめました!この目線を深掘りして描いた作品ってのはかなり珍しい気がしますね。そんなにたくさん見てきたわけじゃない私が言っていいものかあれですがww

 

 

アルフィーの何が脅威なのか!?

 人工知能たちが開発した恐ろしい兵器がメインキャラであるアルフィーなわけですが、この少女の何が脅威なのでしょうか!?意図的に機械を操ったりすることができるのは確かに強い。

 ただこの能力って集中していないと発揮できなくて少しでもルーティンが崩れると解除されてしまいます。

 

 アルフィーは能力を使ってジョシュアと困難に立ち向かっていくわけですが正直そこまで脅威的かと言われたら私は「そんなにじゃなくない?」って感じてしまいます。それこそ銃火器は使えてしまうわけなのでアルフィーを破壊するのも難しくはないはず。

 

 ではこの少女の何が脅威なのか。個人的には3つ考えられます。まずは「人間のように成長し大人になっていく」ということ。聞いたら「ロボットが人間に近づいたってことでしょ?」って思うかもしれませんが、これって今のテクノロジーでいうところの「自律型ChatGPT」なわけです。

 

 アルフィーだけでなくこの世界で今後生まれてくる「成長するシミュラントは大幅に知能を得ることになるわけです。機械の処理速度で人間と同じ寿命だと仮定したらかなりの知識を溜めて経済を発展させることができるんじゃないでしょうか。

 今作で登場した「ニューアジア」なる場所は先進化と発展途上化した場所の差が明確に描かれています。この貧富の差が埋まる可能性があるわけなんですよね。世界中どこの国も同じような発展をする事ができてSDGs的な項目も解決するんじゃないですかね。

 

 2つ目が人間のクローン化です。物語の中盤でアルフィーはジョシュアとマヤの子供をシミュラントにした子だという事が判明します。生身の人間ではないですがロボットに自身の家族や友人を反映させることができるということ。

 作中でも自分の姿形を提供してくださいって広告が流れています。姿形を同じようにするだけだといるのかって話ですが、この世界では亡くなってすぐの脳であればチップにデータを書き込んでロボットの体に反映させる事ができるんです!

 

 これって人格までをもコピーすることができているわけです。というか本人の脳みそデータそのまま反映なので差分が出ないんですよね。

 現代社会でもクローン技術についてはさまざまな意見が飛び交っています。クローンを禁止する理由としては人格形成まで同じように成長する保証がないってのとそもそも人間丸々ってのがかなりリスキー。

 

 今の医学・科学でも臓器一個が限界だし、出来上がるまでに何年も時間がかかってしまうのがネックなんですよね。中国では犬のクローンが話題になってニュースでも取り上げられていましたが、成功する確率も多くて10%。ほとんどは1桁しか成功しないんです。

 この技術が進化したら今作のようなことを現実にする事が夢じゃなくなって死んでしまった大切な人とずっと一緒にいられるようになるかもしれません。

 

 そして最後は実質的な“不死”の獲得です。上記で書いたとおり死んですぐであれば脳のデータを取得して別の体に書き込む事ができるのでこれを繰り返していけば記憶や知識はそのままに半永久的に生きる事ができるんです。

 

 体がロボットであれば病気の心配はありません。ハーデウェア故障はありますが量産されていましたからパーツを交換してしまうか別の体に引っ越せばOK!これって不老ではないけど不死ですよね。

 

 そう遠くない未来で皆さんは「人間として死ぬ」か「人間をやめて生きる」かの選択をするような時が来るかもしれませんね。

 

 といった可能性を見出してくれるアルフィーは脅威になりうるんじゃないかなと思います。人工知能勢力が知識と数で圧倒するかもしれないわけですからね。そりゃ怖いわな(・Д・)

 

 

最後に

 映像の綺麗さと戦闘シーンや背景のCG技術、ニューアジアがいろんな国の情景を反映して描かれていたのはかなり楽しめました。一部日本らしい瓦造りの家が出てきたりしてアジアらしさも出ていて良かったですね。

 AIが核を爆破したことが引き金ではあるんですがアルフィーのような無垢なAIが本当に“悪”なのかってのもテーマに盛り込んでいてすごい構成だなと。色々なことを知って学んで悪くなるわけでAI=悪ではないわけですよね。

 

 あと驚いたのが渡辺謙のセリフで日本語がバンバン出てきてるんですよね。私吹き替え版見にきたんだっけ?いや、字幕版だよな!?そうだよな!?と困惑するくないには日本語話してましたねww( ´∀`) 海外作だから英語なのかと思ったら急に出てくるもんだからビックリしましたわ。

 

 そしてギャレスがSF作品をきっかけにこの道に入ったこともあり『スター・ウォーズ』へのリスペクトがすごい。リアルなロボットから“バトル・ドロイド”みたいな低コスト量産機みたいなものまで「それっぽさ」を残しているんですよ。

 彼自身アンソロ版を制作していますからこういった作風への愛が溢れていていいですね。見ているこっちもわかるようにしてくれているからよりに楽しく鑑賞できちゃいます!

 

 こういったオリジナルでいい作品がもっと出てきて欲しいですね。今回は個人的にはかなり好きな作風だったので満足でございます!ごちそうさまでした( ^ω^ )

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆☆☆★4/5