ゴーヤの気ままに映画

見たい作品がある時に書いているので定期更新ではありませんが大体月に2,3本は新作鑑賞して投稿しています!文章は苦手なので下手なのはご容赦ください。評価は甘口カレーくらいの甘さ( ^ω^ )

映画『怪物の木こり』あらすじ・感想・ちょっとネタバレ 全員がとびきりヤバいサイコパス

 

 映画を制作する人の中にはそのジャンルで有名な作品を手がけている人もおり、さまざまな呼び名を持っている人もいます。いわゆる「〇〇の巨匠」とかってやつですね( ^ω^ ) 

 日本の三大巨匠は映画に携わる人やファンの方なら知っている人が多いことでしょう。ダイナミックな画が特徴の黒澤明、ローアングルから細部まで設計されたのが特徴の小津安次郎、カメラワークにこだわりのある溝口健二。

 

 邦画の進化に大きく関わってきた上記の巨匠たちですが、近年では監督それぞれが得意なジャンルを中心に作品を作ることが多く、そのジャンルで名前を轟かせている人たちがたくさんいるのが印象的。

 

 今作は物理的な暴力を作中に取り入れるのが得意な“バイオレンスの巨匠”こと三池崇史監督。

 

 人気不良漫画の『クローズZERO』シリーズやヤクザに潜入捜査する『土竜の唄』などの作品を手掛けており、バイオレンスとホラーにコメディ的要素を追加するなど他にも多岐にわたるジャンルも製作活動をされています。

 日本だけでなく海外の映画監督にも影響を与えたりもしておりファンも日本だけでなく世界に多数のファンがいるほど。

 

 作品を作るのも「映像化できればなんでもやってみる」と言っているほどで、他にもテレビや舞台なんかにも手を出していたりと多作。

 今作も登場人物がかなり特徴的であり脳科学の教授を監修に迎えたりとかなり力を入れているんですよね。監督自身原作小説に対してリスペクトを持っているそう。

 

 そんなバイオレンスを具現化する監督がどんな映像、キャラクターを見せてくれるのか!?主演の亀梨さんとは初タッグとのことでこのタッグがどうなるかも注目点ですね!

 

 さっそくいってもよ〜〜〜٩( ᐛ )و

 

 

作品情報

 2019年に発表されたスリラー小説『怪物の木こり』(著:倉井眉介)をもとに製作。原作小説は2018年の第17回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞している。

 

 目的を達成するためなら殺しもするサイコパスな弁護士・二宮。絵本に登場する仮面を被り凶器の斧で脳を奪い取る連続殺人鬼に襲われた二宮は返り討ちを狙い犯人を追うがその周りには警察の捜査も絡み先読みのできない展開が待っている。

 

 今作でサイコパス弁護士・二宮を演じるのは亀梨和也。直近の映画出演から3年ぶり+今作の三池監督とは初タッグということもあり作品の出来栄えに注目が集まります。自身の目的達成のため顔色ひとつ変えずに殺人を犯すサイコパスをどう演じるのか!?

 周りにはコミュニーケーションが苦手で空気の読めない警官・戸城を菜々緒、二宮に協力する脳外科医・杉谷を染谷将太、家族の不審死にふさぎ込んでしまった二宮の婚約者荷見を吉岡里帆が演じる。 他にも中村獅童柚希礼音渋川清彦などが殺人犯や刑事を演じる。

 

 作品の制作を手がけるのはバイオレンスの巨匠こと三池崇史監督。『着信アリ』(04)、『妖怪大戦争』(05)、『クローズZERO』シリーズ(07〜09)、『土竜の唄』シリーズ(14〜21)などの作品を手がけており、ホラー+スリラー作品で物理的暴力が登場する作品を得意としているのが特徴。

 海外での人気も高くさまざまな国際映画祭で賞を受賞。アメリカの『TIME』誌に掲載されたホラー映画ベスト25で唯一の日本映画として選出された。(2007年)

 

 それだけの功績を上げた名監督の最新作は登場キャラにサイコパスが犇めき合い、サイコパスについて知るため大学教授を招くほどの徹底っぷり!この作品は見逃せない!(゚∀゚)

土竜の唄 FINAL

 

 

あらすじ

 絵本「怪物の木こり」の怪物の仮面を被り、人間の脳を奪い去る連続猟奇殺人。その捜査線上に犯人が唯一殺し損ねた男、弁護士・二宮彰の名が浮上する。

 

 実は二宮は目的のためには殺人すらいとわない冷血非情なサイコパスだった。

 

 総力を挙げて捜査を進める警察と、犯人への逆襲を狙う二宮。先に真相に辿り着くのはどっちだ?

 

 サイコパスVSシリアルキラー…驚愕の結末まで、この狂気は止まらない!!

 

※引用元:公式HPより


www.youtube.com

 

 

キャラクター<俳優名

二宮彰<亀梨和也

 連続殺人鬼に狙われる弁護士。目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわない狂気のサイコパス。サイコパス度数満点のパーフェクト(完全なる)サイコパス。

・邪魔な人間は排除すべきという考えを持っている。

・表情すら変えず殺人を犯す。

・「愛」や「情」といった感情は一切持たない。

 

戸城嵐子<菜々緒

 捜査本部で孤立しながらも、連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー。頭脳労働は得意だがコミュニケーションが苦手な、いわゆる変人天才タイプ。サイコパス傾向強め。周囲の空気を読めないため人間関係のトラブル多め。

・組織の慣習や規律に無頓着なので、警察組織の中では浮いた存在。

・事件=解くべき問題、という思考。犯罪捜査へのモチベーションは、正義感・倫理観というよりも、情報を集めて分析し「心理を読む」「推理する」「謎を解く」こと自体への強い関心。

・自分にはあまり関心がない。

 

荷見映美<吉岡里帆

 父親の不審死にふさぎ込む二宮の婚約者。「無自覚」ゆえにサイコパス度数は低いが覚醒する可能性は秘めている。

・自分でも知らないうちに共感されていることが多い、無自覚な誘惑者。

・感情にストレートで表情豊かな反面、高すぎる感受性を表に出さないよう普段から自己抑制的な言動をとっている。

 

杉谷九郎<染谷将太

 二宮の協力者のサイコパス脳外科医。サイコパス度が非常に高い。

・言動の判断基準は楽しいか楽しくないか。楽しいこと=善、楽しくないこと=悪。楽しいと感じた場合は殺人もOK。楽しくない場合は除外目的での殺人もOK。

・ほとんどの事象に均等に興味がなく日常がつまらないと感じているため、刺激的な状況を過剰に求める。

・同じくサイコパス度の高い人間に関心を示す。

 

剣持武士<中村獅童

 過去の殺人事件の容疑者。自意識の高さが災いして社会に溶け込めない、内向的なサイコパス。自分のサイコパス性にある程度自覚的。

・自分に合わせてこない「社会の方が悪い」という思考。

・他者との関係がうまく築けないため引きこもっている。

・唯一の理解者であった妻が死に、その保険金で生活していけるので外に出ない。

 

乾登人<渋川清彦

 暴力行為で更迭された刑事。証拠より自らの直感と見立てを優先する。刑事という職業によって後天的に暴力性が発露したソシオパス。

・犯罪や犯人への嫌悪感が異常に強い。

・容疑者として一度マークした人物に執着し、場合によっては暴力も辞さない。

 

東間翠<柚希礼音

 31年前の連続猟奇殺人の犯人。サイコパス度数満点のパーフェクト(完全なる)サイコパス。

・医療研究のためと、何人もの児童を誘拐し殺害。

・違法手術への罪悪感はゼロ。

・手術の結果、死に至らしめたとしてもそれは医療研究のため「必要な犠牲」。

 

※引用元:公式HPより

 

 

感想

作られたサイコパスが“自分は普通の人間である”ことに気付いていくストーリー。結局純粋なサイコパスじゃないし連続殺人鬼の動機もそこまでの説得力を感じない。怖さはあれど面白さは少し薄味かな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

序盤で出しきるスタイル

 関東近辺で複数の子供が誘拐誘拐され、捜査令状を持った警官に逮捕された夫婦から物語は始まる。被害にあった子どもは頭に包帯を巻き、絵本の「怪物の木こり」を朗読している。その絵本に登場する怪物は帽子を被り口元を隠しているから人の住む村に紛れることができていた。

 怪物は木こりのふりをして村人に近づき次々に村人たちを食べていく。人間を皆食べた後に人と接したことが恋しくなる怪物としての自分と人間の木こりとして存在していた自分のどっちが本当の姿なのかわからなくなる。

 

 どちらが正解なのかを知るために怪物の木こりは別の村へ移り、その村の子供の耳を薄く伸ばし歯を石で削って尖らせた。彼は多くの“友達”を作ったことで今後も彼のような存在が残り続ける。といった絵本。こんな絵本作るなよ!(・Д・)ヤメトケ

 子どもたちが誘拐される事件は容疑者の東間翠が自殺したことで幕を閉じ時は現代。弁護士の二宮は表情が表に出てこず恋人からも正直何を考えているのかわからないと思われるほど。そんな彼が駐車場で襲われたことをきっかけに彼自身の過去や巷で騒がれている連続殺人事件の真相が明らかになっていく。

 

 今作は事件の真相に迫っていく鍵が結構序盤に出てきます。実は主人公の二宮は頭に脳チップが埋め込まれていたというキーが出てきますがめっちゃすぐ出てきた。この設定は中盤か最後の方に最後のピースとして出てくるくらい重要な要素なんじゃないのか!?

 

 あの設定は犯人と二宮を紐付ける手がかりでもあるんで後半に入れたほうがいいんだろうけど襲われたのが序盤なので検査を挟まざるを得ないんでよね。これはストーリー上どうにかできたんじゃないかと思います。

 殺人鬼と出会うきっかけを襲われたじゃなくて扱った案件絡みにするとかに変えて後々襲われちゃったとかね。

 

 構成としては後半に犯人が誰なのかをがっつり入れたかったんでしょうがぶっちゃけ後半が物足りなくなってしまってたので「う〜〜ん…_(┐「ε:)_」と物足りなさを感じてしまう。

 二宮のリミッターが無くなって人間味が出てくるからサイコパス気質が薄れていくところにスポットを置いているんでしょうが個人的にはそこじゃないんだよな感があったし、そういうドラマ性を全面に出すにしても薄味なのでやるなら徹底的に振ってほしかったですかね。

 

 ミステリーも二宮と“怪物の木こり”の暴力的な部分も全体的に中途半端に思っちゃうので全部盛りで味が濁っちゃったみたいなイメージですかね。めっちゃ味濃い物ばっかりにしたら喧嘩しまくっちゃいましたね。

 

 ミステリーにしてはヒントが出まくるからピースが揃うのも早いってのは残念ですね。冒頭の幼児誘拐事件で出てきた男の子が明らかに怪しすぎるしどの主要人物も多くないから特定するまであんま迷わないんですよね。

 

 このあたりは見ていて歯痒かったですね。怪物の木こりが襲ってくるところは「THE 力!」みたいな斧の振り方したりして面白かったけど二宮が格闘できるようなシーンもないから戦闘もそんなに盛り上がらないしね( ´∀`)

 

 

もっと怖くていい+そうはならんだろ(´ω`)

 バイオレンスミステリー作品ということでどれくらい過激なシーンがあるかが出来栄えを左右するんじゃないかと個人的には思うんですよ。

 最初の画面上で犠牲者になる杉谷病院の医師を殺しちゃうところとか二宮が襲われた時に診察した医師を殺すところとか(めっちゃ医者殺してるやん)、明らかに殺し方が雑すぎるんですよね。

 

 首の動脈を切ってもあんな血の出方しないだろ!庭に水撒くぐらい出てるだろ( ^ω^ )あんな血の吹き方するの人間じゃなくねえか。2人目の医者を殺したのも“スマホ”ですが殴打で殺すならまだわかる。

 でもスマホ固すぎだろ。首を殴ってもあんな刺さって死ぬとかあり得るのか!?シンプルに殴っての方が現実的じゃなかったのかな?

 

 首の血で言うと東間翠の自殺もですよね。カーテンに飛んでる血はまだしも首から出るところはあまりにすごかったですよね。ぶっちゃけ漫画の読みすぎとかじゃないかな?って思っちゃうくらい。脳に血液を送る太い血管ではあるけどあそこまで大袈裟にすると冷めちゃいますよね。

 

 しかも上映開始してすぐその連続なのでねww この時点で割と萎えてしまっていたのでここからどう挽回してくるのか気になっていたけどそのままスーッと終わりましたね。ギコギコはしませんでした( ´∀`)w

 

 怖さでいうと二宮の怖さがそこまで出てこないように感じましたね。無表情で相手を殺害する姿は「サイコパスだなぁ」って思うんですけど杉谷の方がより気質があるから主人公が霞んじゃうんですよ。

 杉谷が二宮に見捨てないよねって確認するところとかめっちゃ怖いんだよなぁ。病院にいる猫を見る目もめっちゃ怖い!とっ捕まえて解剖でもするんじゃないかって想像をさせるくらい素でサイコパスが溢れているんですよね。あっちが主人公の方が良かったんじゃね?

 

 あとは戸城ですかね。サイコパス傾向強めとか公式HPで書かれていましたがかなり時間の経った事件現場に鼻を抑えることなくズカズカ入っていけるのはサイコでしょ!?親くらい歳の離れた刑事ですら匂いを気にする仕草してるのに気にならんのかな?

 菜々緒っも二宮みたいに表情変わらない時は怖さがあるんですよね。頭がキレるから警察に向いているのかもですが一歩外れれば犯罪者になり得る人材ですよ。

 

 

最後に

 あれだけサイコパスにフォーカスを当てて予告もとんでもない行動とかするのかなとドキドキしながら見てましたが人間味を得るって要素で振り切れなくなっちゃったのがネックだったのはねぇ…。

 全体的に緊張感があるシーンのはずなのに浮き沈みが激しくないんでメリハリないしちょっとぬるっとしたゆっくり感があってそこも悪い方に行っちゃったかな。

 

 久しぶりにこんなズタズタに書いちゃって申し訳ないな。

 

 他にもこれはなんでこうなるんだ?って思うようなシーンもあるし二宮が幼少期を思い出すトリガーもよくわからんしで三池監督の作品としてはそこまでなのかなと。

 やっぱ小説の方がサスペンスとかミステリーとかは緊迫感を感じやすくなったりするんでそっちの評価がかなり高くってその影響もあるのかな。

 

 小説や漫画原作あるあるではありますがなかなか元を超えてこないってのは仕方ないか。他にもそういう作品いっぱいあるしね(´ω`)

 

 ってなわけでまた次回 ´ω`)ノアリャシタ

 評価 ☆☆★★★2/5